川尻異国船遠見番所および折笠台場

概説 川尻異国船遠見番所文化5年(1808)、水戸藩7代藩主治紀の時に設置された。折笠台場は嘉永6年(1853)頃、御番山の異国船遠見番所下に造られた。「折笠村絵図」には、大砲5挺の台場として描かれ、砲台場との注記がある。[『国別 城郭・陣屋・要害・台場事典』より]
川尻漁港から見た御番山(右手民家のところに折笠台場があった)
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訪問記[2004/09/06]折笠村絵図(嘉永年間)に御番山北側の道は「御台場道」と書かれている。まさに、御番山下の折笠台場への道だったわけだ。地元で生まれ育ったというお年寄りは、御番山下の壁面には洞がいくつもあって、そこに年貢米を仕舞っておいたという話を聞いたことがあると言っていた。洞は擁壁工事によってほとんど覆われてしまったそうだ。御台場道の途中から御番山へ登っていくと途中に明神さんである津之神社が祀られている。さらにその上へ上がって少し下がったところには畳2畳ほどの削平地があるそうでそこに番所の建物があったらしい。
所在地日立市川尻町。異国船遠見番所は川尻港南端にある御番山山上に、また折笠台場は御番山下に置かれた。現在は民家が建て込んでいる。
参考書『村絵図に見る日立』(日立市郷土博物館)、『国別 城郭・陣屋・要害・台場事典』、友部海防陣屋調査会ホームページ『友部海防陣屋』