パリーグ6球団のゆかいなペナントレース

各球団の戦力分析

西武
 投手陣Bプラス 打撃陣Aマイナス 采配B 総合力B
 投手陣は年々力が落ちている。なにせ即戦力で獲ってきたドラ1ドラ2がここ2年、いっこうに働いていない。西口は疲れている。森にはもう東尾監督すら期待しない。デニーはいくらなんでも今年こそ化けの皮がはがれるだろう。明るい材料といえば松阪くらいだ。それでも西口、潮崎、石井、横田、豊田と先発で5本指が折れる球団は弱投のパリーグでは西武と近鉄くらい。やはり今年もいちばん計算の立つ球団である。西崎とブロスは…今年もダメかな。
 打撃陣は高木大成の怪我が痛い。シアンフロッコが穴を埋められるか。復活の垣内はDHでレギュラーの可能性が高いが、一発狙い振り回し打法は清原と共に西武打線を分断していた実績もあるし、復帰が一概にプラスとも言えない。セカンドを固定できない悩みも大きい。高山と高木と田辺の併用か?

日本ハム
 投手陣B 打撃陣A 采配Aマイナス 総合力Aマイナス
 昨年爆発的な打撃力で勝ち進んだ日本ハムだが、後半は嘘のような貧打で失速、ほぼ手中に収めていた優勝を逃した。今年こそ、という意気込みは強い。
 投手陣は金村、岩本、今関、ときて後がいない。芝草は駄目そう。関根とウィッテムに期待するか。中継ぎは信じられないくらいタフな下柳がひとりで背負う。いちばんの問題は黒木とシュールストロームの抑え。信頼性50%。3点以上リードしておくしかないぞ。古溝、与田の”元”リリーフエースに任せるという無茶な計画もある。
 打撃陣は目障りな落合と広瀬が消え、西浦とウィルソンを中心に片岡、田中が固め、井出、金子、上田も元気。これにフランクリン、阿久根、小笠原、秦も参加して打線に切れ目がない。もっとも、打てなくなると全滅、の悪い癖は治さねば。外野守備陣は井出、上田の守備力が抜群。

オリックス
 投手陣B 打撃陣B 采配A 総合力B
 何でこの陣容でAクラスに入れたか信じられないくらいの薄い選手層。ニールの給料が払えずに解雇し、大リーグ復帰に失敗するや再び誘って半額で入団させる球団の貧乏さとセコさ。身売りオッズ只今ナンバーワンの不景気球団。(ちなみに2位は広島とダイエー)
 投手陣は細腕エース星野が今年も支える。2年間何もしてないくせに星野より給料がいい野田は今年ダメなら解雇の背水の陣。小林、金田、高橋、平井に新人川越で一応先発の数は揃った。でもそれしかいない。あとは伊藤と鈴木と水尾。おっと、広島が給料を払えずに解雇した加藤がいるな。あれ、結構豊富じゃないか。
 打撃陣はイチロー頼み。ニール、藤井、田口、新外人のペレスが中軸を打ち、谷、日高が脇を固め、五十嵐、佐竹、小川に新人の相川と…あとがいない。レギュラーの戦力は結構いいんだけど、ひとり怪我したらお仕舞いの選手層。あ、嘉勢は今年は働くかな?

ダイエー
 投手陣C 打撃陣A 采配D 総合力C

 昨年は有り余る戦力を貰い、優勝争いにも参加しながら(参加しなかったのロッテだけだが)不可解な選手起用で勝ち星を落としたダイエー。そのお仕置きか、オフにはスパイ疑惑。その余波で外国人探しもままならない。
 投手陣では武田の抜けた穴が大きい。エース工藤も36歳。大きな期待はかけられない。西村も今年は駄目そう。篠原あたりが何とかしてくれんとなあ。ローテーション?何それ?佐久本→吉田→岡本の継投ローテーションのこと? 若田部、吉武、カズミ、篠原、永井、ヒデカズ、こんな成績の選手じゃなかったはずなんだがなあ……。
 打撃陣はよさそう。去年1年を棒に振った小久保が主砲として活躍しそう。城島も王のイヤミを無視して打ちまくりそうだし、井口も好調。この3人が3割30本クラスの成績でクリンナップを打てば、村松、柴原、柳田あたりの1、2番と吉永、秋山の下位打線が呼応して面白いくらい打ちそう。
 ただなあ、うまくいきそうになると余計なチョッカイ出して無茶苦茶にするのが王監督なんだよなあ…。特に、優秀なホームランバッターが出てきそうになると潰しにかかるんだよなあ……。福岡ドームの1塁側に「帰ってきてくれ杉浦」と横断幕に書かれ、ダイエーファンからの襲撃を防ぐために球場の出入りに警護が必要な王監督。ファンの掲示板でさえ王采配を擁護する意見が皆無だった王監督。嗚呼。

