<H1>菊池鈴々の「RinRin日記」</H1>

2002年7月分

それぞれタイトルのあたまにジャンルの目印をつけています
主な内容は、■本 ●漫画 ▼映像 □雑誌 ○同人誌 など

■本と●漫画は独断評価つき(5点満点:★1点・☆1/2点)
文中敬称略

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07/18(木)

天使ノ飼育/小塚佳哉 ★★★★★
ドイツ・日本ハーフの美少年ユーリくんは、唯一の家族であるはずの父親から、愛情を得ることができず、苦しんでいる高校生。「僕の云うことをなんでも聞いてくれるなら、僕が、君を愛してあげる」と謎の美青年の甘い言葉に誘われてしまう。
連れてこられたマンションの一室でされたことといえば、相思相愛になった後の美青年・純の言葉をかりると「僕は未成年者誘拐に拉致監禁、それと強制猥褻や淫行罪の現行犯なんだよ」って、その通りです。その後ユーリは、行方不明になった自分を父親が探してもくれず、自分がいかに父親にとってどうでもいい存在なのかを思い知ったのち、病気で倒れたついでに生きる気力も失うが、愛情のやりとりをする相手は自分で選べるということを教えられる。
療養先の山荘で、純の幼少時のセックスシーンのビデオを発見する。養父は「天使たち」と呼ぶ十代半ばまでの美しい孤児たちを養子にして愛する、歪んだ人物だった。
愛情を注ぐことにも注がれることにも餓えていた孤独なふたりが、人生を分かち合うハッピーエンドまで突っ走ります。これは「調教型+切ない系誘い受」と呼びましょうか。
サブキャラもいろいろ気になる魅力的な人物がいたんですが、唯一ピンとこないのは、ユーリの父親。何を考えているのかよくわかんない。世間体のために息子の捜索願を出す程度のことをしていないのもおかしい。息子が雲隠れしてるのを再婚相手に隠していた設定かもしんないけど。あれとかこれとかしていたくせに、父親面して常識的なことを言うのも似合わない。ステレオタイプの小物でないことは確かなんだけども。


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