大韓民国の昆虫切手

7世紀には新羅、10世紀には高麗により朝鮮半島が統一され、14世紀には李氏朝鮮が成立しました。以後、中国・清の影響下に入りましたが、1876年に日本から武力により開国を求められ紅華島条約を締結し、1910年には日本に併合されました。1919年3月に大規模な独立運動が起き、1945年8月に独立を達成したが、朝鮮半島に進駐していた米ソ両軍により南北に分断されたため、48年、北緯38度を境界線に南は大韓民国、北は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)として誕生する。50年には武力統一を図る北朝鮮軍の侵攻により朝鮮戦争が勃発、53年に休戦調停が結ばれましたが、南北対立の構造は現在に至っています。90年に旧ソ連と、92年には中国と国交を樹立しました。
大韓民国の児童貯蓄奨励切手として、蜜蜂を描いたものが1960年に発行されています。
1966年には、大型のウスリーオオウスバカミキリを描いた通常切手が発行されました。単色ですが珍種のウスリーオオウスバカミキリが題材になっており、お気に入りの切手の一つです。同じ年に、3種の昆虫切手が小型シートと共に発行されました。
1974年に発行された通常切手の中に、蜜蜂を描いたものが含まれています。
1991年には、全て身近な昆虫で統一された通常切手10種が発行されました。印面が小さいですが昆虫が生態的に描かれており味わいがあります。日本の通常切手と同様に、印面の四隅に単色の枠が付いています。この四隅の枠は、切手の位置を検出し自動切手押印機で押印するための物と思います。
2001年に、昆虫切手2種が発行されました。

Republic of Korea 大韓民国
1960.4.1 児童貯蓄奨励切手
セイヨウミツバチ
Apis mellifera
(ミツバチ科)


1966.8.20 通常切手
ウスリーオオウスバカミキリ
Callipogon relictus
(カミキリムシ科)


1966.9.15 通常切手
ヘイケボタル
Luciola lateralis
(ホタル科)
ウマオイ
Hexacentrus japonicus
(キリギリス科)
ホソオチョウ
Sericinus telamon
(アゲハチョウ科)


1974.1.20 通常切手
セイヨウミツバチ
Apis mellifera
(ミツバチ科)


1991.4.8 通常切手
ヒメマダラガ
Mimeusemia perilmilis
(トラガ科)
キオビアオカミキリ
Polyzonus fasciatus
(カミキリムシ科)
ツマキチョウ
Anthocharis scolymus
(シロチョウ科)
ハンミョウ
Cicindela chinensis
(ハンミョウ科)
チョウセンケナガニイニイ
Suisha coreana
(セミ科)
ゲンゴロウ
Cybister japonicus
(ゲンゴロウ科)
クマバチの一種
Appendiculata circumvolans
(コシブトハナバチ科)
ナナホシテントウ
Coccinella septempunctata
(テントウムシ科)
ギンヤンマ
Anax parthenope
(ヤンマ科)
ハネナガキリギリス
Gampsocleis sedakovi
(キリギリス科)


2001.1.1 昆虫切手
モンクロベニカミキリ
Purpuricenus lituratus
(カミキリムシ科)
オオイチモンジ
Limenitis populi
(タテハチョウ科)


ウスリーオオカミキリはカリポゴンと呼ばれ、仲間にカミキリムシの中で最大のカリポゴン・アルミタラス(雄の体長約11cm)がいます。南米アマゾン川の流域にだけ棲んでいるとされていた種類ですが、70年ほど前、極東ロシアのウスリー地方から一種発見され、学界にセンセーションを巻き起こしました。これがウスリーオオカミキリです。なぜ太平洋を越えた遠隔地に分布するのか、学者の間で論議がわきました。しかしクワガタムシ同様、往時の既存型と考えるのが妥当のようです。つまりウスリーオオカマキリの仲間も、かってはユーラシア大陸やアメリカ大陸に広く分布し繁栄していたものなのです。ところが何かの要因によって数種が絶滅し、アジアではウスリーオオカミキリだけがやっと残ったのでしょう。

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