晴耕庵の談話室

NO.102


標題: 「再訪・蘇格蘭のみち」に同感

SYMPATHY

2004/5/5

ロンドン憶良様

初めまして、

本日、偶然リサーチをネット上でしていたおり、貴殿のHP「晴耕庵
の談話室」第36回のグラスゴーについてのエッセイを拝見し、メー
ルいたしました。

私は現在、ロンドンで美術史のMphilプログラムに在籍しておるの
ですが、私の学校はグラスゴー大学と提携して、学位がグラスゴー
大より授与されるシステムになっており、グラスゴー大学の生徒で
もあるので、SY in London氏の寄稿エッセイ「再訪・蘇格蘭のみち」
を楽しく読ませて頂きました。

先週、偶然、グラスゴー大でリサーチをしており、グラスゴーのダウ
ンタウンも初めて訪れ、なにかこう懐かしい感じがするのはなんと
なく共感する思いです。

私の修士論文も英国人で明治期に日本へ渡ったデザイナーについ
てで、彼はグラスゴー生まれでもあり、別の意味でも私にはグラスゴ
ーが特別な場所なのです。

日本と英国は実はアメリカより、関係が長く、もし第二次大戦さえな
ければ、もっと近い国になっていたのではと、自身のリサーチをしな
がら、考えます。

今後の日本もアメリカ一辺倒ではなく、ヨーロッパ、特に同じ島国の
英国(スコットランドも)と緊密な関係を築く必要があると切に感じて
います。

学問に関しても、まだまだ英国と日本の間に関して、未知の事象が
沢山あり、学問をする面白さがあるのですが、アメリカ中心主義の
日本では、英国研究など、本流から外れるのか、意外に、あまり関
わっていないのが驚きです。特に私の分野など、本当に、研究者な
ど、数えるばかりです。

私も今後、なにかの形で更に、英国と日本に小さくても貢献ができ
ればと考えている次第です。
また、HPおじゃまします。

ではまた。

                  Y.Y. in London


RESPONSE


2004/5/5

Y.Y. さん

メールありがとうございました。

対米一辺倒は戦後の風潮で、最近の社会状況をみても、なにかアメ
リカの後追い状況で、いささかロンドン憶良めも、悲憤慷慨しておりま
す。

ところで英国出羽守を自称されるSYさんは、国際金融界で活躍され
ている一流バンカーですが、該博な知識教養にあふれ、格調高いス
コットランドのエッセーを寄稿してくれました。

「晴耕庵の談話室」に、老若男女いろいろな方がお見えになり、おか
げさまで掲載も百回を超えて日英文化サロンらしくなってまいりました。

グラスゴー大学で美術史を研究されているそうですが、ご成功を祈り
ます。適当な機会に、ご研究されている「明治期に日本へ渡ったデザ
ナー」の方を、差し支えない範囲で談話室にご紹介くださいませんか。

実は、造船のグラバー氏をはじめ、水道の開設指導者もスコットラン
ド人ではなかったかと思い、明治期に日本へ渡ってきたスコッツに興
味があります。

よろしくお願いします。

                        ロンドン憶良




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