キャンプイン・ジョーク2012

「阪神の和田監督のマヌケっぷりについての傑作なジョークがあるんだが、聞くかい?」
「私が和田なんだが」
「オーケー、じゃあわかりやすいようにゆっくりと話すよ」


 神様はアダムの肋骨からイブという女性を造りました。それから神様はアダムに言いました。
「汝の妻を選べ」
 これが阪神のレフトのポジション争いのはじまりです。


 阪神のレフトのポジション争いについて、解説者が質問された。
「この問題には自然な解決と超自然的な解決のふたつが考えられます。自然な解決というのは、天狗が突然空から舞い降りて、金本選手をさらっていくことです。超自然的解決というのは、和田監督が誰の助けも借りずひとりで考えを変え、金本選手をレギュラーから外すことです」


 藤川球児は「阪神若手野手は練習しない、レギュラーを取ろうという覇気がない」と苦言を呈した。若手外野手は答えた。
「鷹は空高く昇れるときだけ羽ばたくものです。檻に閉じこめられたら飛ぼうとはしません」


「阪神の新井選手がまた護摩行をしたそうだ」
「去年のじゃまだ、焼けきらなかったのかな?」


 キャンプインの日、広島の野村監督は、選手を集めて訓示した。
「同志諸君、ふたたび君たちをこの球団で見れることは、お互いなんという幸運であろうか。資本主義の退廃球団では、奴隷的選手どもは、1日わずか8時間の練習、200球の投げ込みしかしないと聞く。しかし素晴らしい我が球団にあっては、そのような失業状態は存在しないのである」


 広島のキャンプ地に野村監督のお言葉が貼りだされた。
「笑ってはいけない 笑うのは投げこみが足りないからだ
 泣いてはいけない 泣くのは走りこみが足りなかったからだ」


 広島のコーチが巨人のキャンプを見学した。広島コーチは巨人コーチに質問する。
「練習場の外にずらりと駐車しているベンツは誰のです?」
「若手選手の自家用車です」
「そちらの若手の収入はどれくらいですか?」
「おおよそ、年俸1千万円から3千万円のあいだですかね」
「若手の生活費は?」
「寮に入って三食は球団が食わせてるから……そう、せいぜい年に100万円くらいなもんでしょうか」
「収入と支出の差はどうしてます?」
「それは個人の自由ですからな、球団は関知しません」
 やがて巨人のコーチが広島キャンプを見学した。巨人コーチは広島コーチに質問する。
「練習場の外に停めている自転車は誰のですか?」
「球団の貸し自転車です」
「そちらの若手の収入はどのくらいですか?」
「おおよそ、年俸150万円から300万円のあいだですかね」
「若手の生活費は?」
「寮費と食費を徴収してますから……そう、ざっと年間400万円くらいでしょうか」
「支出と収入の差はどうしてます?」
「それは個人の自由ですからな、球団は関知しておりません」


 スザンヌと結婚したソフトバンクの斉藤投手は、それ以前にも女性問題がいろいろと騒がれていた。憂慮した球団は、ひそかにソフトバンクのファンの女性にアンケートを送った。その質問は、
「斉藤選手と寝てみたいと思いますか?」
 回答が帰ってきたが、その8割は
「二度と寝たくない」


 DeNAの大沼投手の女癖とギャンブル癖の悪さが、週刊誌の記事になった。これを読んだ中畑監督は、さっそく大沼投手に問いただした。
「記事の内容は本当なのか」
「とんでもない! 真っ赤な嘘です。賭けたっていい。もしあの記事が本当なら、僕の4人目の愛人を監督に譲りますよ」


 ダルビッシュ投手のツイッター。
「自由な札幌ドームなう。こんないい球場を捨てて、僕はメジャーなんか行きませんってば」
「自由な日本ハムなう。どうしてマスゴミは、僕が離婚するとかメジャーに行くとか、嘘ばっかり書くんだろう」
「テキサス州に到着。自由なダルビッシュなう」


