1998年夏。Magic:the Gatheringの5年目の誕生日を祝うかのように、これまでになく怪しいエキスパンション「Unglued」はリリースされた。開発者たちの鬱屈が吐き出されたかのような狂気に彩られたそのカード達は極東に住まう我々の脳髄にもチキンの爪痕を深く残すことになったのだが、狂乱のChaos Confetti破りが一段落したとき、全てのデュエリストの脳裏にひとつの疑問が浮かんできたのだった。「・・・んで、この覚えにくい名前の絵師は誰なんだ?」そう、きっと栗鼠生みのタネとしても大活躍したに違いないあの、どう考えても「あの方」としか思えないにも関わらずそう名乗っているこれまでにない謎な絵師、Claymore J.Flapdoodle。お前は誰だ、誰なんだ!そんな叫びを予期したかのように、The DUELIST30号に彼の記事が掲載されたのでここにお届けする。なお、紙媒体によるThe DUELISTの翻訳物刊行権は(多分)ホビージャパン社にあるので
我々が何をどう考えようと、The DUELIST30号の表紙のナイスな天使様とチキンのペアを描いたのはClaymore J.Flapdoodleという名の絵師である。彼はカンサス州中央部の淋しい鶏牧場に、1966年に産声を上げた。産湯にひよこちゃんと一緒に浸かったかどうかは定かではないが、つむじに「CCC」-Chicken Chicken Chicken-の刻印があったという非公式の証言がある。「隣人といえばイタチくらいしかいなくって、だから外の世界についてはチキンの視力なみにぼんやりとした見通ししか持たずに育ったっけなあ。うひ」と彼は回想している。まだプレイステーションもゲームボーイもCATVもない時代、長い冬の夜長を過ごすために彼は自分が一番よく知っているものを描くことにした:鶏である。地元の農協の代理人の目にそれが止まり、『鶏小屋と庭園』『チキン・ニュース』『有害雑草通信』などの業界紙でイラストの仕事をすることになった。それが何才のときか明記されていない辺りが非常にうさん臭い。また、Ralston Purinaによって史上最年少のPullet Sur-Prize for Artの栄誉に浴することとなる。「カンザスの藝術学校に通うようになってからだなあ、鶏以外の題材に手を広げるようになったのは・・うん、アヒルにぃ、ガチョウにぃ、七面鳥にぃ、たまには孔雀とかね。うひ」・・・ある日、Claymoreが家畜におびえる見知らぬ人物を目にしたとき、彼はちょうど安物のジンを痛飲しているところだったという。「なにをやらかしてあいつらをあんなに怒らせたのかはわかんねーけどさ、そいつの周りにゃ3ダース以上の鶏が殺到しててくちばしで一斉に責めたててたな。靴とズボンがあらかた紐に化けてたっけ。うひ。ありゃひどかったなあ」その男の身の安全を思いやったわけでもないらしいのだが、彼はその騒ぎに割って入ったそうだ。「空そのものが吠え炊けるように見えただろうなぁ、あの時は。見たこともない鷹が天空から襲いかかってきたように見えただろうなあ。うひうひ。奴等、俺様があまり上手に着地したんですっかりびびってたんだ。あーあそうさ、鶏どもの跳ね方ったらないからね。うひ」
Claymoreのキャリアにとって幸いだったことに、彼が意図せずして救い出したその男はMagicのアートディレクターであるJesper Myforsであった。鶏の群れから救出されたその見返りとして、ClaymoreはUnglued拡張セットで絵師的雑用を仰せつかることになった。彼は今、やる気に燃えて自らの画家としての地力を伸ばそうとしている。今のところの彼のお気に入りの絵師はPhil Foglioだというが、この絵師は今までチキンなどろくに描いたことはないのだ・・・
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更に捏造的注釈
謎に包まれた絵師Claymore氏の写真が掲載されてるんですが、なんとゆーか、東南アジアに出現した世界一イカサマ臭いブローカーという赴きで非常にナイスです。ここに限らずThe DUELIST30号全体がUngluedラヴなオーラに満ち溢れておりますのでこれは是非ともUngluedを剥いて幸せになった方々はゲットしていただかなければ、と思う次第です。日本の輸入代理店も少しは考えるように。それにしてもClaymore J.Flapdoodle、次はどのエキスパンションに登場してくれるのだろうか。超期待。わくわくぅ〜
うっかりしてしまいましたが今回、翻訳は実は結構まともです。