トラハタ時事新報(2000年2月)


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2月2日(水)


野村監督・今日のイヤミ(1日)
(外国人選手五人を五千メートル走に自主参加?させて)「普通の外国人は拒否するもんなんだが、黙って走っていた。やり方が汚いかも知れないけれど試してみたんだ」(どうもノムさん、どこまでやったら外国人選手が怒り出すか、試しているようです)
(実戦重視のキャンプ)「実戦の中で正しい評価をしていきたい。練習を軽視するわけではないが、練習横綱がいるからな……」(それ、大豊へのイヤミですか?)

十二球団が一斉キャンプイン
 阪神は高知県安芸でスタート。今年は野村監督の風邪もなく、新庄の投球練習もなく、落ち着いた、というか、見捨てられた環境でのんびり。新外国人のバトルはサク越え三本、タラスコは一本と、これも可もなく不可もないぼちぼちの出来。マルティネスに酷似しているため不安視されていたバトルの三塁守備についても、「まずは合格点。昨年のブロワーズと比べると大丈夫」(野村監督)との評価。あまりに静かなのでネタが何もない。困ったもんだ。いや、まあ、トラブル続きよりは良いか。
 ちなみにキャンプの初リタイアは、人命救助で評判になった近鉄の酒井投手(ぎっくり腰)とソープで評判になった読売の河原投手(風邪)。読売の元木選手は、四年連続リタイアの大記録を作れるかどうか注目されている。


2月3日(木)


 どーでもいいけど、「長嶋監督がいつコートを脱ぐか」などと追っかけている記者どもは、たぶんプロ野球なんてこれっぽっちも好きじゃないんでしょうね。邪魔だから消えてなくなってくれ今すぐ。パパラッチよりうざい。

野村監督・今日のイヤミ(2日)
(大豊リタイアについて)「大したことないって言ってた」(それは、大豊の症状が大したことないのか、大豊リタイアがチームにとって大したことじゃないのか、どちらですか?)

因果は巡る(デイリースポーツ)
 昨日酒井と河原を笑い者にしたツケが来たのか、さっそく川尻(太股の張り)、中込(腹痛)、大豊(ふくらはぎ痛)の三ベテランがリタイア。野村構想のエースと四番とローテーション投手がいきなり消える厳しい展開となった。ちなみに他球団では読売・斉藤が左ふくらはぎ痛でリタイア。読売の木村も人知れずリタイア。元木はまだ?

吉野は大丈夫か?(デイリースポーツ)
 キャンプイン早々「制球が素晴らしい!」「山本昌二世だ!」と好評の吉野は、初日百一球、今日も百球を投げ込み、早くもマメを潰して血染めの投球。潰れたマメが固まってからが本番とはいうものの、こんなハイペースで大丈夫かいな。

広島のウルソーが赤子を泣かす(日刊スポーツ)
 広島キャンプでは新外国人のウルソー投手が好評。サイドから活きのいい変化球を投げ込み、「遠山と田村を足して、威圧感を加えたような感じ」(達川監督談)と絶賛モード。ちなみに、威圧感とは球速でも身体の大きさでもなく、その顔。まあ一度見てください。眼が怖いです。小川よりもキモよりも怖いです。幼女三十人くらい殺している眼です。子供が見たら泣きます。


2月7日(月)


査定説明会は大モメ(日刊スポーツ)
 昨年から意味不明の査定で藪や遠山を怒らせたり、途中から査定方法を見直して藪をさらに激昂させたりしていた査定の方法について、六日、石田管理部長から選手に対し説明会が行われた。ところが二時間十分の長時間にもかかわらず、肝心の査定基準についてはまったく説明無し。さらに石田部長は「査定ミスと言ったことはない」と開き直る有様。山田選手会長も「得るものはなかった。納得できない。また冷静になって、話し合いの場を持つ必要がある」と呆れ顔。新庄に至っては欠伸連発で、どうやら開始後三十分以降は熟睡していたらしい。「もはや全選手が契約更改をやり直すしかない」(プロ野球選手会事務局・松原事務局長代理)とまで言われる状態に改善はあるのか。

福原、金沢らリタイア(デイリースポーツ)
 先発に転向し、軸と期待された福原は、二日のランニングで右膝を痛め、五日から二軍送りとなった。金沢は五日から右肘に違和感を訴え、関節炎と診断され二軍落ち。ええと、これで先発の軸三人、四番、期待の新鋭一人……。そういえばキャンプで頑張ってるのは、去年の契約更改と関係のない移籍組と新人と外人ばっかりだな。やはり査定にわだかまりがあるのか?

