天 寧 寺

青梅市根ガ布 



 曹洞宗の天寧寺は北陸の永平寺にならった回廊式の伽藍配置で、山門の奥の本堂を中心とし

て、左の禅堂、手前の中雀門、右の庫裏を回廊が四角く結んでいます。文明年間(1469〜

78)の室町中期に領主の三田弾正忠定により創建され、現在の建物は江戸中期から末期に再

建されたものです。境内は青梅市街の北東、霞丘陵の静かな山合いにあり、本堂の後ろの霞池

を源流とする霞川が、参道の脇の小川となって流れ出ています。また境内には梅の古木が多く

一斉に咲く早春の頃には幽玄境のような花と静寂の世界になります。



    梅の花と山門


 梅の花に囲まれた山門と、そ

の奥に丘陵を背にして伽藍が並

んで建っています。山門は宝暦

9年(1759)の建立とされ

階上には御岳山世尊寺から移さ

れた釈迦如来像と十六羅漢像が

安置されています。






    中雀門と本堂


 鐘楼から見た中雀門で、建立

は嘉永6年(1853)です。

その奥に境内で一番古い宝永4

年(1707)建立の本堂の屋

根が見えます。鐘楼の梵鐘は大

永元年(1521)鋳造で重要

美術品に指定されています。





     回廊の内部


 堂塔を結ぶ回廊の内部で、右

手が中庭になります。他の曹洞

宗寺院の回廊はどこか一部分が

欠けているのですが、これだけ

整った回廊は武蔵野でも天寧寺

だけです。





     禅  堂


 建立年代は不詳なのですが、

他の伽藍と前後する江戸時代中

期頃とみられ、禅の道場らしく

静けさに包まれています。






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