グッドマン・インタビュー

その34回

鎌田雄一


福島幹夫(ss,as,g,eb)
hあnあ 幡ヶ谷(西原)生まれ。育ちも同じ
  私立明星学園高校卒。
グッドマンには92年12月よりasとgのソロで開始。
93年3月から94年5月まで華村灰太郎(eb)とデユオ
以後、又、ソロになって、現在はss,asで毎月出演。
96年3,5,8,12月に杉本夏暗(うた、g)とチーターズでebを担当
偶数月第二土曜昼の部の「プレイズパターンズ」の最古参メンバーでもある。


●福島さんはg,eb,saxと巾広く演奏しますが、それぞれの楽器歴から…。

◯gは中学3年生になった時、ヤマハのロックギター教室に行きました。一年間で卒業というシステムでした。ebは、高校に入ってからだったと思います。姉がebをやっていたので、それを借りて弾いていました。saxは24才になってから始めました。それもヤマハの教室に行ったんです。

●g,ebをやっていた人間がsaxをやるようになったキッカケは?

◯これはですね。必要にせまられてなんですヨ。その時の自分のバンドの編成がds,b,g×2だったんですヨ。それで僕はgをやったんですけど、どーもつきぬける音がたりないなと思って。インストへのこだわりがあったので声はやだし。それで声に代わるのが何かと考えた時に「SAX!!」となった訳です。

●自分のバンドの歴史を。

◯結成は89年。最初はeb,g,dsのトリオで、僕はeb。次にg×2,eb,ds。次、as,g×2,eb,ds。現在はas,ts,tp,stickb,ds×2です。僕は自分のバンドを持つまでに、gやebで、かなり多くのバンドに在籍してきています。今みたいにカケ持ちもそんなになくてどれか気にいったバンドがあれば「これで行きぜ!!」という若いのりでした。やりたいことがはっきりしていなかったのだと思います。それで自分が何をやりたいのかと考えた時に思ったのがNO NEWYORK一派や「フリクション」「ミラーズ」のような者だったのです。それで出来たのが自分のバンド「KILLING FLOOR」。

●今はかなりの数のバンドに掛け持ちで在籍していますね。一体、いくつやっているの?

◯レギュラー、イレギュラー合わせると7つ前後ですね。今と昔との違いは、やはり意識だと思います。昔はどれか人気のあるバンドに入っていればそれでOKみたいな不純な動機だったんですが、自分のバンドを持ってからそういう考え方が、とてもバカバカしく思えるようになりました。ミュージシャンとしての意識が強くなってきたし、音楽にも貪欲になってきたし、---そうだ「音楽」だ!!---それですよ。昔は、求めたものが音楽じゃなかったんですな、きっと。---とにかく、今、参加しているバンドの数が多いのは僕を必要としてくれている日とから声がかかればどこでも行きます、と言うくらい「音楽」を求めているのです。

●それぞれのバンドの特徴と担当楽器を---

◯「高田れんとナチュラルリズムアンサンブル」ではas,ss。インチキワールドミュージック。ほのぼの系な音で8人編成ぐらい。「杉本真暗とチーターズ」ではeb。ダミ声フォークロック。4人組みで!去年グッドマンレコードからCDを発売しました。「華村灰太郎と野獣」ではeb。これは準メンバーというかたちで。基本的にT-REXみたいなDUO(グッドマンでやるときはこの2人)に、g,eb,percが入る。メチャクチャうるさいカントリーパンクバンドに変化するというLOW I・Qもの。「プレイズパターンズ」ではss,as,g。これは僕にとってとっても勉強になりました。自分の出した音は化ならず2回以上繰り返してパターンにしなければいけないルールにもとずいて9-10人で即興的にアンサンブルを創って行くんです。最近ではメンバー一人一人がアイディアを出し合ってより面白くなっています。即興お遊び集団。「どこでもドアーズ」ではas,ss。元「渋さ知らズ」、「人間国宝」のハル宮沢(g)さんのバンド。このバンドのおかげで僕は音楽に対する喜びを再確認しました。インストやシャウト。基本的音はジャズロック。僕は準メンバーです。このぐらいがレギュラーですかね。

●グッドマンでソロをやるようになったキッカケとバンド活動との違いを。

◯本当は自分のバンドでライブをやらせてもらおうとグッドマンにいったのです。でも音量的なことやスペースのことでここでは無理かなと思ったのですが、そのとき僕はものすごく勢いずいていたので「ソロでやります」と言ってしまったのです。---でもちょっと考えましたよ。ソロはとても興味があったし、沢田さんじゃないけど、一人で出来なくてどうするって言うのもあったし---。

●以前チョコレートシティで「KILLING---」を聴いた時はas,2g,eb,dsだったけど最近は管楽器主体に変わった理由は?又dsが2人と言うのは何か参考にしているの?

◯ツインgのバンドは今多いしさんざんやってもうあきてしまいました。管がふえたのは「どこでもドアーズ」や「プレイズパターンズ」の影響です。3管だと和音も出せるし。dsが2人なのは「ドラマーズ」という「どこでも---」のトシ鈴木が入っているドラマー6人のバンドを見たからです。横浜ジャズプロムナードで初めて見たときは8人いたのかな。8人で一斉に8ビートを刻んでるいるのですよ。笑っちゃいました。「ドラマーズ」は楽しいです。

●管楽器主体になってからライブはやったの?

◯今年の一月グットマンで自分のソロの時メンバー呼んで披露しました。ちゃんとしたライブは6月26日(木)に高円寺のペンギンハウスでやりました。8月は高円寺ShowBoatでやる予定です。

●SAXをやり始めた話しの時インストへのこだわり、声はいやだという発言がありましたが、今日BGMでながしてくれてるのは洋ものの歌ものばかりですね。その辺を整理すると?

◯基本的には歌ものは大好きです。洋ものは音楽を始めるキッカケになったし。---僕は言葉にして唄いたいことが特にないのですよね。ビートルズは英語だからなにを言っているかわからないけど、メロディーは素晴しいです。---だから僕のなかで一番重要なものはメロディーなのです。唄は好きだからSAXでもっと唄えるようになりたいですね。

●じゃ最後に沢田さんからで「音楽を通して見た自分の世界観や世代観について何でもいいから話して下さい。」

◯よくミュージシャンで新譜のCDをおっかけている人がいるじゃないですか。ぼくはちょっとわからないんですよあれが---。洋ものバンドの頑張っているやつらとかってぼくらと同世代だったりしているんですけど彼等がやっている事が一番新しいと思っていたら大まちがいだと思うんですよ。今まで聴いてきた音楽とか以外と同じだったりして「おまえもローリングストーンズ聴いてんだろう!!」ってカンジで---。だから自分自身のフィルターを通して創り出したものに対して自信をもてばいいのに、と同世代の仲間に思うのです。この世で一つしかない音ってとこですかね。


編集後記

福島さんちは、代々の銭湯でした。次回は3回出戻りのヘナチョコサニーの予定です。


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