千年の大檜 

奥多摩町日原 倉沢尾根 




千年の大檜


  奥多摩町中心部から日原方面へと

 進むと、倉沢橋を過ぎた辺りに倉沢

 尾根へと上がる登山道の階段がある

 ので、これを尾根に沿ってしばらく

 登って行くと、目の前に石垣と大檜

 が見えてきます。






 大檜全景


  この木は数メートルの所で主幹が無くなり

 フォークのように枝分かれして上へと伸びて

 います。尾根筋で成長している木の宿命で、

 雷に打たれて主幹を失ったようですが、それ

 が、この大檜が今日まで残って来た理由なの

 でしょう。檜は木材としての利用価値が高く

 このような大木は見つけ次第伐採されてきま

 した。しかしこの檜は上部の主幹が失われ、

 その部分から下の主幹中央部には空洞が入っ

 ている可能性が大きく、そうなると木材とし

 ての利用価値が低いので、伐採を免れたので

 しょう。(注) なお、現在は避雷針が取り

 付けられています。



注・・・本章で紹介しているように東京都内にも巨木は多いのですが、檜の巨木はこの一本だ

 けで、さらに全国的に見ても檜の巨木は他の樹種に比べて数が少ないです。というのも檜は

 建築材として利用価値が高く、昔から見つけ次第に伐採されてきました。なので山中に残る

 檜の巨木は、この倉沢の大檜のように主幹が失われたりしていて、伐採しても材木としては

 利用価値の低い木がほとんどで、良好な状態で成長した檜の巨木は、寺社の境内等で御神木

 として保護されてきた木だけになっています。

  そのような事から、今度はご神木に目を付ける悪徳業者がいたようで、御神木に密かに除

 草剤を注入し、強制的に枯らして材木にしようと考えたようです。

https://www.j-cast.com/tv/2012/12/26159603.html?p=all

  世の中には何とも罰当たりな事をやる不届き者がいるようで、数少ない檜の巨木はさらに

 貴重な存在になっています。





 一つ上   ”東京都の巨木

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