Last update 14-Jun-2001
Windows 環境のカスタマイズ - Microsoft ActiveSync
の設定を移行する
目次
本テキストの記述は、私個人の調査によるものです。私の環境では動作に問題はないようですが、他の人の環境でも大丈夫かどうか、また、その人が期待する動作結果になるかどうかはわかりません。実行する場合、ご自分の責任で作業してください。間違いの指摘や情報提供などは歓迎します。
古い Windows PC で、Microsoft Outlook
アイテムや同期フォルダを Windows CE
機と同期して使用していた。
今回、新しい Windows PC
を導入することになり、ユーザーファイルを新しい PC
に移した。ユーザーファイルには、Outlook
アイテムが入った個人用フォルダ ファイル (.pst)
や同期フォルダも含まれる。
新しい PC では OS から ActiveSync
にいたるまで新しくセットアップしたので、このままだと
PC と Windows CE
のパートナー関係を新しく作り直すことになり、Outlook
アイテムやファイルの対応関係が失われてしまう。古い PC
の設定を新しい PC
にひきついで、アイテムやファイルの対応関係が壊れずにすめば、こしたことはない。
これは、PC 側の Windows CE 接続同期ユーティリティである
Microsoft ActiveSync
のレジストリ情報を移行することで、ある程度実現できるようだ。その方法をまとめた。
実際に動作確認した OS
とアプリケーション環境。これ以外のバージョンでもできるかどうかは知らない。(OS
は Windows 9x/NT/2000 であればどれでも可能だと思うが…)
PC
古いのも新しいのも、以下の環境。
- Microsoft Windows NT Workstation 4.0 と 2000 Professional
- Microsoft Outlook 2000 SR-1
- Microsoft ActiveSync Version 3.1 (ビルド 9589) 日本語版
Windows CE
H/PC 機の HP Jornada 820 (Microsoft Windows CE H/PC Edition V3.01: Windows CE
V2.11 + Pocket IE V3.01 + Pocket Outlook V3.01, Build 9011)
古い PC での作業
- レジストリ エディタを起動し、HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows
CE Services の下を .reg テキストファイルに書き出す。
- 書き出した *.reg を、新しい PC にコピーする。
- 同期フォルダの中身や Outlook の個人用フォルダ *.pst
も新しい PC にコピーする。Outlook
で個人用フォルダでなく Exchange Server
メールボックスを使用している場合は、サーバーへの接続情報を記録する。(同期フォルダの下にあるフォルダのタイムスタンプを保存したかったので、シマンテック Norton Ghost 2001
を使ってパーティションごとコピーした)
新しい PC での作業
- Outlook
をセットアップし、プロファイルを作成して、古い PC
と同じフォルダ環境が使えるようにする。
- ActiveSync をセットアップする。セットアップの最後に
Windows CE
機と接続するためのダイアログが表示されるが、これはキャンセルする。(この時点ではまだ
Windows CE 機と同期しない)
- 古い PC からコピーした *.reg
を編集する。書かれているフォルダ指定を確認し、新しい
PC で変更された設定があったら、新しい PC
にあわせて修正する。
- 修正した *.reg
をエクスプローラでクリックして、レジストリ設定をレジストリに読み込む。これで、古い
PC のパートナー設定が新しい PC に登録される。
- Windows CE 接続用プロファイル フォルダ(?)
を作成する。中身は空のままでよい。(古い PC
の同じフォルダにある outstore.dat, repl.dat
などのファイルを持ってくることができれば、後の同期で有利かもしれない。コピーするのを忘れたりで、私はやったことがない)
作成するフォルダ名は、レジストリ キー HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows
CE Services\Partners\(任意の16進数) のエントリ DataFolder
の値を参照。次のフォルダ指定は、Windows NT/2000 での例。
C:\Program Files\Microsoft ActiveSync\Profiles\(エントリ DisplayName の文字列)
このフォルダには、(たぶん)PC と Windows CE
機の接続同期時に使われるプロファイル情報やバックアップファイルが格納される。レジストリを登録しただけで、このフォルダが存在しないと、ActiveSync
を起動して Windows CE
機と接続した時に「同期エラー」が表示される。
以上で、必要な設定は終わり。
- ActiveSync を起動して、PC と Windows CE
機を接続する。登録されたパートナー設定を使って再接続と同期が行なわれる。ここで、PC
上のプロファイル情報は消えているので、全データが再照合される。照合完了後、検出されたアイテムについて、どうするか問い合わせてくる。私は次を選んでいる。
- Windows CE 機 → PC の方向にアイテムを結合する(Windows
CE 機にあるほうが最新のデータの場合)
- 結合されなかった余分のアイテムは削除しない
これによって、Windows CE と PC
それぞれに残っていたアイテムはすべて保存される(たぶん)。後は
Outlook
を起動して自分の目でアイテムを確認し、いらないものを消す。(作成日時などが目印になる。Outlook
で専用のビューを作って表示する)
探せばあるかもしれない。今回は探さなかった。
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First written in 13-Jun-2001