出力管を変更してみようと思ったのは、以前の特製OPTを他のセットに流用してしまったので本機に 
 
は市販のOPTを載せたのですが、そのOPTの仕様で負荷インピーダンスの低い出力管の方が相性が良 
 
かったからです。ついでに初段も2SK170に変更して高利得動作をさせ、トータルNFを増やす事で 
 
更なる特性の向上を狙ったのですが、これは利得を欲張りすぎて不安定になってしい、残念ながらソース 
 
に抵抗を入れて利得を下げる事になってしまいました。当初は600倍を超える利得を得ていたので、さ 
 
すがに一段でこれほどの利得を欲張ると(初段とドライブ段はカスコート接続なので回路的には一段動作 
 
となる)あちこちで信号の飛び付きが起きて使い物になりませんでした。それでソースに抵抗を入れる事 
 
で利得を350倍程度に下げたのですが、ここは始めから2SK117にするか、あるいは電流を絞って 
 
負荷抵抗値を上げれば2SK30GRでも使えると思います。 
 
 電源部は、上記のようにドライブ段を高電圧動作としたので出力段より電圧の高い電源が必要なので、 
 
倍圧整流によって高電圧を得ています。この電源は半波整流になっていますが、平滑抵抗により50V以 
 
上の電圧降下で平滑しているのでリップルの心配はありません。さらにDCバランス回路も変更していて 
 
この方式だと調整ボリュームが接触不良になってもバイアス電圧が途切れる事はありません。なお調整時 
 
には電流の少ない球を上側に差して調整すればバランスが取れるようになっています。このボリュームの 
 
位置によってバイアス電圧が微妙に変化しますが、同じマイナス電源から初段のマイナス側電源も取って 
 
いるので、それが有効なブリーダー電流となってバイアス電圧の変化はほとんど無視できます。 
 
 一方、FETの変更により利得が大幅に上がった為に、NF量も増えて負荷解放では発振してしまった 
 
ので、その対策の為に積分補正を掛けています。 
 
 という事で以下のような回路になりました。 
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