佐倉城下旧但馬家住宅

千葉県佐倉市宮小路 




 鏑木小路に並ぶ武家屋敷の中でも、この旧但馬家住宅だけは他所からの移築ではなく、元々当

地に残されてきた屋敷なので、建物だけでなく庭園や植栽など全体の屋敷構えも当時のままに、

武家屋敷の雰囲気を良く残しています。

 但馬家はこの屋敷に明治になってから移り住んだそうで、幕末までのこの屋の主は槍術師範で

あった井口家でした。家禄は150石と佐倉藩の中では代表的な中級家臣だったようで、建物の

様式にも禄高による特徴が見られるそうです。



    旧但馬家住宅


 左手の部屋は来客の為の座敷

で、庭園を眺められる南側に向

いています。

 建物の位置や方位なども当時

のままのようで、来客を重んじ

て一番良い位置に座敷を構える

という、武家屋敷の特徴がよく

分かります。





   武家屋敷の庭園


 武家屋敷のもう一つの特徴は

庭園がある事で、これは来客へ

の配慮と家の格式を表すと考え

られていたようです。

 他の2軒の移築屋敷と違って

庭らしさも残っているのですが

見学者により踏み荒らされてい

るのが残念です。