世 田 谷 代 官 屋 敷

世田谷区世田谷   




  世田谷代官屋敷は彦根井伊家の世田谷領20ヶ村の代官所でしたが、代官の陣屋として建て

 られたのではなく、この地の名主であり世襲で代官職を務めた大場家宅を役所とした邸宅兼用

 の代官所でした。現存する建物は代官所としての特徴も見られますが、武家屋敷というよりも

 豪農の邸宅としての形態をよく伝えています。表門も武家屋敷の長屋門形式ではなく、民家の

 門に近い簡素な形です。この主屋と表門は明治期以後も大場家によりそのまま受け継がれ、今

 も旧態を保存している貴重な建物なので、大場家主屋及び表門として国の重要文化財に指定さ

 れています。




     大場家表門


 門の右側に付いている小さな

武者窓が、かろうじて代官屋敷

の表門としての格式を見せてい

ます。









    代官屋敷主屋


 前述の通り武家屋敷としての

特徴はあまり見られないのです

が、大名領代官屋敷として関東

でも貴重な現存建物です。








     白 州 跡


 主屋の脇に御白州の石組みが

残されています。大場家が治安

維持や裁きの権限をも任されて

いた証で、建物は農家風ですが

れっきとした代官屋敷だった事

を物語ります。