Mark Tedin。えーと、何を描いている人だったっけねぇ、っと・・をを、Leviathan/リバイアサンにNevinyrral's Diskネビニラルの円盤、Tetravus/テトラバス、Wall of Swords/剣の壁、C.O.P Red/赤の防御円、Mind Bomb/精神爆弾!・・第4版だけざっと見てもこれだけ出てくる、実は結構4thから入った新米デュエリストにもなじみの深い絵師だったんですねぇ。しかして上のカードを(全部持ってるよ、という人も少なくないでしょうが)並べて見比べてみると、うむ、この人の絵は素人目にも明らかな共通点がありますね。どことなくうねうねぐろぐろでろんでろんしてます。精神爆弾なんかしわしわの脳味噌がどことなくMars Attack!してますし、リバイアサンの口の中なんかはなんというか、こお、舌の先っちょで自分の口の中をついなぞってしまいたくなるリアリティがありますなぁ。ネビニラルの円盤はいみじくも誰かがどっかで書いておられましたが「口臭きつそう」とか、そんな感じがします。ダイナミックな「ゆらぎ感」がこの人のイラストの大きな基調なんですね。渋めなカードではアイスエイジのBalduvian Conjurerなんてのがありますが、私はこのうねうねおじさんよりも画面右手で「シェー」してるland君が大好きです。そんなわけでこの人のインタビュー記事(元はこちらね)を例によってDisintegrate&Reconstructionで好きに味付けしてみましたが(くどいようだけど事実関係とかは曲げてませんからね)、長身で若手(1995年当時で27歳)、ナイスガイのTedin節は読んでてとっても面白かったっす。長いけどごめんね。
Mark Tedin(以下Mark)はアラスカにあるちっぽけな町で育った。人口が9000人に満たない、小さい町だ。ちいさいなりにいいところもあって、運転免許を取るのに時間をかけずにすむ。シアトルだとキャンセル待ちが2カ月だもんなぁ、まいっちゃうよ。んじゃまぁ、俺、ちょっくら帰省して免許取ってくるからさ・・・・ちょっと待てい!免許はともかく、描きかけのDUELISTの表紙、いつ仕上げるつもりなんですか?周りの人もほら、こんなあきれ果てて何もいわ・・あれ?あの、何も言わないでいいんですか?「ま、よくある話だよな」「そそそ」・・・いいんだろうか?まぁいいや。んで、彼のインタビューはどこでするんです?会社?やっぱアトリエ?えーと、あの、ここってもしかして、ドトール?「そうだよ。みんなの顔をみたり通りを眺めたりするのは楽しいからね。なんかあるかもしれないだろ?コーヒーただ飲んでんのもいいしさ」
「カフェでスケッチ三昧だと、マジメになりようがないからいいね。そりゃ仕事の最後の詰めはスタジオでやるけどさ、あそこは気が散る誘惑が多くてね。いや、テレビやラジオが悪いってんじゃなくって、問題はそういうのが別の部屋にまとめておいてあるとついそこでぼけーっとしたまんま時間無駄にしちゃうだろ?んだからなんもかんもごっちゃにしておいてちょこっとテレビ、ちょこっと絵、ちょこっと通りなんか見たりして、んでもそっちの方がアトリエこもりっきりよりずっといい仕事ができんだよね」
仕事をあんまり長くやるタイプじゃないってききましたけど?「うん、そんなことしてたらプライベートに響くからね。一日8時間の労働時間はきっちりまもんなきゃ。それ以上やるなんてまっぴらだから、俺の仕事は早いよぉ、Magic:The Gatheringの仕事はたいがい2時間から、長くっても6時間で仕上げたね。技術的に文句を言われたことなんかないんだぜ、へへ。これは学校行ってたときからの癖みたいなもんでさ、ペーパーテストなんかちゃっちゃと終わらせて残りの時間は紙の裏に落書きしてたね。」
あの、ヨーロッパが長かったとか?「そそそ。イタリアのフロレンスにちょっとね。Fine Artsの学位を取ってからしばらく武者修行よ。次に渡欧するときゃ楽でいいだろうな、なんせ美術館だの教会だのはもう全部見ちゃったからすっとばしても平気だし、うひゃひゃ。でも次に行くとしたらやっぱ極東だな、あそこはなんかこぉ、全然違うって話だもんな。日本なんか、行ったらめんくらっちゃうだろうな。ちょっと楽しみだよなあ」
