トラハタ時事新報(2001年9月)


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9月2日(日)

さてと、
 そろそろ涼しくなってきたし、阪神の季節ですな。
 ぼちぼち再開しましょうか。
 正直、井川にはすまんかった。
 濱中と桧山には謝らない。あの程度じゃ。

来期阪神を考える
 とりあえず新聞辞令としては、
ドラフト:自由枠で小川(立命館大)に断られたのでを照準におきつつ、寺原(日南学園)の指名も検討。どうせ土壇場で逃げるだろうが。一部ファンは「ダイエーが杉内自由枠獲得を回避して寺原指名へ」という記事を受けて杉内強奪を希望するが、あの阪神首脳にそんな甲斐性があるはずもない。最終的には的場二世の喜多(慶応大)あたりを押しつけられるのではないか。
トレード:坪井、山田、川尻、藪、今岡などをトレード要員に「主軸を打てる野手」「先発できる左投手」を模索。ダイエー篠原、西武垣内、同鈴木健、日ハム西浦、オリ川口、近鉄高村、同武藤などを検討してるだけ最終的には、坪井と高村をトレードして近鉄のV2に貢献しそうな気が。
FA:読売清原、日ハム片岡の獲得を検討してるだけ最終的には、山崎(中日)あたりを高価買い取りしてバカを見そうな気が。
首脳人事:貧打の元柏原打撃コーチは解雇確実。ファンは門田とか田尾とかオマリーとか希望しているが、たぶん野村監督は、自分の監督の座を脅かさないショボい人間を連れてくるだろう。角とか苫篠とか。
新外国人:ハンセルとカーライルは残留。ペレスとエバンスはクビ確実。クルーズは秋季キャンプで最終テストするそうだ。でも残留しても保険が必要。てなわけで野手を二人獲得予定。韓国の大砲、イ・スンヨプや、デトロイト・タイガースのランデル・サイモンが有力という説もあるが、野村監督は未知の大砲より確実な火縄銃を求める方針に転換しそうだ。読売のマルティネス、西武のポール、元阪神のジョンソンを検討。遠山、成本、広沢、カツノリらに飽きたらず、外国人まで廃品回収かい。
 いやー、来年も阪神には期待がいっぱいですね。


9月11日(月)

そろそろ個人成績の話をしよう(数字は9月10日現在)
 打者でめぼしいのは赤星くらいなものか。盗塁29は横浜の石井(23)を抑えてリーグトップ。このまま盗塁王を獲得、規定打席に達して2割8分をキープすれば新人王は確実。
 あとは桧山くらいか。現在規定打席不足ながら3割5厘。このままいって規定打席に達すれば1999年の坪井、矢野以来のベストテン入りになる。
 打率、打点、本塁打などメジャーな分野ではいわずもがな。ベスト5に入っている選手さえいない。
 かつては大豊、桧山、新庄、広沢などが併殺打、三振などネガティブな部門で清原、松井などの読売勢と争っていたのだが、今年はそっちさえさっぱり。三振は矢野の66が最高だが、これでも清原(122)の半分。ま、本塁打や打点は半分以下だから、これでも三振しすぎなのだが。わずかに今岡が併殺打12と気を吐いている(清原は19だが、402打数での成績で21.2打席に1回の計算となる。桧山は318打数だから26.5打席に1回と肉薄している)。むろん、今岡の本塁打、打点も清原の半分にも及ばないことはいうまでもない。
 投手となるとすこしは夢が持てる。井川は防御率2.45で中日の野口の2.32に次いで二位。まだトップ奪取の可能性がある。そうすると、1989年の村田兆治(ロッテ)以来の、防御率トップの負け越し投手が誕生する可能性も膨らむ。
 ネガティブな記録のほうは相変わらず最強である。井川の四球71(二位はヤクルト石井66)、カーライルのボーク2(1多数)、谷中の13死球(二位はカープ黒田8)、などなど、トップが目白押し。中でも谷中は凄い。途中入団で80回2/3しか投げていないので、6.2イニングに一回ぶつけている計算になる。これは二位黒田の18.5イニングに一回の三倍に近い。
 他にもカーライルの68失点(カープ高橋76に次いで二位)、61自責点(高橋69、読売メイ65に次いで三位)、19被本塁打(ヤクルト藤井22に次いで二位)、福原の7暴投(ヤクルト石井10、前田8に次いで三位)、64四球(井川、石井に次いで三位)などなど、まだまだ上を狙える漢たちがいっぱいだ。
 そして忘れてはならないのが最多敗戦。横浜バワーズの12敗を追って、井川、福原、ハンセル、カーライルの阪神カルテットが10敗で急追。ドラゴンズ山本昌、カープ佐々岡も10敗で並んでおり、予断を許さない展開だ。ひょっとすると、井川が最多敗で最優秀防御率という、プロ野球史上初の偉業をなしとげるかもしれない。期待して見守りたい。


9月23日(日)

