トラハタ時事新報(2003年開幕〜6月)


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4月1日(火)

とりあえず単独首位なわけだが
 まあ昨年より打線に粘りが出ていることだけは評価できる。やはり片岡と金本の差は大きい。藤本がどんなにいいように見えても、ものすごく肝心な場面で致命傷のエラーをやらかしてくれることだけは昨年と同じだが。それにしても右の中継ぎが谷中金沢ともに不安すぎる。ポートの酷使がしばらく続くのだろうか。

開幕ダッシュ! ドツボ王座決定戦
 ようやく濱中が2安打して脱出できた(かもしれない)、開幕からの不調を争うドツボ王座決定戦。
 濱中とともにドツボ街道を快走していた横浜の古木。開幕カードでは12打数ノーヒット8三振とと圧倒的存在感を見せつけたが、きょうの試合で2安打して濱中とともに脱落かも。しかしまだまだ打点ゼロでエラーが1と、侮れない潜在能力を持っている。その陰でウッズが14打数3安打8三振とひそかに気を吐く。
 読売の江藤は5打数ノーヒット2三振と、少ない出場機会で確実に結果を出している。
 日ハムの新外国人、エンジェルことエチェバリアは開幕カードで17打数2安打8三振と古木に迫る大活躍だったが、これもきょう2安打で、しかも打点もあげてしまった。しかし2年目のクローマーは15打数1安打2三振と堅実な活躍。
 ロッテのサブローは17打数2安打7三振、波留は10打数ノーヒット3三振と、去年に続き好調な出だしのロッテ打線のリードオフマンとして活躍。これに中軸も応え、メイが18打数2安打3三振ゼロ打点、ショートが16打数3安打2三振、初芝が3打数ノーヒット。
 しかしなんといっても、ドツボといえばオリックス。その代表格である山崎は、きょうこそ出場機会がなかったものの、9打数1安打2三振と順調な滑り出し。しかし成績よりも内容がすばらしい。開幕戦の第一打席で二塁打を打ってからノーヒットというのも山崎らしいが、第二戦では一点差のワンアウト二塁の場面で三振、ワンアウト満塁で三振。第三戦では同点のノーアウト一塁でゲッツー。確実にチームの士気を落とす打撃は健在だ。
 僚友のオーティスもすばらしい。17打数3安打ながら、3本のヒットのうち2本はホームラン、なのになぜか打点は2という、かつての山崎の25本塁打51打点を思い出させるような大活躍。しかも3エラーというのが光る。なおブラウン、シェルドンも加えた外人トリオの総合成績は54打数14安打で.259、3本塁打で4打点、16三振の5失策というすばらしい成績。死角はないな、オリックス。


4月13日(日)

打線の名前その後
 中日は荒木、井端、福留の1〜3番トリオを「ブルースリー」と名づけているそうな。ということで
 荒木、井端、福留の「ブルースリー」→アレックス、クルーズの「荒れ狂う砲」→立浪、谷繁、井上の「脂肪遊戯」となるわけだ。
 横浜は山下新監督になって「大ちゃんス打線」と呼ばれても去年と同じ最下位。てなわけで古木、鈴木、佐伯、ウッズと続く打線は「三木一森打線」もしくは「森の子供たち」と呼ばれるようになっている。
 オリックスは石毛監督のマグマ溢れる采配で最下位を独走。葛城、副島などの活躍とシェルドン、オーティズの復調で大噴火かと思わせておいて、11三振8併殺打(ついでに6失策)のブラウンといわずと知れた山崎がチャンスを潰しまくり、おまけに調子の良かった谷が婚約者のために腰を壊してひっこむありさまで、マグマも急速冷却させる「玄武岩打線」と呼ばれている。

