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Q1: 口内炎の悩み・慢性再発性アフタとは
口内炎にお悩みということですが、一口に口内炎といっても、水泡をつくるもの、赤いびらん状になるもの、潰瘍をつくるもの、白斑をつくるものなど、いろいろです。お問い合わせからみると小さな潰瘍をつくアフタと思われます。アフタというのは、周囲が赤く囲まれた円形の小さな潰瘍をいいますが、原因は不明で、繰り返すとき「再発性アフタ」と呼んでいます。家族と同じ食事をしてビタミンもよくとっている場合でも、体質や精神的ストレス、生活環境の変化などを誘因として、再発性アフタが出来たと推測される症例もあります。症状は、通常直径10ミリ以下のものが数個出るのが多く、潰瘍は浅く、接触したときの痛みは強いですが、1週間から10日で治り、治った後に瘢痕を残すことはほとんどありません。再発は2〜3ヶ月周期に起こるのが多いようです。20歳代の人に最も多くみられ、続いて30歳代で、高齢者にはほとんどみられません。男性と女性では、男性に多くみられるようです。場所としては舌が最も多く、次いで頬粘膜や口唇です。治療方法は、原因が不明のため治癒の促進と症状の軽減を目的とした対症的な局所療法を主に行い、口腔用軟膏やうがい薬を使います。また、局所を清潔に保ち、むし歯の治療をするなど、口腔内を清潔に保つことも予防上、大切です。
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Q2:口臭が気になるのですが
人間にはだれでも口臭があるものです。それは、口がいつも汚れている状態にあって、個人差はともかく、当然その汚れによるにおいが発生するからです。ただ、そうしたにおいがある程度強くなっている状態が口臭です。例えば朝起きたときや空腹時、体調の悪いとき、緊張しているときなどにも口臭が強くなることがあります。このような口臭は、生理的口臭というもので、あまり心配ありません。生理的な口臭のほかに、いろいろな原因で発生する口臭があります。まず口腔内に主要原因のある口臭として@歯牙や義歯および口腔内の清掃不良Aむし歯・歯周疾患B不適合な冠や充填物C口腔内の炎症、悪性腫瘍D舌苔の増加E唾液の分泌低下F食品、し好品。次に口腔外に主要原因のある口臭として@鼻腔、咽頭・喉頭疾患A呼吸器疾患B消化器疾患Cその他、糖尿病のときのアセトン臭、尿毒症のときの尿臭、重症の肝疾患のときの特有な口臭などがあります。口臭患者の80〜90%の人は、口腔内に原因があるといわれています。次に考えられるのは舌苔(舌の表面にたまったこけのようなもの)の増加です。舌苔の広がりも口臭の原因となっていることが多いので、舌の表面を舌ブラシまたは歯ブラシで丁寧にフラッシングすると良いと思います。もう一つ考えられるのは唾液の分泌低下です。唾液の分泌量は年齢とともに減少しますが、唾液分泌抑制剤使用による口腔乾燥が、口臭の原因にもなります。唾液分泌抑制作用のある薬は結構多いので、何か薬を常用しているようでしたら主治医の先生に相談されてみてください。以上のことをやってみて効果がない場合は、口腔外に原因があるかもしれません。
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Q3:指しゃぶりがとれない
小児期の指しゃぶりは、「たかが指しやぶり」と侮ってはいけません。一般に考えられている以上に、全身にまで悪影響を及ぼします。長期間、指をしゃぶっていると、その部分の上下の歯がすいて咬み合わせが悪くなります。すると、そこに舌を挟んでものを飲み込む(嚥下)ようになり、正常な舌の運動が出来ず、顎や筋肉の発育も阻害するようになります。舌の異常な運動は上顎の横への発達を阻害し、前後に細長くなり、奥歯の咬み合わせがずれ、前歯が出てきます。さらに上顎が変形し、鼻の下の部分から口元が突出します。
