島 屋 敷 跡

三鷹市新川、新川島屋敷通り団地 




 島屋敷は豪族の館跡とされているのですが、遺構等は見られず今までは場所の特定も出来ない

まま地名や伝承で城があったことを想像させるだけでした。しかし、近年この地にあった団地が

建て替えられるのを機に全面的な発掘調査が行なわれ、中世豪族クラスの建物群跡が確認されま

した。この館が金子館と呼ばれていた事から、この館の主は村山党の流れを汲む金子氏といわれ

ているのですが、隣村の旧金子村など地名から付けられたとの説もあり、どちらとも確証はあり

ません。その後、徳川氏が関東に入府すると家臣の柴田勝重(織田信長の重臣柴田勝家の孫)が

仙川郷600石を拝領し、この丘に陣屋を構えました。その当時の様子が周囲の低湿地に囲まれ

島のようだった事から島屋敷と呼ばれたそうです。



   団地内の説明板


 館跡は団地構内の東寄りで

複数発掘され、その跡には説

明板も立っています。今は埋

め戻されて小緑地となってい

ますが、画面の右手前辺りに

豪族館と思われる比較的大き

な建物跡がありました。





    島屋敷通り


 城址は仙川沿いの低地に西

から突き出した比高2m程の

舌状台地の先端にあります。

現在は高層団地の敷地となり

周囲の低地もほとんどが住宅

になっていますが、団地の周

回通りを歩くとかつての島の

様な地形が覗えます。






     仙  川


 外濠となった仙川は島屋敷

の丘の北から東へ湾曲して流

れています。川に沿って丸池

と呼ばれる湧水などもあって

以前は干上がる事の無い池沼

地帯だったようです。






    団地内の小塁


 この小塁は発掘調査中の航

空写真にも写っていて以前か

らあったようです。その通り

ならば、館跡はすぐ南隣りに

ありますし、城址遺構の土塁

と考える事も出来そうです。





    アクセスガイド


  島屋敷跡・・・新川島屋敷通り団地バス停より東に徒歩約100m






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