犬まるだし

 わんわんグルメを人間に投与すると「ミカはけづやが5あがった」と表示されるんだが、どこの毛なんだ?

 メタルマックスのシリーズは、別名「動物虐待ゲーム」とも呼ばれている。
 もっとありていに言う人によると、「犬撲殺遊び」となる。
 なにしろ人間が戦車に乗ってようやく対抗できる敵に、犬は生身で立ち向かうのである。
 いちおう身体にプロテクタは装備するが、そんなものは一撃で破壊される。戦闘中に新しいプロテクタを装備することはできないから、二発目で予定された死(アポトーシス)を迎えるのである。
 どのくらい確実な死かというと、かつてゲームのFAQに、このようなやりとりがあったほどである。

Q:ラスボスとの闘いでポチ(犬の名)が死んでしまいます。どうすればいいでしょうか?
A:あきらめなさい。

 かつて、「メタルマックス2」では、犬は殺し放題であった。
 文明を崩壊された大破壊ののち、忘れられた街で、犬たちはひっそりと寄り集まって生きのびていた。
 そこに現れたのが兇悪なるハンターである。
 ハンターはわんわんグルメで犬を手なずけ、街から連れ出し、戦闘の手助けをさせるのである。
 ほぼ生身の犬は、平均余命がほぼ二十分であった。
 一頭のみを除いてミンチ博士は犬を蘇生させてくれない。
 たちまち犬の街には卒塔婆がずらりと並ぶことになり、街には生物の影すらなくなり、ハンターはオフィスで「犬殺しさん」という称号で呼ばれることになるのである。

 今回も犬の季節である。
 イーストゼロの南の森の中に、謎の遺跡があると聞き、としぞうとミカは探索にでかけていった。
 またヘッケルとジャッケルが出没していたが、それはどうでもいい。
 犬たちは生命維持装置と称するものに封入されていたが、その姿はどうみても電子レンジ犬であった。
 今回は四頭しかいないらしい。その中からどれか一頭を選ぶしかないらしい。柴犬とセントバーナードと土佐犬と、白黒で目つきのおかしい犬。チワワがいれば「チャミー」と名付けてやろうかと思っていたのだが、残念ながらいなかったので、目つきの変な犬にする。
 名前だけは「ベルナール」などとまともそうだが、あとは全部ヘンだ。こやつは目つきがイッてるだけでない。その目からビームを出すこともできるし火を吐くこともできる。背中に槍をしょって街中をうろうろしているのを見ると、まともな犬とは思えない。
 家に帰って妹に見せてやったら、「きゃー、かわいいワンちゃん! かわいいボストンテリアだね!」と喜ばれてしまう。こやつを可愛いと思うセンスも問題だが、本当にボストンテリアがこんなのだったら、私は積極的に絶滅に貢献したいと思う。

 さすがに前作の反省だろうか、犬がそれほど死にやすくないのがなんとなく残念である。

 きょうの称号。としぞう:ゆうしゃ。ミカ:メカニック小町→メカは友達。ベルナール:謎の犬。


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