棚からぼた餅(日刊スポーツ)
 右足故障の大豊は症状が意外と重く、いまだにランニングも行えない状態。復帰のめどが立たず、下手をすると開幕に間に合わない可能性すらあるため、急遽広沢が一軍昇格。場合によっては「開幕四番・ファースト」の可能性もある。もっとも広沢も肩と右足の故障が完治していないため、ひょっとしてひょっとすると「四番・ファースト八木」の可能性も……。


2月19日(土)


野村監督・今日のイヤミ(18日)
(対長嶋の抱負を語って)「あちらは勝って当たり前という環境ですから。私はヤクルト、阪神と、何も失うものはない『弱者の戦術』なんです。失うものがないから、思い切った作戦がとれる」(友人は何人も失ったご様子ですが……)
(打線について)「決まっているのは一番坪井だけ」(的場の打撃には愛想を尽かしたらしい)
(新戦力について)「的場はショートで使えます。タラスコも守備は大丈夫」(おいおい、的場リタイアやんけ!)

今日までの落伍者
 大豊 左ふくらはぎ故障 17日に打撃練習を再開も合流は未定
 新庄 早ければ24日に一軍キャンプに合流
 星山 11日に右腕骨折で今期はほぼ絶望
 関本 右腓骨筋腱脱臼の手術を受け、全治3〜4ヶ月
 福原 2日の練習で右膝を痛め復帰は未定
 金沢 右肘を痛め二軍落ち
 的場 左脇腹痛でキャンプ中での復帰は微妙
 田中 9日に左足内転筋負傷も19日の紅白戦で復帰予定
 竹内 12日の紅白戦で二回五失点。おまけに臀部に痛みを覚えリタイア、復帰は未定
 上坂 15日の紅白戦で左足親指裂傷
 新井 15日の練習で両足すねに痛みを覚えリタイア
 カツノリ 17日の練習で左膝打撲だが翌日から復帰。15日には走塁ミスで井原コーチに蹴られる
 吉野 13日紅白戦で三回四失点
 井川 13日紅白戦で二回二失点
 与田 17日紅白戦で広沢に本塁打浴びる。球威、制球ともになし ストッパー失格の烙印
 中込 17日の紅白戦で三回六安打二失点とさんざん
 バトル 安打は出るが極端な引っ張り打法。17日の試合ではエラー、走塁ミスなど重ねる
 ミラー フリー打撃に登板も投球の半分がボールという惨状
 ラミレズ フリー打撃に登板も投球の半分がボールという惨状。雪が降る中を半袖シャツで踊り狂うなどメンタル面にも問題あり
 ハンセル フリー打撃に登板もケージを超える大暴投や打者の背中に投げるなど大惨状。バントも下手で井原コーチに怒鳴られる

坪井、若手を叱る(デイリースポーツ)
 的場のリタイアでタナボタ式に転がり込んできた一番復帰で燃えてきた坪井が休日返上で特打ちにやってきた。ところが同じく休日出勤はカツノリ、平尾、高山だけ。呆れた坪井は、「若手は何やってんですかね。言われた練習だけやっているなんて淋しすぎる。上に上がる気があるんですか」と苦言。休日皆勤はカツノリだけだそうな。結局カツノリが一番マシなんじゃないですか。やれやれ。

消去法でタラスコ
 四番を目指さないす男達の闘いはますます熾烈。まず大豊が足を痛めてリタイア。まだ復帰のめどすらついていない。バトルは安打こそ重ねているものの、引っ張り専門で穴が多い。おまけに守備は下手。広沢も本塁打は出たが、相手が与田。全盛期の力はもう無いと見切りをつけられた。かくして猛虎四番は、消去法でタラスコに決定。やれやれ。

ストッパー不在(日刊スポーツ)
 ハンセル、ラミレズのノーコン病、与田のKOでストッパー候補総崩れとなった阪神。福原を復帰させようとしてもリタイア。やむなく田村、伊藤、遠山ら中継ぎをフル回転させ、とりあえず目先を変える方針を打ち出した。しかし、こりゃシーズン終盤でリリーフエースが倒れたときにやむなく打ち出す案だよ。最初からこれじゃ、中継ぎ五月中に倒れること間違いなし。ああ、早くも阪神ファンのシーズンはお終いか?


