トラハタ時事新報(2001年10月)


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10月1日(月)

和田豊引退試合
 きょう甲子園球場で行われた阪神・巨人27回戦が和田選手引退試合となった。和田選手は1番セカンドで先発出場。また今日の先発、井川投手は9回を自責点0に抑えれば中日の野口を抜いて防御率トップに立つ。野口を打って援護射撃などとうていできない阪神野手陣も、せめて井川をもりたてようと攻守にハッスルプレーを連発する好試合となった。結局、試合は5−0で阪神の圧勝。
 試合後の引退セレモニーで和田選手の涙ながらの挨拶。「入団1年目に見たあの優勝、あの感激をもういちど、もういちどだけでいいから味わいたい、その思いひとすじで15年間の野球人生を送ってきました」という言葉は深く哀しい。
 しかし今日の野村采配は不可解なことだらけ。せっかくスタメンの和田を最後まで出さずに途中交代させたのは意味がわからない。和田が体力的にもうダメならともかく、ああいう場合は最後までプレーさせるべきだろう。もっと不可解なのは、せっかく8回まで完封していた井川を福原と交代させたこと。最大限に好意的に解釈すると、「ここで無理してトップに立つより、あと1イニングで抜くぞ、というプレッシャーを野口にかけたほうがいい。これで野口は残り試合で登板せざるを得なくなってしまった。F1でいうところのスリップストリーム戦法」というものだろうか。むろん、死ぬほど好意的に解釈して、客観的諸事情にはまったく目をつぶって、だが。
 (特注。私の誤解でした。井川は8回0封でもトップだった。野口が前回登板で失点してすこし防御率を落としていたのを忘れていた。こちらの野村采配は正解でした。すみません)


10月9日(火)

野村監督、ヤクルト優勝へのイヤミ
「ペタジーニ、稲葉、古田、藤井といったチームの幹になる選手を集めてきたフロントの勝利。ウチは枝葉ばかりで幹になれる選手がおらず、歯が立たなかった」(若松監督のことはこれっぽっちも評価しないのね。そして阪神フロントと選手への痛烈なイヤミ。まさに乱れ打ちイヤミ。無差別イヤミ)
「もはや三原さんのように監督で勝つ時代は終わった」(若松監督のみならず自分にまで突き刺さる見事な無差別イヤミ。あなたへの二億円の年俸は無駄金?)
「監督は与えられた戦力で戦うしかない。戦力が足りないとは、監督の立場では言えない」(言いまくっとったやんけ!)

来期体制固まる?
 とりあえず野村監督留任という前提で、来期の体制が決まりつつある。
 松井ヘッドコーチはヘッドコーチから降格。何のコーチになるか不明。たぶん吉本ギャグ百連発コーチではないか。代わって木戸バッテリーコーチがヘッド昇格。あの人にヘッドはあるのだろうか。
 「新庄しか育てなかった」柏原バッティングコーチと「井川しか育てなかった」八木沢ピッチングコーチは退団。新任のバッティングコーチは引退した和田と、西武を退団した平塚が就任する予定。ピッチングコーチは二軍から御子柴が昇格する予定。おいおい、御子柴のピッチングって、特殊すぎて指導できないんじゃないか? みんなアンダースローの120キロピッチャーになったりして……洒落にならん。
 木戸の後任のバッテリーコーチには、二軍から島田宗彦が昇格の予定。
 ……阪神史上でもまれにみるショボい組閣ですな。
 もっともこれ、すべて「野村留任の場合」という前提付き。サッチー起訴ですべてが崩れる可能性は大。そのため外部に迷惑かけないよう、わざと内部昇格とOBのみ起用としたと思われる。
 そのときになって、海軍大臣になれてバンザイ三唱した半日後に内閣総辞職となって笑いものにされた野村大将みたいにならないでね、木戸さん。

戦力外通告、FA宣言も各球団から出てきたが
 いっそ中日をクビになった小池はロッテへ、オリックスでFA宣言した田口は阪神へ、そしてジャイアンツでFA宣言した元木はダイエーに入らないかなあ。入団拒否球団へ入団。みんなで入団の挨拶は「正直、スマンカッタ」


