UKを知ろう


注目の英連邦会議(速報)


パキスタンの加盟資格一時停止の決議


ブレア首相はエイズ問題をレポート予定




日本では殆ど一顧だにされない『コモンウェルス』英連邦南アフリカ会議に
ついて、ちょっと紹介してみたい。


英連邦53ヶ国の首脳が、今南アフリカのダーバンに集まっている。
1999年11月12日のBBC NEWSは英連邦会議について次のように報じ
ている。

盟主エリザベス女が開会式に出席され、開催された会議で、新にニュージ
ランドのドン・マッキノン(Don McKinnon外相が、リーダーである事務総長
Secretary-Generalに選ばれた。

マッキノン外相は60歳、ニュージランドの外相を7年務め、英連邦閣僚会議
運営委員会the Commonwealth Ministerial Action Group (CMAG)の副議長
を務めてきた衆知のベテランである。
(ああ、それにしても日本の閣僚のコロコロ変わることは情けない)

前事務総長のエメカ・アニャオク(Emeka Anyaoku)氏はナイジェリアの
代表で、英連邦会議事務総長に、これまた10年在任していた。

ドン・マッキノン新事務総長最初の記者会見で、
「ダーバンでの英連邦首脳会議では、パキスタンの加盟一時停止の決議を
確認したが、公表は15日(月曜日)までしない」

「英連邦会議から一時参加停止の処置については、全く異論はない。
問題は、どのように英連邦が行動するのがパキスタンの再参加にベストな
方法かということだ」
と述べた。

英連邦史上最多数の出席をみた今回の会議で、加盟国の各首脳は「民主
主義を守る勢力としての役割(its role as a force for democracy)を強調した。

事務総長を退任するにあたり、エメカ・アニャオク氏は、
「永年英連邦がアパルトヘイトの終結を推進してきたその南アフリカがホス
ト国となって、初めて英連邦会議が開催されることに意義がある。英連邦の
次世代の人々や南アフリカのリーダーたちは、この日を待望してきた」

「20世紀から21世紀に移行する時期に際し、軍事政権の代表が一人も
いない英連邦会議が今日開催されるのはまことに喜ばしいことである。
平べったく言えば、英連邦会議は今や民主主義の倶楽部である」
と述べた。

エリザベス女王は、
「英連邦会議が『虹の国』南アフリカで開催される事は、まさに時宜を得てい
ます。エメカ・アニャオク氏がいなくなるのを寂しく思います。英連邦はアニャ
オク氏のことを決して忘れないでしょう」
"We will miss you. The Commonwealth will never forget you."
と述べた。

英連邦会議はパキスタンの動向を見極めた上で、今後の制裁措置か、再参
加承認の対応を決めると見られている。
かって英連邦会議はナイジェリアの民主化のキャンペーンを行い、成功した
経験を持っているからである。

日本的手法であれば、「まあまあ、そう固い事を言わないで、丸く治めましょう」
などと、なんとなく曖昧に終わらせるところであろうが、英連邦加盟国はきちんと
している。
英連邦加盟の前提条件は民主国ということだからである。


もう一つの議題はトニー・ブレア英首相がレポートする英連邦加盟国のエイズ
問題である。

世界のエイズ患者のうち60%が英連邦加盟国だという。ブレア首相は、この
推移すれば、政治経済が破綻することになりかねないと、危機感をもってその
対応策の討議にはいるとみられている。


皆さんは英連邦が単なる「仲良し倶楽部」ではなく、その時々のホットな問題を
真剣に討議し、連携して対応していることが、ご理解できたと思います。
「英連邦との関係」抜きにUKを見ることはできません。
日本にはこのような盟邦国は皆無であることを、再認識しましょう。

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