ShadowfistやLegend of the Five Ringsなどの仕事もなさってますね?「うん、ただ東洋の中世の鎧なんかはよく知らないもんだから、柄にもなく下調べなんかしたっけね。やっぱそういうのは大事だよなぁ、なんせアメリカ人が未だにカウボーイしてるなんて思ってる奴もいるのはやっぱ面白くないからね、彼らにしてみりゃとんちんかんなもん描かれりゃいい気分じゃないだろ」
そのスケッチブック、いつも持ち歩いてるんですか?「テーマなんか決めないんだぜ。いつも描いてる。なにかしら、あれやこれやね。そうやってこぉ、描くパワーを貯めてんだな。ただなぁ、ほんとはテレビとか映画の仕事やりたかったんだよなぁ、んだからさ、弟のクリストファ(こいつもあーちすとなんだけど、な)とありもしないハリウッド仕事をやってみたりしたもんだよ、模型飛行機に宇宙船に、いろいろ準備して、筋書いてスクリプト切って、ストーリーボードまで描いたんだけど肝心のカメラがなくってさぁ(げらげら)、ま、いい思いでって奴かな。役にも立ったしね。後になってAnson Maddocksと今度はカメラ付きでおんなじ様なことをやったな。SFチックな仰々しいシナリオでさ」
SFですか?「おお、SFは大好きよ。スター・ウォーズなんか超しびれるって感じだな。まぁ今見直してもどってことないかもしれないけどよ、最近じゃあれだな、「アキラ」なんかcoolだったよな、あれはすごかった、もうはちゃめちゃなんだもん、も、面白れーっって感じだった、そんだけ。日本のアニメは結構好きだなぁ、あいつらアニメを俺らとは全然違うふうに作るんだよな、ガキ向けじゃないんだもん、時々えらくマジメだしよ」
マンガの仕事をなさったことは?「あー、ない、な。市場がまだまだこれからって感じだし。んでも俺って結構一直線タイプだからマンガにゃ学ばせてもらってるよ、昔はこれでももちょっと写実的だったんだけど今じゃあれもんの肩の力ぬけまくり系だもんな(訳者注:大御所Foglioに比べればまだまだマジメさぁ、と思うのはわたくしだけでしょうか)。なんか、あんまりリアルに見えなくてもいっか、って最近は思うね。やりたいように、描きたいように描いてったほうが全然楽しいし、でなきゃだれちゃうしね。イラストやってる理由なんかだいたいその一点に尽きるね。みんなをあっと言わせるのは楽しいさ、だから絵なんて描いてる。なんか、どっから湧いてきたのかわかんないようなすごいアイデアがぱっと目の前に出てきたりするとすごく嬉しいね」
それに怯えたりすることってないんですか?「あー?それよかこれ今タイプしてる奴のキーボードが時々勝手にうぇl米だたこmpなんて書き出す方がよっぽど怖いね。いやさ、確かにLord of the Pit/奈落の王はすげえおっかない面だけどさ、あれはあくまでも絵であってさ、別にガキ共がダース・ヴェーダーのコスプレしてたってマジでフォースの暗黒面追及してるなんてこたぁないだろ?あれもこれもアーキタイプ(原型)なんだからさ。俺は紙にそういうのを描く、それだけさ。んでも描いてなかったら今ほどまともじゃなかったかもなあ。なんていうか、頭ん中の暗い部分を紙の上に吐き出さないと人生くらぁくなってくるっつうかさ。ま、俺はもともと楽天的で性善説でさ、あんまりとっぴなことなんか世の中にはあるんかなぁくらいに思ってるんだけどさ、なんかでろでろしたのを紙に描いてりゃ自分が面白いからね。うーん、グリム兄弟だのヒエロニムス・ボッシュだって今ここにいたら「そうだそうだ」って言ってくれんじゃないかな?C・S・ルイスだのトールキンだのは本人は敬虔なクリスチャンだったって言うけど、小説書いてるときにそんな立場に縛られてちゃあんないいのは書けないよな。アーキタイプなんていってもまぁ表現の一種類であってさ、そんなのにとらわれないで仕事してるのもいっぱいいるよ、娯楽だって割り切ってね」
ほかのアーティストたちはみんなやりたがってる仕事なんですけど、子供向けの本なんて作ったことはありますか?「高校のときにやったっけなぁ。引っ越した子供が主人公でね。こぉ、ラストの絵が高い木に子供にそいつの兄貴に、んでみんなして夕日なんか見ちゃったりしててね。あんまりLーフェニルアラニンズルチンサッカリンステビアテイストだったんでね、ついおまけにもう一枚余計につけちゃったんだねぇ、でっかい化けもんがそいつらに襲いかかるっての(げらげら)ま、だから今こうしてんだけどね(げらげら)いや、そういう仕事はやってみたいんだけどさぁ、話の筋書きを楽しんでやりたいからねぇ。やりたいように話とか作らせてくれないかなぁ。「ダイノトピア」なんて見たけどそりゃ良かったなぁ、もう思いっ切り別世界作り切っちゃってて。「ダーク・クリスタルの世界」なんてのも見たけどあれもジム・ヘンソンワールドでなかなかだったなぁ。ヲレモジブンノマペットガホシイホシイホシイジョーーーー!(突如としてセサミ・ストリートの「カーミット」の口まね。しばらくワンマンショーが続く。ドトールの客が一斉に拍手。投げ銭をするのもいる。テーブルに土足で上がるのは止めましょう)
