’98年9月5日「大物の化石みーつけた」

熊本県・天草の御所浦町で、約5千万年前の地層から、草食獣と見られる大型ほ乳類の頭部化石が見つかり、発見者の福井県立博物館の宮田和周研究職員らが四日発表した。国内で発見された大型ほ乳類としては最古で、恐竜絶滅以降、ほ乳類が進化した過程や当時の生態環境を知る上で貴重な資料となりそうだ。

 

化石は同町の弥勒(みろく)層群赤崎層と呼ばれる約5千万年前の地層から1995年夏に発見され、同研究職員らが詳しい分析をしていた。長さ約40cm、幅約20cmの頭骨と下あごの骨などで、頭骨の後ろ半分は押しつぶされている。骨の形状や大型の犬歯などから、3千万年前までに絶滅した有蹄(ゆうてい)類汎歯(はんし)目の草食獣、コリフォドン科のものとみられるという。体長は2から2.5mと推定され、歯が生えそろっていないことから幼獣とみられる。

汎歯(はんし)目の一種の

コリフォドン

約5000万年目の地層から見つかった、

草食獣と見られる大型ほ乳類の頭部化石

4日午後3時、熊本県御所浦町で

国内では90年、熊本県御船町で9千万年前の食虫類(モグラなどの仲間)の化石が発見されているが、大型ほ乳類としては、94年に御所浦町で発見された4800万年前のコリフォドン科のものが最古例だったという。

コリフォドン科の草食獣は大きいものは体長が3mを超えサイやカバに外見的特徴が似ていたとされる。

 


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