近鉄
 投手陣A 打撃陣A 采配D 総合力B
 完全にダイエーとキャラが被った球団。違うのは監督はともかく、ピッチングコーチとスカウトが優秀なこと。
 投手陣は高村、マットソン、赤堀、小池、真木、岡本と数だけは揃った。中継ぎに佐野が復活しそうなのも心強い。リリーフは大塚という信頼感抜群な投手がいる。調整遅れが心配だが。これに剛速球のバルデス、デラクルーズが加わる(全く同じタイプだがバルデスの方がよさそう)。新人の宇高はちょっと期待薄だが。
 打撃陣はローズ、クラークの両外人が盤石。中村もホームランを連発。大村は1番に定着。高須、磯辺、武藤、水口ら脇の名役者もいる。戦力としても打線としても理想に近い。控えにも吉岡、誠、川口、衣川、藤立がいる。
 これだけの戦力がありながらBクラスに甘んじているのは、ひとえにファンからも「ヨッシャー」と馬鹿にされている佐々木監督の存在である。赤堀のリリーフに固執して大塚を腐らせ、吉岡を使わずに2軍で腐らせ、ついにチームを腐らせてしまった。その投手交代は、ラジオで解説していた加藤哲郎(元近鉄)が本気で激怒し、「今日は監督の投手交代で負けた!あの采配は馬鹿だ!」と絶叫したほどである。今年も磯辺2番などといって磯辺と水口を腐らせようと画策している。とにかく、近鉄が優勝するためには佐々木監督に拘束衣を着せて小林投手コーチが采配を振るうこと、これしかない。

ロッテ
 投手力B 打撃力B 采配? 総合力B?
 昨年防御率2位、打率1位で最下位に沈んだ原因は、一発の少なさもあるがやはり近藤監督に責任を負わさねばなるまい。その近藤監督が去っただけでチームはすっかり明るくなった。こんなのって、鈴木監督(近鉄)と藤田監督(阪神)以来かな。しかしファンの1/4は「そんなに悪い監督でもなかった」とかばっているあたり、王、佐々木よりはマシということか。
 投手は最多勝の黒木、小宮山の2本柱に武藤、新人の小林、新外人のハートグレイブスかクロフォードのどちらか辺りが中心になりそう。リリーフにウォーレン、藤田あたりか。河本が完全復活できるか。
 打線では1番の小坂が好調。昨年の低打率を返上し打てる1番になりそう。平井、堀、初芝、福浦と続く打線も1発はないが地道に繋げてくる。新外人のブレイディーもそこそこ使えそう。佐藤、大村、諸積もいる。ただここは捕手がいないのが最大の問題。捕手難チームは3位阪神、2位読売だがダントツ1位はロッテ。なにしろ吉鶴が正捕手なんだから。
 そしてもう一つの問題は、全部が「そこそこ」なこと。超一流がどこにも見あたらないのだ。なにしろ落合、伊良部と超一流は必ず逃げていくからね。