あー、すばらしいショーをどうも。でですね(汗)Magicでお好きなアーティストなんかはどなたかいるんでしょうか?「ん?MacにGrouchとかOSCARとか入れてる奴、それ著作権侵害ソフトだからばれないうちに消しとけよ。ネタが古いって?うー。そだな、Anson Maddocksはいい奴だけど、それ言ったらおれはあいつと小学校3年ときからのダチだからなぁ。最古のファンって奴だな。ほかにはHarold McNeillなんて好きだなぁ、デザインのセンスがさぁ。Ron Spencerなんてちょっといかれた感じがいいよなぁ、Amy Weberに、Quinton Hooverはあの一直線大好き路線がいかしてるよなぁ。」
好きなテレビ番組なんかは?「あ、質問のネタが尽きてきただろ?スタートレック(Voyager)にX-Files、んだなぁもぉ、手間省いてやるよ、なになに『休みのときにはなにをしますか』?自転車乗ってドトール入ってスケッチして有象無象どもを鑑賞してだな、Anson(Maddocks)とつるんで宇宙生成の秘密について論じあったリだな、ぜんぜん関係ねーけどアーティスト連中の個展初日のパーティーなんかじゃ出てるもん全部とりあえず喰ってみるな、必ずシャンペンと果物とBRIEがあって笑えるけどよ。パーティーあるたんびにBRIEに詳しくなってくぜ、まったく」
今は都会に住んでるわけなんですが、人間が多すぎて大丈夫ですか?「どっちかってぇと閉所恐怖なんだよね、育ったのがちっこい町だからあちこちだだっぴろくてさ、でも都会にはいろんな奴がいるから退屈しねーな、ただあいつら四六時中Wall of Shadows召喚して一時の誰かさんみたいに待ちのデュエルしかしねーもんだから知り合うまでが大変でさ。ほかにシアトルの好きなとこ?ここは職場だぜ?田舎よりは仕事は多くて助かるわな。ただシアトルはこのうっとおしい曇り空とかじとつく雨とかが故郷に似ててさ。思うんだけど、なんでカリフォルニアの連中はあんな日照りでぶっ倒れちまわないのかね?信じられないね。ここの涼しさに慣れ切ってるからシアトルの外に出るときはアーティファクトの助けがいるね。自動車(8/8トランプル、アップキープ毎にガソリン8マナを要求する)っていうのがね」
そういえば免許取ったそうですね。クルマは買いましたか?「へへ、故郷にいるときだけな。高校の時はクルマなんか要らなかったし、ここ3年くらいはクルマ無しでやってく練習してたしね。今買うなら、ま、苦手なもんで、車庫入れしやすい奴だな」
どうしてシアトルに来たんですか?「Ansonに誘われたんだよ、3年くらい前だったかなぁ、ワシントン大学でたての頃でね、Jesper MyrforsとかがTalismaniaとMagicのプロジェクトを立ち上げた直後だから作例持ってこっちきてみねえか、ってさ。それが始まりだったなぁ。シアトルっていやぁアラスカまでの中継点でさ、昔の同級生だの俺の妹だのが住んでるし、Ansonも来い来いっていうしさ、いーわよーんって言っちゃったんだよねぇ。ま、ほかになんかあったかって言えばなかったしな」
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この人の最高傑作を一つ選びなさい、っつったら皆さん何にします?わたくしはもぉ間違いなくアライアンスのThought Lashを選びます。レアリティがR2なんで若干拝むのに苦労するかもしれませんが、まぁまだ見ていない人は早く見なさい。MTGやってたことを後悔するから。絵も謎なら効果も謎で、一時は「Wizards社から全世界のデュエリストに叩きつけられた挑戦状だ」まで言われていましたが、WIZZ誌でどうやらまともに使えそうなコンボが発表されていましたのでよかったよかった。
よい子のための脚注
Mars Attack! / 映画です。見た人、感想をメールしてください。
6時間で仕上げたね / 訳しといてなんですが、信じられません。でもそう書いてある・・