ハンドライフル射撃FAQ第1版
1998年3月8日

注意

  1. ここに記載されている項目すべてを保証しません。正確を期するようにしましたが、情報には全国共通でないものも含まれます。
  2. 転載・二次利用を禁じませんが内容を改変しないでください。訂正されるべき項目があったばあいはCN9M-SGRアットマークasahi-net.or.jp(相良守人)に連絡をして下さい。

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ハンドライフル射撃FAQ 第1版

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目次

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●ハンドライフル射撃とは何ですか?

ハンドライフル射撃とは、エアピストル(口径4.5mmの競技用単発空気銃)のバレル(銃身)に鉄製のスリーブ(筒)をかぶせ、グリップ(銃把)に木製のストックをつけることにより長さを稼いだ「ハンドライフル」という競技用空気銃を用いて行なわれる標的射撃競技のことです。『規則集』によると正式名称はエア・ハンド・ライフル、略称は「HR」です。エアピストルが無免許で手に入るアメリカを始め、諸外国で類似の競技種目および銃は存在しません。日本固有の競技です。

●ハンドライフルはどこで買えるのですか?誰でも買えるのですか?

日本では個人の銃所持に厳しい規制がかけられています。エアピストルは日本全国で、同時に500人しか所持することが許可されていません。エアピストルを改造したハンドライフルは特に所持人数に制限がかけられてはいませんが、エアライフルを所持するときと同様、所定の手続きを経て「猟銃・空気銃所持許可証」を取得する必要があります。

 ○所持許可証はどのようにして取得できるのですか?

   日本ライフル射撃協会のWWWページ(http://www.netforward.or.jp/nraj/syoji.htm)を参照してください。執筆者相良の個人的経験(1991年時点)では、第1段階の「初心者講習受講」から上がりの「所持許可証ゲット」まで2カ月かかっています。

  ○ハンドライフルはどのメーカーが出しているのですか?

   日本にしか存在しない競技種目であるハンドライフルを専門に製造している業者は存在しません。日本では(株)シャープがハンドライフルを製造していますがこれは例外であって、ほとんどの「ハンドライフル」はエアピストルに規格に合うようなスリーブ・ストックを取りつけて販売されるものです。日本で比較的出回っているのは「ファインベルクバウ」「ワルサー」「ステイヤー」社のものです。

●ハンドライフル射撃はどこで行なうことができるのですか?

エアライフル射撃場(屋内あるいは屋外、10mレンジの射場設備)ならどこでも、ハンドライフル射撃を行なうことができます。エアライフルに比べると公式競技の数は少ないですが、エアピストルの試合と合同で若干の公式試合が行なわれます。

●ハンドライフル射撃の試合ルールはどのようなものですか?

『規則集』によると

  1. 射距離10m、立射片手撃ち
  2. 40発あるいは60発競技
  3. 40発競技は制限時間75分、60発競技は制限時間105分
  4. 使用標的はエアピストル用のものを用いる
  5. その他、服装などの諸条件はエアピストルに準ずる

となっています。公式競技では60発の方が盛んなようです。個人で楽しむ分には「片手撃ち」「立射」「エアピストル用標的」の3点を守れば十分です。

●ハンドライフル射撃はどうしてマイナーなんですか?

エアピストル射撃人口は法律により500人と定められています。エアピストルの所持に当たっては人数枠以外に「エアライフル射撃あるいはハンドライフル射撃の公式試合に2度以上出場しどちらかで初段以上の成績を収め、日本ライフル射撃協会に入会して1年以上を経過していること」という条件が課せられています。多くの人々がハンドライフルを「エアピストル取得までの通過点」としてしか認識しておらず、公式試合の数もごく限られてしまい、銃砲店・警察関係者・競技者の3者に知識が育っていないことが、今に至るまでハンドライフルが非常にマイナーである理由です。

●ハンドライフル射撃をサポートしている団体はありますか?

東京都の目黒区ライフル協会(http://www.bekkoame.or.jp/~plusone/meguro.html)は、比較的エアピストル/ハンドライフル射撃の盛んな団体です。学生競技のレベルでは、標的射撃倶楽部(http://www.mt.cs.keio.ac.jp/person/takesima/kss.html)にかつてハンドライフル部門が存在しました。本FAQ執筆者の相良がかつて所属していた団体です。が、1998年現在の状況は不明です。それ以外に、組織的にハンドライフル射撃をサポートしている団体は確認されていません。

※『規則集』とは何ですか?

正式名称を「ライフル射撃競技規則集」という、社団法人日本ライフル射撃協会の発行している冊子です。第1巻、第2巻の2冊からなります(1994年度版)。

 

最終更新日・1998年3月8日