順位予想

優勝  日本ハム
2位  西武
3位  ロッテ
4位  近鉄
5位  オリックス
最下位 ダイエー

 どこも決め手を持たない去年のペナントレース、結局は日ハムの自滅という形で西武が繰り上げ当選したが、優勝するに値する戦力とは言えなかった。今年も同様の闘いになりそう。
 マイナスの決め手として監督の采配がある。近鉄とダイエーが監督が今の限り優勝できない。いいところまで行っても必ず自滅するのは去年見た通り。監督で優勝するチームはないかもしれないが、監督で優勝できないチームは確かに存在するのだ。
 オリックスは選手層の薄さが問題。去年は野手陣に大きな怪我がなく過ごせたためAクラスに滑り込んだが、今年はどうか。ひとりくらい怪我して戦力が落ちる可能性の方が高そう。
 ロッテはとにかく、全部そこそこ。優勝というには決め手がなさ過ぎるので取りあえず3位。
 で、西武か日ハム、という平凡な予想になってしまった。ほぼ互角なので、新外人選手の働きで決めてみました。とすると、シアンフロッコ対フランクリン。これはフランクリンの圧勝。ということで日ハムの優勝。
 なお、大穴として、「近鉄球団が早期に佐々木に拘束衣を着せたら近鉄優勝」というのも、可能性として挙げておこう。

最多勝予想
 本命  小宮山(ロッテ)
 対抗  西口(西武)
 穴   黒木(ロッテ)
 要注意 今関(日ハム)
 なにしろ最多勝が13で3人並んだ昨年。今年も低レベルのだんごレースになりそうな予感。せめて15はいってほしいものである。
 今年はロッテ勢が順位上昇で勝ち星を増やしそうなので上位に予想した。西武の西口は去年より遙かに仕上がりはいい。今関は復活の期待込み。でもなあ、ここにいる全員潰れて、結局13勝でマットソン最多勝、というのもありそう。
 

最優秀防御率
 本命  小宮山(ロッテ)
 対抗  工藤(ダイエー)
 穴   潮崎(西武)
 要注意 佐野(近鉄)
 自分の力のみで取れるこのタイトルに執念を燃やす小宮山に、これしか狙えないチーム事情の工藤が挑み、実力派十分の潮崎がこれに絡む。そして白熱の闘いが繰り広げられた挙げ句、復帰後さっそく酷使され135イニングきっかり投げた中継ぎの佐野が獲得。

最多セーブ
 本命  大塚(近鉄)
 対抗  なし
 穴   杉山(西武)
 要注意 河本(ロッテ)
 ちょっと対抗の探しようがないほど大塚の独走。大塚が調整不足でコケれば20程度の低レベルの争いになりそう。あとは杉山の復活か河本の復活か、元リリーフエースの復活に賭けるしかない。古溝の復活という手もあるな。

首位打者
 本命  イチロー(オリックス)
 対抗  小久保(ダイエー)
 穴   松井(西武)
 要注意 フランクリン(日ハム)
 いくら陳腐と言われようと、イチローを外すわけにはいかない。対抗は脱税と怪我のダブルパンチからようやく復帰の小久保。球団も監督も守ってくれない、頼れる者は俺ひとり、との骨を噛むような痛切な教訓を胸に抱き、ひとり打席に立つ小久保は必ずやってくれます。あと要注意は新外人の対策立たないうちの打ちまくり。ペレス(オリックス)も注意。

打点王
 本命  鈴木健(西武)
 対抗  小久保(ダイエー)
 穴   クラーク(近鉄)
 要注意 ブレイディー(ロッテ)
 ランナーが貯まった場面で打席に立つことが多そうな鈴木健がやはり本命か。小久保は己の力のみを信じて我が道を行く。あとは打線が良さそうなチームの5番か6番が有利ですね。

本塁打王
 本命  小久保(ダイエー)
 対抗  中村(近鉄)
 穴   ウィルソン(日ハム)
 要注意 クラーク(近鉄)
 復活の小久保は三冠王獲得の可能性もあるとみた。問題はただ一つ、自軍の監督のみ。中村も成長したことだし、1993年以来の40本台の争いが見たいものだ。

盗塁王
 本命  小坂(ロッテ)
 対抗  松井(西武)
 穴   大村(近鉄)
 要注意 村松(ダイエー)
 イチローは近鉄の執拗なデッドボール攻めで走れない身体になっていると見た。もし復活してもまたデラクルーズとバルデスに腰骨を折られるから結局駄目。まあ小坂と松井の争いだが、早めに王監督が休養すれば村松が起用されて走りまくるので可能性あり。なんにせよ今年は醜い敬遠競争などせず正々堂々と争って50台の盗塁を見せてもらいたい。


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