浄 空 院

東松山市上唐子 



 浄空院は東松山市街の西、都幾川の辺近くに建つ曹洞宗の古刹で、杉木立の森を背にして諸

堂が建ち並んでいます。この地には以前は天台宗の法養寺があったのですが、天正年間に付近

を領した徳川家旗本の菅沼越後守定吉が菩提寺として伽藍を造営し、曹洞宗に改め浄空院と号

しました。山門を潜ると本堂を中心に左に座禅堂、右に庫裏、客殿が「コ」の字型に配置され

それらを回廊で結ぶ典型的な曹洞禅の伽藍配置となっています。


     浄空院全景


 山門右手の曲がり屋の大屋根

は庫裏で、150坪の建坪があ

り、土間も広く境内で一番大き

な伽藍です。最近修復が終わり

屋根は銅葺きに直され、白壁と

黒い柱のコントラストが美しい

建物です。





     山  門


 付属塀もあって風格のある門

なのですが、集福寺と同様山門

としては簡素な門です。しかし

本堂等の諸堂とはさほどの距離

が無いので、当初から楼門では

なかったようです。





     本  堂


 諸堂の建立年代は不明なので

すが、本堂だけは棟木により宝

暦3年(1753)建立となっ

ています。その後何度か改修さ

れているようで、内部の前面も

当初は土間だったそうです。





     座 禅 堂


 以前は一御堂だったのですが

昭和43年に改装されて現在の

ような座禅堂になりました。建

築年代については、庫裏など他

の伽藍と同様に本堂建立に前後

するものと推測されています。




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