ガイ・フォークスの火薬陰謀事件とその背景



(前頁より)


(7)キリスト教圏で最も賢明にして愚かな王

かくしてプロテスタントのジェイムズ1世はカトリック教徒を抑えた。
王は愛人を一人も持たなかった。しかし外交では30年戦争で、娘エリザベス
の婿ボヘミヤ王フリードリッヒ5世の支援をしなかったようにぐずであった。
このためフリードリッヒは戦に敗れオランダに亡命し、他界した。
「キリスト教圏で最も賢明にして愚かな王」というのが当時の評価だったと。
「最も賢明」とは愛人を持たなかったことのようである。
(現代の政治家にもあてはまる厳しい皮肉か?)

王妃アンは浪費家であった。彼女はデンマーク兼ノルウェー王の息女だった
ことも、イングランド人に不人気の原因といわれている。
しかしジェイムズ1世はイングランドの生活を好み、スコットランドには一度
しか帰らなかった。
同君連合(Personal Union)の見るべき功績は、紋章に伝統を残した程度といわ
れている。すなわち王家の紋章にスコットランドの一角獣ユーニコーンとイン
グランドのライオン、それにアイルランドのハープが組み合わされたのであった。




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