このため、正常な咬み合わせ、咀嚼が出来なくなり「噛むのが下手」「飲み込みが下手」とか「いつまでも口の中でモグモグしている」「食べるのが遅い」といった問題につながっていきます。また、噛みやすい方だけで噛み、顎が左右非対称に発育し、下顔面がゆがんでくることもあります。咀嚼筋の発育も悪く、顎関節も十分に発達せず、将来にわたって顎関節の病気(顎が痛い、音がする、開きにくい)を起こしやすくなります。このほか下顎が偏位し、全身の左右バランスが崩れて発育する子供もみられます。その結果、硬い食べ物を嫌い、顎の発達が不十分なため、デコボコした歯並び(叢生)になります。また唇がちゃんと閉じられなくて、嚥下のたびに口腔周囲筋が異常に緊張します。筋肉の異常緊張は顎の病気の悪化の原因にもなります。このように、指しゃぶりはさまざまな問題を招きます。幼児期にいったん悪い嚥下癖や不良咀慣習慣がつくと、治すのは大変厄介です。6、7歳ごろから筋機能療法といって、舌や唇、発語の訓練、咀嚼訓練をしたり、変形した顎の骨の形やデコボコした歯並びを治すための歯列矯正治療を行ったりします。とにかく指しゃぶりは、顎・口腔系の正常な発達を妨げ、一生涯の問題となります。一度その癖がつくとなかなかやめられません。たとえ赤ちゃんのときでも指を吸いはじめたら、手袋でもかぶせて、早くやめさせることが大切です。
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Q4:お茶に虫歯予防効果?
茶はアジアのモンスーン地域の特産で、主にインドやスリランカ、インドネシア、中国などで生産されています。葉を乾燥させる前に発酵させると紅茶、半ば発酵させるとウーロン茶、発酵させないと緑茶になります。お茶を飲む習慣は、私たちの生活に深く入り込んでいます。若い人があまりお茶を飲まなくなったといわれますが、お茶のない暮らしは、ちょっと考えられません。最近は紅茶やウーロン茶の消費が伸びているそうです。それでも、お茶全体の消費量からみればわずかだそうです。このお茶に、むし歯の予防効果があることをご存知ですか。昭和大学の故大西正男教授のお茶のむし歯予防効果調査報告があります。大西教授はその効果を調べるため、小学校の給食に番茶一杯を加え、児童に飲ませるようにして、五年間の追跡調査を実施しました。その結果から、「お茶に虫歯の予防的効果があった」と報告しています。では、なぜお茶に、むし歯を予防する効果があるのでしょうか。むし歯を防ぐには、原因となる細菌、糖分、弱い歯質という三つの要素を重ねないようにしなければなりません。お茶には、酸に対する歯の抵抗力を強くし、むし歯の原因となる分解酵素の作用を阻止する働きを持つ、フッ素が含まれています。そのフッ素が歯の質を強くするのです。フッ素はむし歯の予防のために歯に塗布したり、歯磨き剤に加えられたりしていますが、自然界にたくさん存在しているものです。土壌や水などに含まれ、動植物の組織内にも、少量は必ず含まれています。近年、疫学研究や基礎的な実験によって、予防歯科という問題がクローズアップされ、むし歯の予防と小児歯科・母子歯科の衛生観念が向上してきました。これは喜ばしいことです。真の医療の目的が〃予防〃にあるということを考えますと、フッ素は、歯科の中でももっと大きな比重を占めるべきものでしょう。日ごろからお茶を飲む習慣を持ち、食後には必ずブラッシングをするようにすれば、むし歯予防にかなりの期待が持てます。
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Q5:フッ素は大丈夫?
