英語学習法(1)

本講座では、英語の学習法についてじっくり考えます。学習法には色々なものがあり、どれか1つを絶対とすることは不可能ですが、どのような方法をとるにせよ、是非念頭に置く必要があると思われる事項があります(現状では、こうしたことが軽視されているように思われます)。そこで、ここでは皆さんが皆さんなりの学習法を編み出す上で、是非参考にしていただきたい事項を集めてみましたので、お役立ていただければと思います。また、(2)のエピソード集や、英語学習演習のコーナーも併せてご覧ください。


1.「日本人は読解に強いが、会話は弱い」は本当か?

結論から申し上げますと、これは全くの誤解と断言しても良いでしょう。勿論、「会話は弱い」という点が間違いなのではなく、前半の「読解に強い」という点が???なのです。

もしこれに強いというのであれば、英語の新聞・雑誌や専門書などは、速く正確に読めるはずです。また読解・文法問題の多いTOEFLの平均点が他の国に比べて著しく低いということもないはずです。しかし、実際はどうでしょうか? 日本語にいちいち訳さないと読めないとか、分からない単語の意味をいちいち辞書で引かないと、全然意味が分からないとかいうのが、大多数なのではないでしょうか? 確かに、従来の英語の授業は「読む」ことに比重を置いてきたのですが、蓋を開けてみるとこの始末なのです。「英語を読める」ということはどういうことなのか、また「英語を読める」ようにするための英語の教え方・学び方を考える必要があるのではないでしょうか。

英語学習演習のコーナーでは、真の意味で「英語を読める」ようにするための方法を、皆さんに実地に身につけていただけるようなプログラムを用意しておりますので、どうぞご利用ください。


2.「速いから聞き取れない」のか?

これも間違いです。「英語が聞き取れない(即ち英語の音声に慣れていない)から速く聞こえる」というだけのことです。日本語も、聞き取れない人には速く聞こえるのではないでしょうか。

ということは、英語を聞き取れるようにするためには、「慣れる」ということが必要となる訳です。では、「慣れる」ためにはどうすればよいでしょうか?

やはり、毎日少しの時間でも構いませんから、英語を聞く時間を設け、それを継続させるのが良いのではないでしょうか。但し、最初から全部を聞き取ろうとする必要はありません。「分かるところ」だけで良いのです。この「分かるところ」だけを使って、全体の意味を推測することが出来るようになることの方がより重要です。勿論間違ってしまうこともあるでしょうが、いずれは正確さが増してきますから、気にすることはありません。英語は全体の意味を取る上で、5割がたの部分が分かれば何とかなるといわれていますから、推測の余地は結構あるといえます。この「推測」の能力は、試験の際、また英文を読む際にも大いに役立ちます。

この他、英語を聞き取る際には次のようなことを知っておくと、効果が上がります。是非参考にしてください。

(1)あまり大きな音量にしない。

(2)ヘッドホンは使わず、スピーカーから直接音声を聞くようにする。

(3)テープの巻き戻しを繰り返すのは出来る限り避け、なるべく1回に集中するようにする(TOEFLは音声が1度しか流れません)。

(4)英文を聞きながら、同時にそれを口頭で繰り返したり、書き取ったりすると、総合的な英語力が身につく。


3.以降はただいま準備中。

言語学部