究極の選択
 戦力はボロボロで打ち勝つなんて夢にも考えられないけれど、二流三流の選手をなんとかやりくりして接戦には強い野村監督と、戦力は充実して大量得点・完封勝利は多いが、継投や選手起用が信じられないほどヘタクソで接戦では必ず負ける星野監督、どっちがいい?
 たぶん星野監督は完全主義者なのだと思う。とにかく型、勝ちパターンを大事にするタイプ。だから岩瀬、落合、ギャラード、森田、与田など力量ある投手を継投させるとハマるが、問題は力の劣る吉野、金沢、ポート、谷中、藤川にも同じことを要求する。そして打たれる。
 前任の野村監督はその反対に、とにかく選手のいいところを発揮させようとするタイプ。谷中はシュートとデッドボールのコンビネーションで勝負させる。遠山と葛西の左右継投で目をごまかす。型のなかに選手をあてはめていくのでなく、選手を按配して型を作っていくタイプ。
 ただし以上の感想は投手の使い方だけの話で、打者の使い方になると逆の印象になるから不思議。野村監督は一番とは選球眼が良くて俊足、2番とは小技ができてしぶとい打撃、などという型に坪井や今岡や藤本をはめようとして失敗し、星野監督は選手に勝手にやらせて成功している感がある。
 もうこれは監督というか人間としてのタイプの違いなので、いまさらどうにもならない。
 さて、下柳に武田のような活躍が望めるかどうか。


4月14日(月)

ジャイアンツの監督論
 去年は前任者との比較効果もあって名将扱いされたジャイアンツの原監督だが、今年はペタジーニをライト五番に固執しすぎたあげく、打線は切れるわ江藤は打たないわ、おまけに仁志と元木がごっちんこでリタイアだわの大騒ぎ。すっかりダメ監督の烙印を押されてしまった。
 しかしこれはぜんぶ原監督が悪いというわけではなさそう。ペタジーニをライト五番にせざるを得なかったのは、清原の四番ファーストにこだわりすぎたため。これは原より、むしろ日本テレビやナベツネの押しつけに近い。ペタジーニを四番にしないのは、「巨人の栄光の四番に外様外人を据えるなんて」というOBのチョッカイもある。
 ジャイアンツの監督は、むしろ識見とか采配能力よりも、フロントやOBと闘うだけの戦闘能力が求められる。これはちょっと、昭和初期の海軍大臣に似ている。
 昭和から開戦までの海軍大臣、岡田啓介、財部彪、米内光政、吉田善吾、及川古志郎、彼らはいずれも海軍の理想通りの紳士であり、人格識見共にすぐれていた。しかし唯一足りなかったのは、陸軍を相手に闘う気概に欠けていたことだった。海軍軍人はあまりに紳士であり、あまりに分を守る分別がありすぎた。それがかえって、ごろつきのような横紙破りの陸軍を相手にする際の邪魔となり、けっきょくは陸軍に押しまくられ、陸軍の要求をことごとく通す原因となっていた。
 ジャイアンツの監督も同じことが言える。敵は、倫理や人の道が通用しない、ナベツネや川上・藤田・広岡・長嶋といった連中だ。これを相手にするのに、王や原のような常識人では負けてしまう。長嶋前監督のような、倫理どころか論理も常識も通用しない人間くらいでちょうどいい。将来期待できそうなのは、中畑のように人の言葉を聞く能力のない人間や、江川のようなとほうもなく身勝手で人の言うことを聞かない人間だろうか。
 今後、原監督がバックの要望とどれだけ闘っていけるか。そこにわずかながら、V2の希望がある。

横浜が
 本塁打数23で得点52。現オリックスの山崎選手の2001年、25本51打点に匹敵するソロホーマーっぷりだ。ちなみに当時の山崎の打率は.238。チーム打率.260でコレな横浜の方がある意味すごい。


4月28日(月)

トラッキー異変
 阪神タイガースのマスコットとして親しまれている、トラッキーの中の人が突然交代するという騒動が起きた。
 阪神球団の公式発表では「怪我のため交代」ということだが、スポーツ紙報道によると引責辞任だとか。
 横浜の佐伯とプロレスゴッコをする、選手にじゃれる、バク転する、等のトラッキーパフォーマンスに対しては以前から「選手を馬鹿にしている」「子供の教育に悪い」などの抗議が来たことがあるという。球団も再三注意を与えていたのだが、先日のヒーローインタビューで赤星選手につけヒゲをつけさせた行為で、ついに解任に踏み切ったという。
 しかし抗議はごく一部の人間だけで、圧倒的大多数はトラッキーのパフォーマンスを楽しんでいる。阪神の公式掲示板では、前の人を復帰させる嘆願署名運動が起きている。以前にも阪神球団は安易に中の人を交代させたところ、「今度のトラッキーはバク転ができないのか」という抗議が殺到して慌てて元に戻したこともある。つくづく教育効果のない球団だこと。