2月20日(日)


野村監督・今日のイヤミ(19日)
(広沢について)「不器用なタイプだと言うから、それなら不器用に徹しろ!と教えた。巨人で苦労させられたのが人間的成長につながった。年齢のわりに肉体が若い。佐々木なんか広沢より若いのに若さがない。天性だけでやって来た人は衰えが早い」(去年の今頃、あれだけ褒めちぎっていた佐々木ですが……)
(濱中について)「彼の打席を見るといらいらする。いいものを持っているのに何やってるんだろうかと。ワシの育成が悪いのか、去年より悪くなっている」(この人も去年の今頃は褒めちぎられてましたが……もはやレギュラー獲りは夢のまた夢か)
(坪井に)「打力とは二塁まで行く能力だ。単打しか打てない人は盗塁しないと」(誰が決めたのだろうか)
(チャンスで三振の今岡に)「一死二三塁、カウント0−2。今岡はこの場面でストレートを狙う。投手がその場面で真っ直ぐを投げるわけがないのに。チャンスはあっという間に失ってしまう。人生と同じ」(もはや野球人生すらも見限られかけていますゼブラ君)
(高山について)「体力的にはファームのナンバーワン。筋力、柔軟性、すべてトップ」(走力は? それに背筋力は新井がナンバーワンじゃなかったっけ?)

今日の落伍者
 塩谷 左膝靱帯挫傷で三日ほど別メニュー
 藪 紅白戦初登板も単調な投球内容で三回六安打三失点

ハンセルは先発?(デイリースポーツ)
 ハンセルが紅白戦で来日初登板。最高球速一四六キロの速球を中心に、三回を広沢の本塁打一失点に抑える好投。それはいいのだが、本塁打を打たれた途端、カッとなって佐々木に四球を与えるなど、プレッシャーに弱い性格を露呈。抑えにはどうも向きそうにない。ああ、与田がダメなら、部坂がなんとかリリーフに成長してくれないものか。


2月21日(月)


野村監督・今日のイヤミ(20日)
(バトルについて)「よくわからん。太りすぎで動きが鈍いんだけど一生懸命やっている。無口でおとなしく、チームに迷惑をかけることはないんだけど、もうちょっと喋ってくれないと、何考えてるのかわからん。あいつが『OK』以外の言葉を喋るのを聞いたことがない」(どうも阪神の外国人は、無口でおとなしいのか、やたら悪口を喋り散らすか、どちらかのタイプしかいない。監督の態度にも責任あるのでは?)
(打順について)「一番坪井だけ確定。二番が難しい。今岡はダメ。ノーアウト一塁、サインは出ていない。そんなとき、今岡は初球を凡打しちゃう。相手の様子を見るとか、自発的に待つことができない」(できないでしょうねえ)
(ストッパーについて)「先発候補が急に増えた。両外国人がいい球を投げている。湯舟の復帰も大きい。速球派の福原も先発で使いたい。藪を最後に持っていけばどうだろうか。力のある投手だから一イニングくらいは」(一発病さえ出なければねえ)
(帽子を黒に変えたことについて)「白い帽子はどうしても弱く見える。今年は黒が流行色。それに虎が暴れる年だ」(阪神も横浜、ロッテに続いて蝶野のT2000入りか? それにしても虎が暴れる云々は、今ヤバ過ぎる話題です。薬殺されますよ)

今日の落伍者
 和田 あ、怪我してたんですね。気づかなかった(和田ゴメン)。21日から紅白戦復帰。
 的場 脇腹痛も回復し打撃練習を再開したが大学の単位を二つ落としているため22日に追試のため離脱

中込「神様フォーク」を伝授(日刊スポーツ)
 安芸キャンプを見学に来た「フォークの神様」杉下茂氏から、野村監督がフォークの投げ方を教わり、それを中込に教えたそうだが、なぜそんな伝言ゲームみたいなことをするの? 直接中込が杉下氏に教わりゃいいじゃん。よくわからん。


2月22日(火)


 なんか曽我部がレフトで紅白戦に出ていたそうなんですが、もう捕手転向、辞めちゃったの? ノムさん、飽きちゃったの? それとも中谷の復活とカツノリ獲得で用なし?