むし歯予防のフッ素は、世界保健機関(WH○)や専門機関が、その有効性、安全性を確認し、実施を推奨しているものです。確かに、生まれたときから、フッ素濃度の高い飲み水や食物から、長年、過剰のフッ素を取り続けていれば、斑状歯や骨フッ素症が出現します。ここで問題なのは、濃度と摂取量です。フッ素に限らず、どんな良薬も高濃度で多量に摂取し続けると、人体に悪い作用(為害作用)をもたらします。薬ではないですが、人体に必要な塩分やビタミンなども、過剰に摂取すると為害作用を及ぼします。これに対して、むし歯予防に使われるフッ素は、為害作用のない、安全な濃度に処方されています。また、飲み水によるフッ素中毒も起きていますが、水質改善の遅れによるもので、むし歯予防のフッ素とは別の次元のものです。さらに、フッ素が作用した時期の問題です。まだ歯や骨が完全に出来上がっていない、生後間もない時から、多量のフッ素が食物や飲み水を通して体内に入ると、歯に斑点が出るなどの中毒症状が出現しています。ですが現在、わが国でむし歯予防に使うフッ素は安全な濃度で、完成した歯の表面に塗布するもので歯に斑点が出るなどの中毒症状は絶対にありません。むし歯予防のフッ素は、世界66カ国で実施されています。日本でも厚生省、文部省をはじめ、専門、学術団体が推奨して行っております。
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Q6:肩こりがひどいのですが
「歯が痛くて肩が凝る」「肩が凝って歯が痛む」−歯科医は日常の診療現場で患者さんからこんな相談をよく受けます。「肩凝り」というのは日本独特の表現法で、欧米では「筋肉痛」としてとらえられています。肩凝りと歯の関係については、まず、咬み合わせのバランスに深く関係していると考えられます。つまり下の顎を前後左右に自由に、しかも楽に無理なく動かす筋肉群に無理が生じ、肩凝りと結び付いているということです。顎関節の異常とも深い関係があります。下の顎は、関節や軟組織(筋肉、靱帯)によって頭蓋骨に結び付けられています。細い頸椎に支えられた大きな頭蓋骨の中で、下顎骨の安定した位置が微妙に変化すると、下顎骨を取り巻く筋肉だけでなく、頭蓋骨を正常にサポートしている筋肉群にまで、異常な緊張を及ぼしてきます。また顎の関節は、曲げたり伸ばしたりする単純な動きの関節と異なり、関節の申に軟骨性の関節円板を持っています。この円板を介して口を開けたり閉じたりする蝶番運動のほかに、回転、滑走運動が出来る複雑な構造をしています。ですから関節頭とこの円板での運動の乱れが、顎関節症を引き起こします。むし歯や歯周病などの痛み、歯の欠損などの理由で片側噛みのくせが長期にわたると、下顎骨の偏位や頭蓋骨の変形、顔の変形(左噛みの場合には顎が左後ろ上方に、口唇も左上がりとなり、左顔半分がつまった「くの字形」にゆがんだ顔立ち)や姿勢の変形(斜頸や両肩が水平でない)などが起き、立ちくらみ、めまい、耳鳴り、肩凝り、吐き気などの顎関節症特有の全身障害を起こします。塾通いに明け暮れ、噛まない、噛めない子供たちに代表される現在の生活習慣は、顎の発達が望めないばかりか、潜在的な顎関節症の誘因となっているといっても過言ではないでしょう。
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Q7:おやしらずをほっておいて良いでしょうか?
