フィンランドの昆虫切手

フィンランドは、スカンジナビア半島にあって、ロシアと国境を接する森と湖の国です。狩猟やトナカイの飼育を生業とする先住民のラップ人が古くから住んでいます。1世紀以降に中央アジアからフィン人が移住してきました。13世紀からはスウェーデンの支配下に入り、ナポレオン戦争でスウェーデンが敗北したことを契機に、1809年以降は帝政ロシア領となりました。独立を宣言したのは、ロシアで革命が起こった1917年で、3年後の1920年に正式に共和国として独立を達成しました。しかし、1944年には旧ソ連との戦いに敗れ、国土の12%を割譲する事態を招き、1948年にソ連と有効相互協力を結ぶに至りました。
このフィンランドから、1954年に3種の昆虫を描いた結核予防基金切手が発行されました。単色ですが凹版印刷で非常に味わいのある上品な切手です。
フィンランドでの国際切手展「フィンランディア」の開催記念として、1994年,1995年,1996年に各々1種の昆虫を描いた三角形切手が発行されました。


Finland フィンランド
1954.12.7 結核予防基金切手
マルハナバチの一種
Bombus lucorum
(コシブトハナバチ科)
アポロウスバシロチョウ
Parnassius apollo
(アゲハチョウ科)
ルリボシヤンマ
Aeshna juncea ♂
(ヤンマ科)


1994.5.10 フィンランディア'94記念切手1995.5.11 フィンランディア'95記念切手1996.7.1 フィンランディア'96記念切手
ナナホシテントウ
Coccinella septempunctata
(テントウムシ科)
タマオシコガネの一種
Geotrupes stercorarius
(コガネムシ科)
ヨーロッパゲンゴロウモドキ
Dytiscus marginalis
(ゲンゴロウ科)


オーランド諸島は、バルト海、ボスニア湾の入り口に位置するフィンランドの自治領の島々です。住民のほとんどはスウェーデン系で、公用語はスウェーデン語です。フィンランドがスウェーデンからロシア帝国に割譲されたとき、オーランドの割譲も余儀なくされました。1921年に帰属を巡って騒動が起きましたが、自治領としてフィンランドに帰属しました。現在フィンランド政府によってスウェーデンへの復帰を認められていますが、帰属国を問う住民投票では現状を望む人が半数を越える。スウェーデンに復帰すれば一つの県にすぎないがフィンランドの元では大幅な住民自治を認められ海洋地域であるオーランドにとって非常に自由が利とされる。
このフィンランド領オーランド諸島から、2006年に昆虫を描いた切手3種が発行されました。


Aland フィンランド領オーランド諸島
2006.1.2 昆虫切手
ミドリハナムグリの一種
Potosia cupurera
(コガネムシ科)
ナナホシテントウ
Coccinella septempunctata
(テントウムシ科)
ヨーロッパカブトムシ
Oryctes nasicornis ♂
(コガネムシ科)


NEXT 切手へ ホームページへ