今日の落伍者
 部坂 背筋痛で練習取りやめ(ああ、五イニング無失点だったのに……)
 大豊 左ふくらはぎ内側に新たな痛みを覚え、復帰はさらに遠のきそう

中谷が実戦復帰
 21日の紅白戦で最終回の一イニングを守り、打者三人を無難に抑えた。九ヶ月ぶりの実戦。視力は0.06から回復していないものの、打撃、捕球共に球が見えるようになり、「もう普通にやれます」と本人は復活宣言。めでたい。

オリックスも二軍チーム名称変更(日刊スポーツ)
 横浜の二軍湘南シーレックスに続き、オリックスも二軍名称を一軍と変えることを発表した。穴吹工務店とスポンサー契約を結び、「サーパス神戸」と名乗る。サーパスとは同工務店の販売するマンションの名称だそうな。ユニフォームにも同工務店のロゴを入れるそうで、これは体のいい身売りじゃないかとか、なぜ穴吹なんだそのうち南海にされちゃうんじゃないのかとか、関西ではCMで有名な「あなぶきんちゃん」なる赤ずきんのパチモンのようなユニフォームを無理矢理着せられちゃうんじゃないかとか、あのCMのように「実際の試合は人間の選手が行っております」などと注意書きがつくんじゃないかとか、若手選手にいらぬ動揺を巻き起こしている。既に紅白戦ではサーパス効果が爆発。ルーキーの葛城は本塁打を放ち、同じくルーキーの岩下はイチローを抑え、やはりルーキーの山口は四回を無失点に抑え、口々に「サーパスにだけは行きたくない」と訴えていた。いっそのことどうでしょう、阪神もチンタラ若手にカツを入れるため、二軍を「鳴尾浜デビラーズ」とか恥ずかしい名前のチームにして、コシノミチコデザインのユニフォーム着せて、サチヨ総監督で野球やらせたら。目の色変えて一軍定着を狙いますよ、みんな。


2月23日(水)


きみたちだめすぎるよ
 紅白戦で投手が好投。ラミレズはカーブ、スライダー、カットボール、ムービングファーストボールを織り交ぜ、投球フォームもその都度変える変幻投法で二回を完封。前回ノックアウトの与田も二回をノーヒットに抑え、前回のリベンジ。
 しかしこれは、どうやら投手陣の好調よりも打撃陣の不甲斐なさを示しているようだ。ラミレズはMAX142キロ。与田も139キロ。完璧に抑え込まれるような早さではない。さらに、中込は二回を無失点ながら、「投げ急いでしまった。ぜんぜん納得していない」と反省。新人の窪田も二回を無失点に抑えながらも、MAX134キロと球の伸びはいまいち。「コントロールもスピードもまだまだです」という投手に抑え込まれるということは、打撃陣がだらしないからではないか。
 とにかくタラスコと広沢が打たなくなったら、さっぱりなんだから。これじゃ今年も、貧打で十何連敗の惨状を見てしまいそうだ。大豊と新庄が出てくるまで待つつもりですか、きみたち?
 日刊スポーツによれば、紅白戦四試合でエンドランを試みたのは九回、そのうち成功はわずか一回。平尾、田中、高波、今岡など、小技をきっちりやらなければならぬ人間が、エンドランのサインで三振やフライばっかり打っているのだ。大きいのが打てないくせに雑なバッティングで三振凡打の山を築く。きみたちだめすぎるよ。何を練習していたんだい。二軍でお山の大将になるつもりかい。そこそこ人気もあるし、バレンタインにはチョコも貰えるし、いい身分だね、きみたち。トレードにでも出されないと目が覚めないのかい、きみたち。他球団に行ってから「こいつ、どんな教育されとったんや」と呆れられてからでは遅いんだよ、きみたち。中日の吉原捕手のように。


2月25日(金)


今日の落伍者
橋本 紅白戦に登板し一回で六失点、あまりの連打に頻脈となり昏倒して病院送り
井川 練習中に打球を左上腕部に当て打撲、オープン戦登板を中止

ハンセルはリリーフ失格(日刊スポーツ)
 紅白戦の五回表、橋本があまり点を取られ過ぎるので気が遠くなってマウンド上で昏倒。代わりの投手がおらず、やむなく四回裏から登板したハンセルが投げることになった。ところが表裏投げるという、このわけのわからない阪神野球に戸惑ったのか、四球を連発。挙げ句の果てに今岡を「早くバッターボックスに入れ!」と怒鳴りつける。あまりにも妙な登板で同情の余地もあるが、ハンセルは緊急登板があるリリーフにはまったく向いていないことがこれで判明した。それにしてもノムさん、控えの投手くらい用意してくださいよ。

査定問題はとりあえず和解(日刊スポーツ)
 「ミスがあったと言った」「そんなこと言ってない」と水掛け論になって泥沼化した査定問題。24日、全選手と石田管理部長の二回目の会合が持たれ、この席で石田部長は「一部の選手について担当者のミスがあった」と認め、とりあえずの和解。山田会長も「すっきりした。これで野球に専念できる」と発言したのみで、その一部の選手の契約更改をやり直せとかその選手の名前を公表しろとか当然にしてヤバい問題については触れなかった。そういえば貴方、全然キャンプで目立ってなかったよね。
 されど査定ミスについてはまだ問題が残るため、今後は週に一回、査定について選手に報告することが義務づけられた。まあ、拘束衣を着せられたようなものか。いっそのこと選手同士で査定し合うというのはいかがなものか。