歯には、生えてくる場所と形から、それぞれ名前があります。前の歯の正中に近いところから順に、中切歯、側切歯、小臼歯(第1.2)、大臼歯(大1、2、3)といいます。とくに第3大臼歯を智歯、俗に「親知らず」と呼んでいます。この親知らずは、ほかの歯と比べて大変な変わり者です。大人の歯(永久歯)はだいたい6歳ごろから生え始め、12歳ごろまでには28本生えそろいますが、親知らずは18歳ごろから24歳ごろと、大変遅く生えてきます。それで親知らずというわけです。また人間にとって親知らずは退化傾向にあるため、4本とも全く生えない人や下だけ生える人など、まちまちです。その生え方も、現代人のように顎が小さくなっていると生える場所が十分にないため、斜めに生えたり、歯冠の一部しか出てこず、大部分は埋もれたまま【半埋伏智歯】だったり,中には完全に骨の中に潜っているもの【完全埋伏智歯】もあります。下顎にこのような状態で親知らずがあると、前の歯との間にすき間をつくり、食物のかすがたまりやすく不潔になり、細菌の感染により炎症を起こします。さらにひどくなると、口が開きにくくなったり、つばを飲みこむときにのどの痛みを感ずるようになり、リンパ節がはれ、発熱、頭痛、耳痛、顎関節痛などが起こります。また、親知らずは口の中の一番奥にあるため、細菌がのどの奥や口の底に感染しやすくなり、扁桃周囲や口腔底峰窩織炎といった、大変ひどい病気を引き起こします。現在では、抗生物質など細菌に対する有効な薬のおかげで、あまりびどくならずに治ります。ところが慢性化しやすく、体が疲れて体力が衰えたり、旅行など生活環境が変わることによって体調が乱れると、急に再発しますがこのように急性症状を繰り返すようになると、原因となる親知らずは抜かなくてはなりません。「親知らず」という語源には、幼いときに親に別れた子という本来の意味のほかに「そこを通るとき親子連れでさえも、連れのことを構っていられなくなるような難所」という意味もあります。まさに口の申の難所、難物がこの親知らずなのです。
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Q8:うちの子はうまくものが噛めないようですが
「三つ子の魂百まで」という諺があります。ものを噛む能力もこの諺に当てはまります。赤ちゃんは誕生してすぐ、本能的にお母さんの乳首に吸い付き、口唇、舌、歯ぐきで上手に噛んで、母乳を搾り出します。このときから、生きるために噛むという作業が始まるのです。母乳を与えることは、免疫学的にも栄養の面からも重要なことです。また噛むことによって、顎や頭の骨の発育も促進されます。近年、噛まない・噛めない子が多くなっています。小学校の給食で少しでも硬いもの、大きなものがあると、噛めずに食べ残してしまう子がかなりいます。この噛めない原因をさかのぼって考えていくと、授乳に到達します。暇な時に母乳をとっておいで、ほ乳瓶で与えるのでなく、直接母乳を飲ませるように心掛けてください。確かに、ほ乳瓶の方が赤ちゃんも楽に飲めますし、忙しいお母さんも助かりますが、生きるために一生懸命に飲もうとする意欲は、母乳を直接飲むことから芽生えてくるものです。母乳が出なくて人工乳を与える場合は、ほ乳瓶の穴の小さいものを選び、しっかり噛み、吸わせることが大切です。この時期にしっかり噛んで、食欲(生きようとする意欲)と、顎が鍛えられていれば、歯が生え始めて、離乳食から普通食への移行もスムーズに行えます。普通食も、噛みごたえのあるものを与えるようにしてください。よく顎を動かしていれば、血液の循環がよくなり、歯を支えている歯ぐきや骨を強くします。また顔の回りの筋肉もよく使われるので、大脳への血液の流れも多くなり、大脳の発達を促進します。噛むことによって唾液の分泌が活発になり、食物の消化吸収を助けます。この唾液にはパロチンというホルモンが含まれて老化防止にも役立ちますし、癌を抑制する効果もあります。噛む力は集中力や瞬発力、忍耐力などとも深い関係がありますし三歳ごろまでに嗜好も決まってしまいます。甘いものを控え、出来るだけ大きく硬い食べ物を与えて、たくましく育てるように心掛けてください。「三つ子の魂百まで」ですよ。
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Q9:歯を強くぶつけたのですが