5月1日(木)

トラッキー騒動その後
 トラッキーがバク転をしないため、事情を知る阪神ファンのみならず、一般の子供客からも抗議殺到となった阪神球団。慌ててバク転のできる人と差し替え、「ニュートラッキーを見せます」とごまかした。やれやれ、この球団はやっぱ思った通りバカばっかりだったか。それにしてもテレビでちらっと見た程度だが、どうも演技がぎこちないというか、振り付けをまだ覚えていないようで、ラッキーちゃん(トラッキーの配偶者)に助けてもらうありさま。やれやれ。

2003オールスターゲーム ファン投票予想
 ファン投票のページの「ノミネート選手紹介」に出ている選手から選んでいます。それ以外からも選出が可能ではありますし、ムーア(阪神)や加藤(オリックス)など優秀な選手が抜けていることも確かなのですが、基本的にノミネート選手から選ぶ方式(チームと背番号を記入してそれ以外から選ぶことはできますが、そんな面倒なことをやる人間は少数派)ですので。

セリーグ
先発投手
 実力の川上(中日)と知名度の上原(読売)の一騎打ちか。井川(阪神)は不調のため阪神票を固めきらないとみた。
中継投手
 こちらも、実力の岩瀬(中日)と知名度の岡島(読売)の一騎打ちか。現在のポジションを無視してウィリアムス(阪神)に入れる票がどれだけあるか。
抑え投手
 本来ならウィリアムスだが、中継ぎとして登録されているため票が割れそう。これまでの実績でギャラード(中日)と高津(ヤクルト)の一騎打ちか。どちらかが二軍落ちしなければ、だが。てゆーか、ここに登録されている投手は河原(読売)、小山田(広島)、ポート(阪神)、ホワイトサイド(横浜)も含めみんな二軍落ちという可能性もある。すでに三人落ちてるし。呪われたセリーグリリーフ墓場。
捕手
 実績の古田(ヤクルト)と新鋭の阿部(読売)、阪神人気の矢野(阪神)の三つ巴か。
一塁手
 ここも呪われたポジション。登録選手の中で最高打率がベッツ(ヤクルト)の.266。打撃三十傑に入っているのはあと桧山だけ、残り四人のうち三人は一割台、ひとりは試合に出たことがないというていたらく。とても打撃重視のポジションとは思えない。しかもでも結局は清原(読売)が選ばれるんだろうなあ。ペタジーニに投票するアンチ清原票がどのくらいあるのか注目される。
二塁手
 いまひとつの今岡(阪神)を抑えて、元木と激突が有名な仁志(読売)が選ばれるとみた。
三塁手
 呪われたポジションパート3。まともに試合に出ているのは立浪(中日)と古木(横浜)だけ。ベテランと新鋭の対決か。まさか今季絶望の元木(読売)を選ぶほどジャイアンツファンも馬鹿ではなかろう。アリアス(阪神)は片岡にポジションを取られたので絶望的。
遊撃手
 好調の藤本(阪神)か、人気の二岡(読売)か。
外野手
 金本、赤星、濱中の阪神勢にペタジーニ(読売)、高橋(読売)、ラミレス(ヤクルト)、福留(中日)を加えた争い。実力で選べばラミレス、福留、金本(ペタジーニは一塁へいってもらう)なんだが、結果はペタジーニ、高橋、金本なんじゃないかなあ。

パリーグ
先発投手
 人気実力ともに松坂(西武)で間違いなし。
中継投手
 岡本(近鉄)が抑え転向したので、森(西武)で決定しそう。
抑え投手
 豊田(西武)と小林(ロッテ)の争いのなか、伊達(日ハム)が阪神人気でどこまで得票できるか。
捕手
 城島(ダイエー)で確定。
一塁手
 カブレラ(西武)でほぼ間違いなし。
二塁手
 どんぐりの背比べっぽいが、中では井口(ダイエー)がひとつ抜けている。
三塁手
 中村(近鉄)で決まりだろう。小笠原(日ハム)は一塁というファンの固定概念をどこまで払拭できるか。
遊撃手
 松井(西武)でほぼ間違いなし。小坂(ロッテ)は今年も大差の二位に泣くことだろう。
外野手
 順当にいけば和田(西武)、ローズ(近鉄)、谷(オリックス)なんだが、ここに成績では上位の村松(ダイエー)と葛城(オリックス)がどこまで食い下がれるか。あるいは坪井(日ハム)が阪神人気で票を稼ぐか。
DH
 ものすごく地味な面子の中で、ひょっとすると山崎(オリックス)が中日ファン層から得票して選ばれる可能性も皆無ではない。まあ順当にいけば川口(近鉄)か。