類は友を呼ぶ(サンケイスポーツ)
 24日、宮崎市内から「ミスターのもとに行ってくれ」とタクシーに乗り込んだ男がいた。運転手が読売キャンプ地へ連れていくと、男は金も払わずふらふらと歩き出す。運転手が引き留めると、「おれは神だ」「ミスターに言いたいことがある」などと喚きだし、打撃練習中のグラウンドへ駆け込んだ。そこで原コーチの横に立って腕組みし、「やはり四番は松井」「外野守備をもっと大切にしろ」「リリーフエースを作らねば」などと説教しているところを警察に取り押さえられた。原コーチは「どっかの解説者だろう」と、監督のもとで生活しているうちに正常と異常の判断基準が狂ってしまったかそれとも天性のものか、まったく気づかなかったらしい。監督とコーチではない方の異常者は事情聴取にもニタニタ笑うのみでいっさい返事はなし。
 また同日、練習に向かう槇原投手の帽子を子供が奪って逃走。なぜか近くにいたプリティ長嶋が、ミスター仕様の自転車で追いかけ捕まえた。槇原は「警察を呼べ。あれは窃盗犯だ」とおかんむりだが、子供は長嶋監督に捕まえられたと思いこんではしゃぐ有様で、槇原に「お前こそ給料泥棒だ」と言い返したとか。


2月27日(日)


野村監督・今日のイヤミ(25日)
(今年のキャンプの方針について)「去年は私の言うことを選手が消化しきれず、サインプレーや技術的なことがうまくいかなかった。今年は実戦形式でそこがよくなった」(あの守備走塁打撃のミスはなんだったんですか?)
(オープン戦の方針について)「最初は若い選手をどんどん使ってみたい。後半はペナントを睨んでベストメンバーで行く」(佐々木や桧山が若手ですか? あ、そうか、ベストメンバーじゃないからか)
(坪井の打順について)「三振が少ないし、理想から言えば二番なんだが。ただチームでは数少ない三割バッターだし、ある程度自由に打たせた方がいいと思って一番、もしくは三番も考えている」(理想……ですからね。全盛期の和田を無駄使いしたように、坪井も無駄使いしそうです、阪神は)

オープン戦速報阪神その他(早くないわい!)
阪神3−8西武
 一回の表、坪井安打、田中が送って、広沢タイムリーというこれ以上ない効率的な攻めを見せた阪神だったが、その裏期待のビッグマウス吉野があの球威では阪神打線はともかく他の十一球団を抑えられるはずもなくあっさり二点取られ逆転されると、あとはいつもの阪神。七回以外の全イニングに安打を放ちながらも得点は星野と桧山のソロの二点のみという、どうでもいいところでしか打たないというこの上ない安全パイ打線の真価を見せつけた。さらにエラー、走塁ミスも再三繰り返し、キャンプの成果を見せつけてくれた。馬鹿ですかきみたち。
 いっぽう投手陣は、与田と藤川がノーヒットに抑える活躍でえっ?まさか!と期待させるも、ここで部坂がきっちり締める。ちょっと期待させておいて大落胆させる阪神の伝統を守り、五イニング連続無失点が嘘というよりあれ阪神打線相手の成績でしょという感じで西武打線の餌食になって二点献上。最後に登板した杉山は通用するはずがないというか野村監督の引導ですかもうこれ以上チャンスを与える必要ないですよねというくらいの滅多打ちで四点献上。今年もファンの胃潰瘍拡大は必至なので皆様は健康保険の払い込みだけは忘れないように。まあいいや、どうせ今日のスポーツニュースは松坂しか撮さないだろうし。

広島9−7読売
 広島期待のドラフト一位、河内が二度の怪我でリタイアしたところで孝子出現。その名は苫米地鉄人。その名の通り広島の地獄キャンプを克服し、ついにオープン戦登板。球速は百三十七キロ程度だが、スライダーのコントロールがよく、フォークが低めに決まるとかなり活躍しそう。読売の松井、清原、高橋を抑えきったあたり、度胸も満点。ただし素晴らしいものを持つというより、若いのに完成された投手という感じか。もっとも読売は全員四番打線ですから緩い球を大振りさせれば勝ちなんですけどね。


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