歯もある限度を超えた圧力を急に受けると、脱臼したり破折することがあります。「まさか脱臼なんて」と思われるかもしれませんが、意外と多いのです。交通事故や転倒、衝突、殴打などが原因となって起きます。とくに上顎の前歯部に多発します。それも若い入に多いようです。こうした外傷歯は出来るだけ早く処置する必要があります。【歯牙の脱臼】歯と骨との問に、クッションの役目をしている歯根膜があります。限界を超えた外圧が歯牙に加わるとヽ歯根膜のなかの線維が切れ歯牙は脱臼します。線維が切れたぐらいでは、症状は軽く、予後も良好です。ところで、歯牙が挺出や嵌入、脱落などして、動きが大きい場合はやっかいです。根尖部で歯髄とつながっている血管が切れ、血液の供給を遮断します。その結果、損傷は歯髄までおよぴます。歯髄は一般に神経といわれ、歯への栄養供給から修復・防衛機能をもつ大切なものです。損傷の度合いによっては、血液の供給が回復せず、歯髄が死んでしまうこともあります。脱臼歯は、受傷後出来るだけ早い時期に処置することが重要で、歯の回りの組織の損傷が少ないことが条件です。完全に脱落した歯牙でも状況がよければ再植は可能です。脱落した歯牙を乾燥させないように、水か牛乳につけて最寄りの歯科医院へ駆け込んでください。いずれにしても、予後は長期にわたる観察が必要で歯の色の変化、動き、根の吸収などを診査します。【歯が折れた場合】治療法は、歯がどこで折れているかなど、破折の状況によって決まります。破折が歯冠部にとどまっている場合は、歯牙の保存も出来、予後は良好です。脱臼を伴うケースは、脱日の処置に準じます。歯根破折の場合、破折が歯尖部(根の先)に近ければそのまま様子をみます。もし動揺があれば固定します。しかし、破折が歯の根の中央から歯冠よりの場合は歯の動きが大きく、抜歯になることが多いのです。歯牙の破折はほとんどが斜め方向で、歯を残すことを難しくしています。運悪く歯牙の脱臼や破折が起きたときは、速やかに受診してください。
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Q10::総入れ歯が上手くいかないのですが
局部義歯の場合は、義歯を支える歯が残っていますが、その歯が全部抜けてしまうと総義歯(総入れ歯)となります。支える歯がないのにどうしてくっついているかどいいますと、吸盤と同じ原理です。ただ、義歯の場合は、平面に吸盤がくっついているように単純なものではありません。複雑な形をしている上に、動く筋肉や舌などに囲まれて、安定させるのが難しい場合もあります。それだけ、だれでもなじませるのに苦労します。とにかく、義歯を使いこなすまでには、ある程度の慣れと努力が必要です。総義歯を初めて入れた場合には、発音がしにくくなったり、熱さや冷たさの感覚が鈍くなったりすることがあります。また気持ちが悪くなることもあります。これは普通の場合、慣れで克服することが出来ます。ただ、義歯を入れて物を噛むとき、義歯床の縁のところが痛むとか、義歯を入れただけで痛むときは、どこかに不適合な部分があるはずです。そんな場合は我慢しないで、すぐ歯科医院で診てもらい、調整してもらってください。義歯は初めのうち良好でも、顎の形が変化して、次第に合わなくなることがあります。特に病気などの原因で体重の変化が激しいときは、顎の変化も大きいものです。さらに、義歯の床と粘膜の間に物が入りやすい、噛むと義歯が動く、義歯の縁が当たって痛い、義歯が割れやすい、といったことも起こります。このようなときには義歯を修理したり、新しく作り替えたりしなければなりません。だから義歯も日ごろからの定期健診が大切になります。総義歯の話をしておいて変な話ですが、総義歯の必要のない人は、ぜひ頭の片隅においでください。歯の健康を守ることは、スタートは、歯が生える前つまり顎の骨の中で歯の元となる歯胚が出来るころから、ゴールは、総義歯でなく、80歳になって20本以上の自分の歯を残して、楽しい食事が出来るようにすることです。皆さん8020運動の成功のためにも、歯を大切にしましょう。
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Q11:虫歯は遺伝するのですか?