5月11日(日)

高波トレード
 抑え失格になったポートに代わる新外国人投手獲得に乗り出した阪神球団。しかし選手枠70人いっぱいのため、これ以上増やすことはできない。そこで西武ライオンズに高波外野手を金銭トレードした。選手を減らしたい阪神と、外野手が淋しい西武の思惑が一致した形。
 高波といえば代走で牽制死するうっかり者として有名だが、もうひとつ、犬が片足あげて小便しているような珍妙な打法でも知られている。パリーグファンは早くも、「上空から糸で吊られて動いているとしか思えない珍妙な投法の吉崎(日ハム)との珍妙対決が見たい!」と盛り上がっている。

あの久保田、一軍初見参
 「頭のネジが一本、いや三本ほどはずれた男」「体重も言動もコントロールできない奴」として有名な、期待のルーキー久保田投手。ついに一軍昇格を果たし、きょうの横浜戦、大量リードの9回に登板した。
 MAX149キロの剛速球と、落ちるかと思って振ったらまったく落ちてなくて空振りするフォークを武器に、2三振1安打無失点と、上々のデビュー。これで手薄な右の中継陣に参入、いやいや藪や藤田を押しのけて先発ローテーションにもと期待は高まる。ああ、早くヒーローインタビューを聞いてみたい。


5月13日(火)

あの久保田、またも快投
 12−2と大量リードの9回、久保田がまたも登板。今回はついに150キロを計測、ノーヒット2三振と完璧に締めくくった。早くも阪神ファンの間では、大量リードの9回に登板する「アホ魔神」として認知されつつある。
 残念ながら今回もヒーローインタビューはなかったが、日曜日のデビュー登板の後にも、「一軍の感想? あんまり長いこと上がれないんでびっくりしましたッス」「初登板で緊張? やっぱしましたッス。今も緊張してますグヘヘ」「149キロ?大したことないッス。150いってないんじゃ意味ないッス」などと豪快なコメントを残してくれただけに、今からヒーローインタビューが楽しみである。

阪神打線のニックネーム募集
 田淵コーチ曰く「猛虎打線というのも、もう何世紀も前の言葉」だそうだ。この人、阪神がいつから存在しているのかわかって言っているんでしょうか。
 とりあえず「つながり」「逆転」「粘り」というものを連想させ、かつ新感覚(という言葉が古いと思う。おまえは片岡鉄兵か)でインパクトのある名前がいいそうだ。とりあえず「つながり」「粘り」で「納豆のシーチキン生姜合え打線」というのはどうでしょうか。逆転の発想で新感覚のメニューだし、エースの井川を連想させるし。インパクト? 生姜を生で囓れば口中にインパクトがあるぞ。


6月4日(水)

月刊MVPに伊良部投手
 伊良部の受賞はロッテ時代以来の七年ぶり。セリーグ打者部門は二冠王のウッズ(横浜)、パリーグは松坂(西武)と小笠原(日ハム)が選ばれた。

新外国人はハービル投手
 投げるボールがどれも高めに浮いて痛打され、リリーフ失格の烙印を押されたポートに代わって、阪神球団は新外国人投手を物色。アスレチックス傘下の3Aサクラメントに所属するチャド・ハービル投手に決めた。ハービル投手は174センチという低身長と、「大学時代に」160キロを投げた「ことがある」「と、言われている」という実にうさんくさい前評判を持つ右の好投手。主に中継ぎとして登板しているが、昨年右肘の炎症で休んでから防御率がガタ落ちしたというのが心配なところ。まだ26歳と若いので、うまく当たれば長持ちするのだがなあ。(と、カーライルの時にも言っていたよなあ……)

 ちょっとこの時事新報もあんまり阪神が好調でネタがなく、お恥ずかしい限りの更新頻度です。次回からちょっと趣向を変えて「2ちゃんねる野球板読み日記」をやっていこうかと思います。ではでは。


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