芦野氏家老平久江家門

那須郡那須町芦野、平久江家   




 芦野氏は三千石の旗本ですが、前章でも説明のとおり大名並みの陣屋を構えていて、家臣の

屋敷は陣屋へと続く通り沿いに配置されていました。平久江家も陣屋への坂道の途中にあって

芦野氏の家老職も務めた上級家臣でしたが、棟門形式の屋敷門と門構えの枡形が当時のままに

残されています。

 また前章で紹介した陣屋門のある大塩家の向かい側にも棟門のある屋敷があり、かなり傷ん

でいますが平久江家の門と瓜二つなのです。ただ、その辺りは武家屋敷地区ではないようなの

で移築された門かも知れませんが、武家屋敷門である事は間違い無さそうです。




    平久江家門


 屋敷門もさる事ながら、屋

敷を廻る石垣と土塁も当時の

ままに残されていて、家老職

も務めた平久江家の格式を感

じさせます。







    入り口の枡形


 門の内側には石垣で築かれ

た枡形があって、当時より地

面が上がっているのか高さが

低いように感じますが、上級

武家の屋敷構えを良く伝えて

います。







    神田家腕木門


 この門が武家屋敷門である

事は間違いないと思うのです

が、ご覧のようにやや傾いて

いますし全体に痛みが進んで

いるので、倒壊しないか心配

です。門の中には枡形の名残

のような石垣も見えます。