みずぼうそう(水疱瘡)
「みずぼうそう」は生後3ヶ月以内の乳児や成人には少なく、集団生活を始めた幼児、2才から10才くらいまでの子供に多い病気で、毎年流行します。感染力が強く、次々と兄弟に移っていきます。ウイルスによって起き、飛沫感染によって広がっていきます。潜伏期間は2週間です。
まず、発熱がみられ、真ん中に水を持った発疹がパラパラと現れ、日に日に増えていきます。軽い場合は数個しか出ない場合もありますが、通常は身体中に出てきます。この発疹は水疱瘡の場合は頭部や躯幹に多く、髪の毛の中や口内にも出てきます。
かゆみが強く、引っかいて発疹をつぶす事が多いので、手についたウイルスから他の子供に移っていきます。また掻き毟った事により細菌に感染し膿みを持ったりしてきますから病児の爪を良く切り、清潔にして、皮膚を傷つけないようにしなければなりません。
通常は1週間程で発疹の色が濃くなりかさぶたが出来て、感染力はなくなっていきますが、この間は学校を休ませます。まれには合併症を引き起こし、熱が長く続いて、脳炎や髄膜炎を起こす事もありますから、きちんと治療を受けなければなりません。
予防にはにワクチンが開発されていますが、まだ高価な為、あまり普及してはいません。しかし合併症を考慮すると、体力の弱い子供や、妊娠の可能性のある女性は予防接種をしておいた方が安心です。
水痘にかかって数十年もしてから、神経に残ったウイルスが活性化して起こる病気に帯状疱疹があります。神経にそって水疱疹がでて、大人の場合は非常に痛み
ます。1週間程の安静と治療が必要になります。 97.7.
お母さん達の質問
今年(2001年)は春から夏の時期に水痘に罹る子供が目立ちました。お母さん方の質問が多いのもこの病気の特色です。
(1)予防接種は何時がいいですか?
水痘の患者さんは80%が5歳以下です。したがって幼稚園、保育所などへ行く前に済ませたほうがいいでしょう、1歳から受けることが出来ます。
(2)水痘は海外でもかかりますか?
ウイルスは世界中に存在します。どこでもかかる可能性はあります。
(3)予防注射は必要ですか?
水痘は非常に感染力が強いウイルスです。患者とすれちがっただけでも感染します。予防接種はしておいたほうが安全です。集団の中での流行期には予防接種を済ませていても、1〜2割ほどの人がかかることがありますが、症状は軽くすみます。
(4)水痘は怖い病気ですか?
はしかに比べて、重症になる人は少ないのですが、約1割くらいの人に多くの発疹や高熱がでる場合があります。合併症を引き起こすこともあるうえ、かさぶたの痕が残ることがあります。 2001.7.12.阪大微生物研究会資料
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