10月19日(金)

来期組閣は着々と
 どうやら本気で野村留任を進めるらしく、つぎつぎと人事が決まっている。大丈夫なのだろうか。
 一軍投手コーチには元阪急の佐藤義則を招聘。同時に葛西が選手兼任で一軍投手コーチになる。どうやら和田のように、葛西も来年で引退させたいらしい。引退のときさんざんダダこねた経験のある佐藤義則が、どう助け船を出すか。二軍投手コーチには近鉄をクビになった湯舟が就任。御子柴コーチとともに「つかみどころのないノラクラ投法」を若手に伝授。平田コーチが新人に勝てない選手ばかり育成した罰で二軍降格になった後釜、一軍の守備走塁コーチには吉竹コーチとともに松山秀明氏が就任。元オリックスのコーチらしいが、誰なんだそれ。

赤星で商売を
 今期のはじめは、「藤田で新庄なみの売り上げができる」と豪語し、数々の太陽グッズが制作されたがすべて倉庫行き。今岡も桧山も濱中も地味で商売にならぬ。ということで盗塁王兼新人王の赤星。すっかりタイガースショップの主役となり、プロマイドや下敷の売り上げトップを誇る。もっとも新庄の半分以下らしいが。
 いっそ「フランコフルト弁当」「ジョニ黒弁当」「漢石井弁当」「小坂のスチール弁当」などのオリジナル弁当で評判を呼んだロッテにあやかって、「赤星弁当」を売り出したらどうか。包みを開くと飯の真ん中に赤い梅干がぽつんとひとつ。ただの日の丸弁当。これで六百五十円。阪神ならやりかねん。

ヘタレスカウト、やっぱり寺原撤退
 19日に日南学園の寺原を訪問し、広島やドジャースとともに寺原争奪戦のトップを切った阪神だが、単に挨拶しただけになった。まともな話もできず、寺原本人に「ドジャースの話の方がわかりやすかった。阪神? もういいでしょ」と言われる始末。
 代わってトヨタ自動車の安藤投手か法政大学の浅井捕手を自由枠で獲得に動く。法政大出身の木戸ヘッドコーチがいるだけに、浅井が有力か。ひょっとして木戸ヘッドは、カツノリのライバルを潰そうと策動する野村監督の押さえ役?

捨てる神あれば拾う得あり
 阪神を自由契約となった井上投手はロッテのテストに合格。野村監督に嫌われて一軍登板はなかったものの、二軍では安定した成績を残しており、使いさえすれば相当の成績を残すと期待されている。千葉出身だし。
 トレード後一年でクビになった酒井投手と「二軍の恐怖」こと中込投手はダイエーのテストを受験。中込投手は一次テスト合格となり、ダイエー若手選手の恐怖は深まった。

貧打解消は進まず(非阪神)
 阪神ともども大砲不足に泣いた横浜。森監督は大砲獲得を訴えるがフロントは動かず。森監督はジャイアンツの清原獲得を訴えたものの、フロントはドラゴンズの山崎獲得に動くと表明。せめて外国人選手は打てる大物を、と思ったが、なんとテストを受けに来たショボイ外人をさっさと獲得。元台湾のグズマン投手と元メキシカンリーグのロドリゲス外野手。優勝したくないのかなあ。


10月22日(月)

毎年コピペで使えるドラフトネタ
 また今年も、立命館大の小川投手獲得を目指す→オリックスに競り負ける→日南学園の寺原投手に方針変更→寺原に相手にされず→トヨタ自動車の安藤投手に方針変更(→日本ハムか読売に競り負ける→日本生命の谷口投手に方針変更→とっくに近鉄が囲い込んでいる→やむなく法政大の浅井捕手を繰り上げ獲得)、というお決まりのパターン。カッコ内は今後の予定。