「親も歯が悪かったから」とむし歯のひどい患者さんの中には、暗に遺伝のせいにしている人がありますが、遺伝がすべてではありません。病気の原因を大別すると、1つは遺伝子にプログラムされた〃遺伝要因〃と、生体外から入る病原菌や食餌などの〃環境要因〃の2つに分けられます。血液型などのほか、遺伝子の作用による病気もあります。一方で、コレラやインフルエンザといった病気は、だれでも病原菌やウイルスの感染で発病します。ですから環境要因が大きく作用しているといえます。むし歯は、これらのほぼ中間に位置すると考えたらよいでしょう。つまり、齲触感受性(むし歯になりやすいか、なりにくいか)は、遺伝要因と環境要因の両方が関係しているといえるからです。歯の形、歯の出来方、歯の生え具合、歯並びなどは齲触感受性に大きく関係します。これは遺伝によって決まる面が大きいことが、研究者によって明らかにされています。遺伝要因が大きく影響する歯並びを例にとると、歯並びが悪いと当然、食物が詰まりやすく、歯も磨きにくいため、むし歯になりやすくなります。しかし、口腔清掃の状態、糖類の取り方、唾液の性状といった環境因子の相違で、むし歯のかかり方が違ってきます。現在のむし歯予防は、口腔清掃の徹底、糖類の制限、フッ素などによる歯の質の強化を中心に行われています。これらすべては、環境要因を改善することによって、むし歯を抑制しようとしているわけです。むし歯菌は、母親から子供へ伝えられる割合が高いともいわれています。両親の歯が悪く、むし歯になりやすい歯の形や歯の出来方を子供が受け継ぎ、その遺伝要因と食生活など、さまざまなむし歯になりやすい家庭の環境要因を重ねて持つことになります。無菌的に飼育された動物にはむし歯は発生しない、という実験結果があるように、細菌が関与しないとむし歯にはなりません。このことを念頭において、むし歯になりやすい両親は自分の歯の治療はもちろん、子供さんの口の中の健康に関心を持ち、親子ともどもにむし歯にならないよう心掛けましょう。
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Q12:妊娠して歯ぐきが腫れるのですが
妊娠すると、母体にはさまざまな変化が全身的に現れます。性器系では子宮の拡大、軟化や乳腺の肥大、消化器系では妊娠初期に悪心、嘔吐を主としたつわり、皮膚では色素沈着や妊娠線が現れ、循環器系では心負担の増大、心拍出量の増加、血液では血液中の水分量や白血球の増加、呼吸器系では肺気量の減少、泌尿器系では腎血量の増加などです。この変化に、母体は元気な赤ちゃんを出産するために対応しなければなりません。本当に、女性にとって一生の大事業です。このような全身的変化とともに、口腔にも歯肉出血や歯肉炎、妊娠腫、むし歯の増加、歯石の沈着、歯牙の動揺、歯痛、日内炎、舌炎、味覚の異常、知覚過敏などの兆候が現れることがあります。妊婦の60%にみられる妊娠性の歯肉炎ですが、妊娠自体は歯肉炎の原因とはなりません。妊娠2、3カ月ごろになると、それまで少なからずあった歯肉炎がひどくなったので
す。妊娠によって、歯肉が赤く浮腫性になるので、異常に気付くようになります。歯肉の色は、毛細管の増殖によって鮮紅色から青みがかった赤色までさまざまで、硬さも柔らかく、圧迫すると出血しやすい状態になります。また、歯と歯の間の歯肉(乳頭部)が腫瘍のようになることがあります。これは妊娠腫といわれて、妊娠九カ月ごろまで続き、出産後は軽快します。次いでむし歯や歯石の沈着が多くみられます。妊娠すると内分泌機能の変化や新陳代謝の障害が起こり、また、唾液のPH(水素イオン濃度指数)が酸性に傾いて粘っこくなり、細菌が増殖しやすくなります。こうした口腔内の環境と妊婦自身のつわりの時期と重なり、口腔内が不潔な状態になります。歯ブラシも使いづらいことがありますが、小さな歯ブラシを丁寧に使い、口腔内の清掃に気をつけていただきたいものです。栄養の必要量も増えてきますので、食生活も大切になってきます。1日に1グラムのカルシウム、15ミリグラムの鉄分、ビタミンの積極的な摂取。さらに便秘になりやすいので牛乳、野菜など繊維性食品を多く含んだ献立を考える必要があります。
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Q歯ぎしりがひどいと言われますが
