■本と●漫画は独断評価つき(5点満点:★1点・☆1/2点)
文中敬称略
- □小説リンクス vol.1
- 「小説エクリプス」をそっくりそのまま受け継いで創刊号。違いといえば、読者コーナーがないかわりに、著者達の創刊おめでとうコメントが掲載されていることくらい。連載もそのまま継続。
- □小説BEaST(ビースト) 2003 Winter
- アーティスト・フラッシュという芸能系紹介記事は特撮メインで、龍騎とハリケンジャー。金城武と同じくらいの大きさの写真で、私はOKですよ。そういう時代で楽しいです。なにせ一般ドラマを全然見ない生活なので。
ななおあきら『恋愛狙撃手(スナイパー)』は、建築系サラリーマン物。勘違い・オモチャいじめ・嫉妬ありで、なかなかの出来。でもタイトルとあんまり関係ないので、後でタイトル見ても内容を思い出せないかも。
岩本薫『迷い猫』は、大学の助手が、捨て猫を拾う癖のある従妹から、行き倒れの男性を拾ってしまって困っていると相談される。成り行きで一人暮しの自宅マンションに連れかえり、看病したりされたりしてるうちに情が移るが…、という孤独な心の隙間の話。寿たらこのイラストは私的にOK。小説家の方には申し訳ないけど、イラストでとっつきが悪くなり、手元にあるのにもかかわらず中身を読まずに終わるケースはとても多い。
- □Chara Selection 3月号
- 高口里純の「世の中は僕らに甘い」は、ゲイの美形双子の享楽的・刹那的・モデルだってやっちゃうもん的お手軽人生と、その中にひそむ初恋のしがらみと、双子に巻き込まれ犯されちゃう美青年と……って設定を説明してどーなるって話ではなくて、ニュアンス命の連載・4回目。ストーリーにひきがあるとか、そういうことは特にない(笑)。この3月号の中で、一番かっこいいせりふはこれでした。「たかが17くらいで 幸せになんか誰がさせるか」
それは別として、昨年ふと本屋で「ハーレクイン・ヒストリカル」というジャンルがあることを知り、ためしに読んでみたら、けっこうツボでした。ハーレクインとはいえ、ヒストリカルは15世紀とか17世紀とかで昔の少女まんがみたいなノリで、さくっと読めてしまうのです。どうやら私はファンタジーっぽい雰囲気なら、魔法使いも竜も妖精も出てこなくても、楽しめるらしいのです。1996年からヒストリカルはあったのに、私がハーレクインの棚に近づくことが滅多にないため、気づくのが遅れちゃった。現在は150余刊行されていますが、バックナンバーを買い集めて、今は38冊読了です。買えさえすれば150冊なんて全部読めちゃう数ですが…。ハーレクインってバックナンバーを買いにくいということも去年知りました。そのうちそっちの読了コーナーも作るかもしれません。でも需要がないかも(笑)。なんたって、仮に「すごい傑作間違いなし!!」と書いたとしても、本屋に行ってもないんだもんね。ハード系ボーイズラブ小説に慣れてしまっているので、HシーンがそんなにHに見えないっていうのも昔の少女まんがに見えてしまう理由かもしれない(現在の少女まんがはもっとヘビーだしね)。
それはそうと桜桃書房のボーイズコミック誌の「GUST」がなくなったのには気づいてたんだけど、同社小説誌の「エクリプス」までもなくなってしまって、あらあら、と思っていたら、幻冬舎から「小説リンクス」という名前で、編集スタッフも著者もそっくりそのまま移って発売されるというのを知って、ちょっと安心。幻冬舎のホームページで内容も確認しました。まだまだボーイズ小説誌に衰退してもらっては困りますから(笑)。
- ○蠱蟲の虜−こちゅうのとりこ−/六青みつみ@インカローズ
- 2001年2月発行の同人誌ですが、今頃読んだので(笑)。異世界ファンタジー。
精霊や真言や竜(今回竜そのものは出ない)の存在する世界観がしっかりしている上に、文章も流麗で読みやすい。タイトルのすごい字面にもある「蠱蟲」という架空の寄生虫の設定が、鬼畜な陵辱シーンに不思議な説得力を与えているし、純愛が基本トーンとして流れているので全体が下品にならないのがすごくいい。
表紙や全体のレイアウトも美しくてぐっどでございます。
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