ポール・マッカートニー卿、アイルランドの古城で再婚(3)

古城の伝説と宿泊情報



1 民謡と伝説

 さて、グラスロウの村は大変風光明媚で、村人の心根はやさしく、訪
れる人々の憂さを晴らし、リラックスさせるらしい。そのことが古くから
民謡「麗しきグラスロウ」に歌われているという。

The village itself is steeped in history.
A local song, Beautiful Glaslough, recounts that in the village "beauty
and friendship embrace one another and troubles are left behind".

 さらにレズリー城には「ロメオとジュリエット」に似た古い伝説がある
という。

 ケルトの部族はクランと呼ばれる。17世紀の頃、(多分レズリー家
が1665年城主になる前であろう)この地域の部族の長であったニアル・
マッケンナ(Niall McKenna)は、相対立する大部族の族長の娘モーリ
ーン・マックマホン(Maureen McMahon)と、この城で結婚式をあげた
という。それが二人にとって悲劇的結末となったことが伝えられている。

 BBCは、ポール・マッカートニー卿とミルズさんの再婚が、世間をド
キッとさせるような結末にならないことを願っていると。

 Hopefully, the marriage of McCartney and Mills will cause less
consternation.

2 ご宿泊の方に情報を
 現在のレズリー城の家具は、初代レズリー準男爵、つまり現当主の
曽祖父が、グランド・ツアー(大修行旅行)で購入した物という。16-17
世紀の骨董的家具らしい。

 因みに、グランド・ツアー(the Grand Tour)を英英辞書で引くと、
"(formerly) tour of the chief towns,etc of Europe,completing
the education of wealthy young men"と書いてある。

 つまり、昔、ブリテンやアイルランドの裕福な家の若者たちは、教育
の仕上げに、ヨーロッパの大都市を歴訪し、見聞を広めた習慣があっ
た。中世版個人修学旅行といえよう。

 配置されている家具が年代物であるだけに、部屋の設備も中世風
で、寝室には電話もテレヴィも時計も置かれていないことで有名だそ
うだ。

 湖を見渡す三つの有名な寝室があって、「The Mauve Room 」には
、 スウェーデンのマーガレット女王や、コンノート公爵夫妻、あるいは
モナコのピエール王子などが長逗留されたという。
「the Blue Room 」はちょっとした映画劇場でもあったようだ。
面白いのは最も眺望の良い「The Red Room 」に、この城で亡くなっ
た一族の幽霊がちょくちょく出るということらしい。
「The Red Room 」は昔から出産や病床の間であったようで、死者は
この部屋で最後を送った。

 英国の古い館や家には、いろいろな幽霊話が多い。ちょっと人を
驚かす程度のものが多いが、歴史がある国にはどこでもこの種の話
題には事欠かない。

 ご裕福な方の結婚式に、レズリー城貸切プランはいかがでしょう。
日曜から木曜日はお城と14部屋の貸切が一泊3110ユーロ(約36万
円)、金曜・土曜日はさすがに連泊6,920ユーロ(約83万円)と、BBC
は報じていますよ。

Already popular as a wedding venue before Sir Paul's patronage,
all 14 bedrooms and the exclusive use of the castle can be secured
for 3,110 euros (」2,015) for one night between Sunday and Thursday.
Friday and Saturday night are booked together for 6920 (」4,484)
euros.

 ポール・マッカートニー卿とミルズさんの再婚にかこつけて、結構
中世を学ぶことができた。


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