面白いのは打消し有無の特製の違いが両トランスのコア組の違いを如実に表している事です。
T-1200は打消し無しでもさほど歪みは増えませんが、蟻印specialでは
打消し無しでは歪が倍増しているのです。ただ全体的に余裕があるようで、
打消し有りでは50Hzも100Hzも同じような特性で、図は省略しましたが
さらに1kHzでも10kHzでも似たような特性でした。
こうして比べてしまうとT-1200が貧相に見えてしまいますが、
低価格にしては良く出来たトランスだという事は(二千円でお釣りがくる)
ぺるけさん始め多くの方が立証されている事を付け加えておきますね。
今回は比較の為に載せたのですが、同列に扱うのは可愛そうな気もしますので・・・
ARITO印スペシャルOPT U
このように蟻印special-OPTの大きさからは考えられない優秀な低域特性を示したので
ならば、どこまで頑張れるのか? いつものように周波数を下げて見ました。
これを見ると20Hzまでは綺麗な波形に見えます。さらに10Hzはトリガーが掛からず
上手く撮れないのですが、肉眼ではやや崩れているように見えます。
もっとも、もし10Hz1Wでも磁気飽和しなかったら、50Hzで25Wの容量を
持つ事になってしまい、この大きさでは有り得ないですから、崩れるのも当然でしょうね。
それでも、仮に20Hzまで使えるという事でもシングル用としては驚異的な特性で、
ARITOさんが巻くのに手間が掛かりすぎて市販は難しいと言われましたが、
シングルアンプの概念を変えてしまう可能性を秘めていると思います。
そのシングルアンプの良さといえば中高域の素直な特性だと思うのですが、
実装状態での周波数特性も採って見ました。
ただ前段管の高域特性が中途半端に伸びていて、補正無しではスパッと切れるようなカーブに
なってしまいました。ただアバレは一切ないので専用トランスの面目躍如という感じで、
低域も高域も良く伸びていて理想的な特性を見せていると思います。
週末の間にデータや画像の整理をしながらモノで聴いていたのですが、
低域については、とても自然で素直に鳴っているという感想です。
強調したような感じが一切ないのはCSPPに通じるような気がします。
そんな低域に支えられた中高域は、これまた自然な音で、
とにかく、いつまで聴いていても疲れない音という感想です。
おんにょさんに送って頂いた書式で6BQ5三結シングルの周波数歪率特性カーブを描いてみました。
ただレイアウトや文字入れなどは描画ソフトのほうが簡単なので仕上げは描画ソフトで描きました。
私の歪率計では20Hzまでですが一応の傾向は分るようで、やはりPPアンプ並の低域特性を
持っていると思います。
ただ0.125Wの20Hzが変なのですが、おそらく点線のようになると思います。
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このレポートはめのさんの掲示板に書き込んだ事柄を備忘録として纏めたものです。
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