淀藩稲葉家下屋敷茶室

横浜市中区本牧三之谷、三渓園 




 三渓園内苑の聴秋閣は元淀藩稲葉家の下屋敷(港区北青山?深川にも屋敷が在ったらしい)に

建っていた茶室です。当初は三代将軍家光の命により元和9年(1623)二条城内に三笠閣と

いう茶室が建てられ、それを乳母の春日の局が賜った後に、局の血を引く稲葉家の下屋敷に移築

されたそうです。さらに明治維新の変遷を経て、大正11年に三渓園に再移築されました。



    三渓園聴秋閣


 家光は実の母に疎まれ、局

の奔走のおかげで将軍になっ

た事を深く恩義に感じ、局に

破格の待遇を許し文京区春日

町に屋敷まで与えました。局

の生前中はその屋敷に在った

ものと思われます。






    聴秋閣見取図


 将軍家の建てた茶室に相応

しく、なかなか凝った造りに

なっていて、小さな望楼や斜

めの間取りの部屋、さらに土

間部分には一面に板がはめ込

まれています。国の重文にも

指定されています。