野村監督続投発表から一転解雇か
 阪神球団が野村監督の三年契約を延長し来期契約を要請する方針を固めたのは7月31日。正式に野村監督に要請し、監督も受諾したのが8月2日。まだヤクルト若松も近鉄梨田も続投が決まっていない段階で、なぜ最下位チームが? という驚きと疑惑をだれもが抱いた。そしてやはり、この続投決定はプロローグに過ぎなかったのである。
 8月上旬の時点では、沙知代夫人の脱税問題はまだ、一部週刊誌の報道する小さなゴシップに過ぎなかった。ところが沙知代夫人の息子、ケニー野村の「グッバイ・マミー」なる暴露本が出版され、数千万円にわたる所得隠しの告発に東京国税局も動きはじめたころから、脱税問題は深刻化する。
 ついに9月11日には久万オーナーが「もしもの時には、運がなかったと思ってくれ」と、一転して起訴=解任をほのめかす発言。9月17日には野村監督自身が「起訴にでもなれば、クビになってもしゃあない。阪神やからな」と諦めたかのような発言。
 9月19日に行われた阪神電鉄役員会では、球団は進退問題については静観する方針を固めた。静観といっても「事態の進展を見守る」という意味。野崎球団社長、久万オーナーともに、脱税問題で社会の批判を浴びた場合は野村監督切り捨てもやむなし、との態度を明らかにした。
 ところが球団はまたも態度を一変。9月22日に野崎社長と野村監督の会談が設けられ、その席上で野崎社長は「野村監督に来期もお願いしたい。後任は考えていない」と断言したのだ。
 しかし「沙知代夫人の脱税を前提とした話はできない」と含みをもたせた談話もあり、この会談自体、久万オーナーと野崎社長の権力闘争の一環として野村派と反野村派へ旗幟を明らかにしたにすぎないという意見もある。
 まるで新日本プロレス東京ドーム大会の小川VS藤田戦をめぐるドタバタ劇のように、まったく先の見えない展開。トップが無能だと事態が紛糾するという好例か。まだまだ状況は予断を許さない。

イランイランと回教徒じゃあるまいし
 今年FAで横浜、阪神が獲得に乗り出していると噂されるジャイアンツ清原に対し、阪神の久万オーナーは「打つだけの選手で、甘やかされ過ぎてチームリーダーにはなれない選手。阪神にはいらん」と獲得を否定。田宮OB会長までも、「選手は自前で育てるもの。片岡とか清原はいらん」と同調。またエクスポスを解雇された伊良部投手についても、野崎球団社長は「獲得は考えていない。酔っぱらいはいらん」と無視。さらに来期の外国人選手獲得の調査に渡米していた三宅編成部次長も、米国テロを口実に帰国。いまのところペレス、エバンス、和田、川尻と消えて行く選手のメドだけが立っている状態である。
 そのバチが当たったのか、ドラフト一位指名が濃厚な寺原投手(日南学園)からは、「希望球団の中に阪神は入っていません」と言われてしまう。「阪神はいらんわ」と言い返された阪神球団の明日はどっちだ。


9月27日(木)

早いねどうも
 阪神でパッとしなかった(しなくさせられてた?)北川選手が代打逆転サヨナラ満塁釣り銭なし優勝決定ホームランなんて凄いことをやって盛り上がっている中、ひっそりとユニフォームを脱ぐ監督が。
 まずオリックスの仰木監督。これはまあ、前から決まっていた。後任は元西武の石毛が有力。
 そして中日の星野監督も。一昨年優勝、昨年も優勝争いしたというのに、一年だけ低迷しただけで辞任するとは、なんとももったいない。後任は山田投手コーチの昇格で決まりらしい。ジャイアンツが欲しがっていた山田をもっとも効果的に封じる手段でもある。
 そしてなんと、きのうまで激しく優勝争いしていた西武の東尾監督までもが。97、98年には連続優勝し、昨年、一昨年もダイエーにもっていかれたとはいえ優勝争いに加わり、強豪チームであることは間違いないというのに。三年優勝できない監督は去れ、そういう厳しい戒めなのでしょうか。
 などと書いていると、「三年……だったチームの監督はどうよ」「三人が辞任、それはけっこう。で、もうひとりは?」などと言われそうなのでこれまで。
 ところで、星野監督の談話なんだけど、「タイミングの問題だが、またユニホームを着る可能性はある。それが他のチームのユニホームで、中日と対戦するケースが出てくるかもしれない」っていうのが意味深長な気はしない?


9月28日(金)

もう誰にも止められない
 この監督退任ブーム。ついに前年度日本一、ジャイアンツ長嶋監督も今シーズンの優勝が絶望となり、シーズン終了後の退任を発表。現時点で発表したのは、ヤクルトの優勝を盛り下げることが目的と思われる。後任は「カリスマのない長嶋」こと原ヘッドコーチ。もうだめだ。また「それは結構。もうひとりはまだかね」と言われてしまう。

さりげなく戦力外
 阪神は28日、中込、吉田豊、酒井、井上、奥村、星野修、寺田、高山の8選手に戦力外通告した。ううむ、中込や星野はトレードで売れると思ったのはひが目じゃったか。それにしてもウェスタンで防御率トップの井上、岡田二軍監督ご推薦の高山がクビになるというのは、岡田を絶対一軍の監督にしないという決意表明であろうか。しかし高山はケニー枠で獲得した選手だから、これは野村一族との絶縁表明でもある? とすると残された道は上田か星野の監督就任?


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