Pete Venters。ストーリーライン重視、という昨今のエキスパンションの流れを決定づけた人物というだけでわたくしにとっては不倶戴天の敵だったりするんですがそれはそれでいろいろ会社にも思うところがあったんでしょう、と今では半ば「ワイン片手に傍観者モード」を決め込むことにしております。Urza's Sagaのストーリー(デュエリスト・ジャパン6号には詳細なストーリー紹介記事が掲載されてますのでご一読をおすすめします。なんでもかんでもホビージャパンの仕事だというだけでけなしてる訳ではなんですよ、わたくしだって)は結構好きだったりしますし。この記事は結構今となっては古いものになってしまいましたがWizards of the Coast社のWebpageのものを抄訳(だと思う・・どこをどう省いたか思い出せないんすけど)しました。
ヴぇんたーす、ぴーと
生まれ:英国、ポーツマス
趣味:映画、ゲーム、レストラン
好みの食事:イタリアン
憎悪してる食事:血のプディング、haggies、アリゲーター、イカ
飲み物:レギュラーサイズのモカ
ペット:今はいないけど、猫が好きだね
車は:持ってない、でも物色中だ
好みの音楽:ブリティッシュポップ、インダストゥリアル
ひいきのマンガ:Akiraと「Sandman」
人生最短の締切:「昨日、というのがいつものあいさつなんだけど、AlliancesのRoyal Decreeを明日までに仕上げるように言われてるんだよね...
絵師としての仕事のほかに、Pete VentersにはWizards of the Coast社の顧問というもうひとつの職業がある。AliiancesやMirageのバックストーリーを手がけたほか、120ページにもわたるHomelandsのバックストーリーも著した。「この仕事で一番厄介なところはカードテキストだけは決定しているけどまだフレーバーテキストの決まっていないカードに名前をつけてやるための会議だね」と彼はいう。「4人でその作業はするんだ。Mark Rosewater、Bill Rose、Mike Ryan、そしてぼく。たいがいは怒鳴って叫んでお互いの牽制をするんだ。
絵師とドミニア世界の創造とに片足づつを置きながら、彼はMagicの道をつくっていく。
AlliancesはIce Ageに続く物語として位置づけられている、兄弟戦争のはるか後のドミニアをモチーフにしたエキスパンションだ。PeteはまずWizards of the Coast社における「エキスパンションごとの物語の連続性についての意思決定顧問としての義務としてストーリーの詳細部分を決定し、アートの領域でその物語を現実のものにする。彼はFeast or Famine、Heart of Yavimaya、Lake of the Dead、Omen of Fire、Phyrexian Portal、Royal Decree、Wandering Mageを描いた。「Omen of Fireは我ながら非常に珍しいケースだった。カードを決めたのも絵をかいたのも、フレーバーテキストも全部自分でやったというケースだ。デュエルでどう使われるかということはさすがに決められないけど」
Lake fo the Deadの時にはいい経験をさせてもらったよ。背景部分を塗っているときに一種の遅延剤を青に対して使ったんだ。作業をする時間を稼げるように、絵の具が早く乾いてしまわないようにね、ただ薬剤の配合比を間違えてしまって、絵の具が紙に全く定着しなくなってしまった。別の紙を押しつけていくらか取り除いてみたんだけど、たったいまバケツの水をぶちまけたような感じがずっとそのままでね、文字どおりしたたり落ちそうだったよ。
Mirageという独立型エキスパンションにはこれまでで一番でかいクリーチャーが登場する。Phyrexian Dreadnaughtは12/12でありながらキャスティングコストは1だ。
Dreadnaughtにはとっかかりから苦労させられたよ。TVカメラの目の前で、まず鉛筆で下書きをしたら、Alienそのものになってしまった。だから紙を180度逆さまにしてその後は書きつづけて、後半ではどんな構図にしようか、ってそればかり考えていた。だからクリーチャーの咽を背中に持っていったりしてるんだよね。
ただの素訳になってしまうんですよねえ、どうしても。ディレクターとしてのPete Ventersのコメントはエキスパンションが発表されるたびにちらほらと見受けられるのですが、絵師としての彼は意図的に自らの内面を公表していないような気がします。そういうスタンスも理解できますが、少し寂しいですね。