寝言、いびき、歯軋り これを称して〃寝相の三悪〃などといって、大変な嫌われものです。あのキリキリという歯軋りの音は、聞く人の神経を逆なでします。旅先などで真夜中に聞くと不気味でさえあります。ところが、この歯軋りは人に迷惑をかけるだけでなく、歯や顎の筋肉に異常な力が加わるため、歯を過度に擦り滅らしたり、顎の関節の周りが痛くなったり、歯周病の原因となったりします。歯軋りにはいろいろな原因が考えられていますが、まず歯列全体の咬合の不均衡や精神的ストレス、欲求不満、疲労などがあげられます。歯軋り(ブラギシズム)はグライディンク(強く擦り合わせ軋ませる)だけでなく、グレンテング(噛み締め癖、食いしばり癖)タッピング(連続的にカチカチと咬み合わせる)などの習慣も、広い意味であげられます。このような異常な習慣は、本人は無意識のうちに行っていることが多く、歯の治療中に歯科医師に指摘され、初めて気付くことがよくあります。朝起きたとき熟睡感がなく、顎の周りの筋肉に疲労感があったり、痛みがある場合や、頭痛、肩凝りの原因が不明な場合は、咬み合わせの異常を疑ってみましょう。歯軋りは義歯の人にも起こります。これは歯科医師泣かせです。苦労して作った人工歯はすぐ擦り減り、食物を満足に噛み切れなくなったり、割れてしまったりします。治療法としては強く当たる歯を削ったり、歯列矯正をして咬合の不整を除くこともありますが、精神面から暗示療法なども効果があるといわれています。いずれにしても原因を突き止めることが大切ですが、とりあえず夜中の歯軋りだけを防止する方法があります。ボクシングやラグビーの選手が試合申に使うマウスピースのようなナイトガード(バイトガード)を作って、夜寝るときだけ使う方法です。よく噛んで食べることは大切ですが、口の中が空のときは、強く噛み締めることや歯をカチカチと鳴らすことは、なるべく避けるよう心掛けましょう。
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Q:歯の色が真っ白でなく心配です
歯の色は本来、真っ白ではありません。日本人の場合は、黄色味がかった白い歯が普通です。それも、いろんな原因で変色することがあります。一般的に歯の色が変わるのは、歯の形成時期に何らかの影響を受けた内因性変色と、薬物などによる外因性変色があります。内因性変色は乳歯の形成時期の胎生田力月ごろから生後10カ月ぐらいまでと、永久歯の形成時期の出生後から7−8歳ぐらいまでに受けた影響で生じます。例えば、この時期に大きな病気をして、ある種の抗生物質(テトラサイクリン系など)を多量に投与された場合や著しくビタミンが欠乏した場合、そのほか乳歯の外傷で炎症を起こし、後から出てくる永久歯の形成がうまくいかなかった場合などに、エナメル質や象牙質の形成不全症を起こして、歯が変色します。その色は、淡黄色から灰褐色までいろいろ変わります。外因性変色は、薬物や外来性色素などの沈着によるものと、むし歯や打撲などの外傷による歯髄炎(歯の中の神経の炎症)などによるものがあります。例えば、歯が強い打僕を受け、歯髄が根央部でちぎれて死んでしまい、歯の内部から色が変わる例や、たばこのヤニの沈着、歯磨き剤を全く使わない歯磨きで着く色、むし歯を放置しての変色などがあります。不幸にして歯が変色した場合の、いくつかの治療法を紹介しましょう。歯の一部変色の場合は、その部分を削って、歯の色に近いものを詰めたりします。全体的なものは、歯全体を削って周りの歯の色とほとんど変わらない人工歯をかぶせる方法があります。また、むし歯や歯髄炎などで変色したものは、まず歯の病気の治療をしてから人工歯をかぶせます。治療後の変色では、薬物(過酸化水素水など)を用いて漂白することもあります。不十分な歯磨きやたばこのヤニで着色した歯の場合も、家庭での歯磨きでは取り除けませんので、最寄りの歯科医院で清掃してもらってください。歯の審美的な処置については、以上のようなことを考慮に入れ、歯科医師と十分な相談をしてください。最終的に治療するかどうかは、本人の気持ちが第一です。
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以上内容は福岡県歯科医歯会編(西日本新聞社発行)の【とっておきの歯のはなし】より抜粋しております。
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