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このアルバムを取り上げたのは、WE LOVE YOUが聞けるからで、それ以上でもなければそれ以下でもない。WILLARDというバンドはSTONESのファンとはあまりかさならないのかもしれないが、WILLARDがこの曲をカバーしており、ファンとってはなじみ深い曲である。
この曲はイギリスでの「サマー・オブ・ラブ」を盛りである67年に発表されているが、まさにサイケであり、ニッキー・ホプキスのピアノのバッキングと左右中央からひびいてくるファルセットが宗教的な雰囲気、寺院の高い天井に反射しているような響がある。
「サマー・オブ・ラブ」はそののち形をさまざまにかえながら、伝承されていくのだが、中心はなんといってもBEATLESであり、STONESが語られることはあまりない。
STONESはBEATLESのサージェントペパーズに影響されてサタニックマジェスティーズという失敗作をつくったくらいに解説されてしまうんだけど、この曲を聞いて考え直して欲しいと思う。
BEATLESが確信をもってやってのに対し、STONESはまよいつつ時代の精神を反映させようとした結果の音ように感じられる。それを裏付けるように、ちょっとストレートにアメリカ南部に傾斜しハードにすれば傑作アルバムをつくっている。