ウサギの皮膚疾患と外科的処置

@細菌性皮膚炎
 【湿性皮膚炎】
   原因 : 眼脂・流涙→顔面の湿性皮膚炎
      流涎→下顎、胸前の湿性皮膚炎
      帯下・尿失禁→陰部周囲の湿性皮膚炎
   症状 : 発赤、分泌
   治療 : 抗生物質 湿潤の原因の除去
 【足底潰瘍(飛節びらん、潰瘍性四肢皮膚炎)】
   原因 : 硬い床、汚れた床、濡れた床、肥満、スタンピング
   原因菌 : 黄色ブドウ球菌が多い
   治療 : 抗生物質
A真菌性皮膚炎
   原因 : 毛瘡白癬菌が多く、犬小胞子菌はまれ
   症状 : リングワーム状または不整な脱毛、鱗屑
   治療 : グリセオフルビン25mg/kg SID
      イトラコナゾール5~10mg/kg SID or BID
      ケトコナゾール10mg/kg BID
B寄生性皮膚疾患
 【耳疥癬】
   原因 : Psoroptes cuniculi ウサギキュウセンヒゼンダニ
   症状 : 特徴的な外耳道内の痂皮
   治療 : イベルメクチン400μg/kg 2週間おき3回
 【ツメダニ】
   原因 : Cheyletiella parasitivorax ウサギツメダニ
   症状 : 掻痒、頭部から背部にかけての発赤、落屑、脱毛
   治療 : イベルメクチン、ピレスロイドのムース 1回/week
 【その他】
   ウサギノミはまれであるがネコノミの寄生がみられることがある。シラ 
   ミやワクモの寄生はごくまれである。フィプロニル製剤やイミダクロプ  
   リド製剤は有効であるが安全性の裏付けはない。ピレスロイドを用いる
   のが無難と思われる。
C外傷
   原因 : けんか(狭い飼育場での複数飼育、広い飼育場でも過密飼育の場
      合、雄同士の同居)
   症状 : 擦過症、咬傷、裂傷(出血は少ないが大きく裂けることがある)
      放置されると膿瘍、細菌性皮膚炎、ハエウジ症などに
   治療 : 消毒、必要に応じ局麻による縫合、抗生物質の全身投与
      睾丸の外傷は去勢手術、飼育環境の改善
D抜毛行動
 【攻撃による抜毛】
   個体同士の力関係で、上位の個体が下位の個体の毛をむしり取る行動が
   認められることがある。むしる方もむしられる方もストレスが加わって
   いる状態と考えられ、双方を別々のケージに分け、ストレス要因がわか
   れば除去すべきである。毛を飲み込んだウサギの便には毛が混入し、繋 
   がっていることがある。
 【自己抜毛】
   これもさまざまなストレスに起因すると考えられ、ストレスの除去が必  
   要である。ただしストレス要因がわからない場合や、除去不可能なスト
   レスである場合もある。他の個体の毛でも自分の毛でも、飲み込めば毛
   球症の原因となる。
E皮下膿瘍
 【外傷に起因する皮下膿瘍】
   原因 : 黄色ブドウ球菌、パスツレラ、緑膿菌、プロテウス、バクテロイ
       デスなど
   症状 : 硬い膿を含む嚢状の皮下腫瘤
   治療 : 広く切開し膿を押し出し、もしくはかき出し、消毒薬または抗生
       物質の溶液で洗浄する。または膿瘍壁ごと摘出する。
       抗生物質の全身投与 エンロフロキサシン10~15mg/kg SID
 【歯牙疾患に起因する膿瘍】
   原因 : 不正咬合や歯の破折などの歯牙疾患により、歯髄または歯周から
       感染が起こり、歯根から上下の顎骨が侵され、皮下に拡がる膿
瘍を形成
   症状 : 下顎の腫脹 頬の腫脹 眼窩に膿瘍が生じると眼球の突出
   治療 : 患歯の抜歯(不可能な場合が多い)
      切開 排膿 消毒 抗生物質
      
F体表の腫瘍
   乳腺腫瘍(悪性の場合が多い)
   皮膚腫瘍は表皮乳頭腫、基底細胞腫など良性腫瘍が多い
   体表リンパ節の腫脹は悪性のリンパ腫瘍の可能性もあり


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