ついでにコピペのFA戦略
 また今年も、獲得可能性のありそうな片岡(日ハム)を無視して可能性皆無の清原(読売)獲得に動く→直前までおいしいこと言われて「獲得確実だ!」とファン首脳陣大喜び→契約金吊り上げのネタに使われていただけ(→気づいたら片岡どころか、田口もどこかに獲られてた→やむなく山崎(中日)を獲得→当たり前のように働かない→「誰が獲ってきたんやこんなの」とファン大怒号)、というお決まりのパターン。カッコ内は今後の予定。

こっちはまだ望みがもてる入団テスト
 今年も野村再生工場への入団を希望して9選手が22日、テストを受けた。元ヤクルトの三上投手、大山外野手、元近鉄の加藤投手、元オリックスの栗山投手、木村投手、元ロッテの横田投手、小林渥投手、川俣投手、元日本ハムの原田投手。一次テストで三上、大山、加藤、栗山は不合格。残る5選手が二十四日の二次テストへ進んだ。佐藤投手コーチも視察し、「川俣の球はまだ速い。ためしてみたいね」と獲得に乗り気になっていた。なお衰えの激しい八木に代わる代打の切り札として期待されていた藤立外野手(元オリックス)は不参加。逃げられたか。


10月29日(月)

清原やっぱり残留
 当たり前だというか予定調和というか、ジャイアンツの清原はFA宣言せず残留することになった。「憧れだったジャイアンツで野球人生を終えたい」という言葉は本気なのか。「FA宣言して年俸吊り上げの駆け引きをするように思われるのは嫌だった」というのは子分元木への思いっきりのイヤミか。
 阪神はやむなくロッテを自由契約となった石井に接触。江藤にフラれて広沢を獲得した一昨年のコピペとなりそうだ。

安藤はなんとか獲得
 土壇場でジャイアンツにさらわれる確率80%とふんでいたトヨタ自動車の安藤投手であったが、どうにか自由枠で獲得できることが決まった。安藤投手は「自分の持ちダマはすべて自信がある。ジャイアンツ打線と対戦したい」と豪語。野村監督も「間違いなく即戦力。スワローズやジャイアンツの強力打線を抑えるには彼の力が必要」と持ち上げる。こちらは藤田太陽のコピペか。

ケニーと日本球界の絶縁すすむ
 昨年ドラフト6位で入団したばかりの近鉄・金谷捕手が戦力外通告を受けた。彼はケニー野村氏の紹介で入団テストを受けた選手。同じ境遇の阪神・高山選手や近鉄・好太選手もことし戦力外通告を受けており、ケニー氏は「僕と関係ある選手はみんなクビにするつもりだろう」と語っている。残されたのは……ええと、ケニールートで入団した阪神のハンセル投手か……。

入団テストは3人合格
 先日の阪神入団テストを受験した9選手のうち、元日本ハムの原田投手、元ロッテの横田投手、川俣投手が合格となった。
 原田投手は左投げ左打ちの25歳。通算成績は0勝0敗1セーブ。2000年にはチーム最多の58試合に登板したワンポイント左腕。衰えはじめた遠山のサポート役として期待されるが、昨年の登板過多のため今年は一軍登板がなかったのが心配。
 横田投手は右投げ左打ちの34歳。西武での通算24勝の成績をひっさげて昨年ロッテに移籍、先発として期待されたが1勝4敗と活躍できなかった。右のロングリリーフ、谷間の先発として期待されるが、ここ3年間で1勝と、年齢的に心配。
 川俣投手は右投げ右打ちの29歳。191センチの長身から投げ下ろすストレートに威力があるが、スライダー、フォークが決まらず痛打されることが多い。荒削りなところに魅力があるが、そのままで終わる可能性が高いのが心配。


10月31日(水)

クビニンのテーマ

ピクミン

 僕たちクビニン あなただけについていく
 今日も 投げる 打たれる 負ける
 そしてカモになる

 いろんな選手が生きているこの球界で
 今日も 落とす 見逃す 負ける
 そしてクビになる


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