 催眠術師が野球選手を集め、大観衆の前で催眠術をかけてみせた。
 まず真田投手が壇上にのぼる。催眠術師は暗示をかけた。
「あなたはポスティングでのメジャー入りを希望したが、どこからも声がかからない。入札締め切りの5分前だ。あなたは電話の前でじっと待っている。しかし電話はどこからもかかってこない……」
 真田選手は青ざめた表情で、脂汗をたらたらと流している。
 催眠術師は続けて言った。
「私がこの指をパチンと鳴らしたら、あなたはこの催眠から醒める……さん、に、いち、パチン」
 真田選手は目を覚まして安堵の表情になった。
 つぎに西岡選手が壇上にあがった。催眠術師は暗示をかける。
「あなたはメジャーに入れたが、怪我と体力の不足でさんざんの成績だ。監督もコーチにも見放された。同僚は陰口をたたく。新聞からはボロクソに言われる。ストレスのはけ口に女遊びをしたが、それがばれて奥さんからは離婚を通告された……」
 西岡選手は真っ赤になって苦悶の表情をしていたが、催眠術師が指をパチンと鳴らすと、目を覚ましてほっとした顔になった。
 最後に川崎選手が登場、催眠術師は暗示をかける。
「あなたは念願かなってイチローと同じ球団に入ったが、レギュラーは夢のまた夢、毎日ベンチを温めるばかり。ついに球団はあなたとの選手契約を解除し、イチローの付き人として登録した。あなたはイチローを球場まで送りとどけ、イチローの荷物を持ち、イチローのファンの整理をする屈辱の日々……」
 川崎選手は片目をあけ、催眠術師を威嚇した。
「パチンと音がしたら、その指をへし折ってやるからな!」


 杉内がFAで巨人へ移籍する記事を読んで、楽天の星野監督は怒鳴った。
「あのいまいましい強奪球団め! わしが、あの選手を育てちまったばっかりに!」


 ロッテは巨人から選手を強奪した。巨人が壊してしまったサブローを修理するために。


 ソフトバンクのホールトン投手は、法外な金額で巨人に移籍した。その直後、元巨人のヒルマンから電報が届いた。
「イマノ キョカンリキシ ハ ガガマル トイウ」


 巨人のなりふり構わぬ補強を、ある解説者が弁護した。
「いつも巨人は、銭ゲバの杉内やワガママな村田のような問題児を獲得して、悔い改めたサブローや高橋信二のような選手を放出してきました。いわば巨人は球界の空気清浄機なのです。巨人が獲得する選手が増えたということは、球界が汚れたということにほかなりません」


 おとぎ話と中日の今期展望の違いはどこか?
 おとぎ話は「むかしむかし」で始まる。
 中日の今期展望は「むかしはよかった」で始まる。


 楽天はなぜベテラン選手が好きなのか。
 ベテラン選手は経験豊かだからである。
 横浜はなぜベテラン選手が好きなのか。
 ベテラン選手は実績があるからである。
 中日はなぜベテラン選手が好きなのか。
 ベテラン選手は落合が育てなかったからである。


 落合監督をクビにするため、自分のチームが負けてもガッツポーズをした坂井代表は、その噂が流れたため、中日の優勝祝賀会で選手やコーチから無視され、ひとりぼっちで放置された。
 とりあえず落合をクビにすることには成功し、高木新監督が就任。その席上で高木監督は、坂井代表に声をかけた。
「去年はひどかったですね。もうあんなことが起こらないよう、決して優勝祝賀会なんか開かせませんから」


 横浜DeNAベイスターズに勝つ方法は?
 試合することである。


 阪神の真弓前監督が敬虔な神父と同じ日に死に、一緒に天国へ迎えられた。真弓は鳴りもの入りの天使のパレードで歓迎されたが、神父はひとりぼっち放っておかれた。神父は憤慨して神様に抗議した。
「私はずっと神に仕えてきたのに、この扱いの差はどういうことです? 私は毎日、教会で数百の信者に、神に祈ることを教えてきたというのに」
 神様は答えた。
「しかしね、この人が監督で采配をふるっていた時には、数百万の阪神ファンが神に祈っていたのだ」


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