寛 永 寺     

台東区上野公園  



 寛永寺も徳川家ゆかりの寺で江戸城の鬼門を守護する寺院として建立され、江戸時代には芝

の増上寺や池上本門寺と並ぶ大寺院でしたが、明治維新の戦禍により、上野公園全域に立ち並

んでいた堂塔のほとんどが、焼け落ちてしまいました。現在は、公園や動物園の中にかろうじ

て残された五重塔、清水観音堂、旧本坊表門などが国の重要文化財に指定されています。




    旧寛永寺五重塔


 この塔は二代目で、先代の塔

は寛永16年(1639)に焼

失し、その後直ちに再建された

のが現在の塔です。築年は数年

後であろうと思いますが、双輪

鋳造の年が上記の年号とのこと

です。昭和33年に東京都に寄

付されたので正確には「旧」の

字が付きます。




     清水観音堂


 京都の清水寺を模して創建さ

れた観音堂です。元は100m

程北側の摺鉢山上にあったので

すが、元禄7年(1694)に

不忍ノ池を臨む現在地に再建さ

れました。






    旧本坊表門


 当初寛永寺の本坊は国立博

物館の辺りにありましたが、

この表門だけが焼け残り、大

正時代に現在地の寛永寺輪王

殿前に移築されました。






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