いいかげん戦車

 サントラCDの、賞金首が出てくるときの曲と、イリットの家の曲は、やっぱりええなあ。変にアレンジしていないところがいい。
 そういえば昔のメタルマックスは漫画家の山本貴嗣がデザインしていたんだよなあ。たしか高橋留美子あたりと一緒に、劇画村塾とかに描いていたような気が。あの人の漫画って、ヒーローもヒロインもなんか生身っぽい感じがして好きだったんだが、いまは何をしているのやら。

 などと懐旧にひたりながらジャンク山をバギーでうろつく。
 山のどこかに大砲が落ちているらしいのだが、どうにも見つからない。変な山がうごめいていると思ったら賞金首のスカベンジャーだった。まずい。大砲なしではやられるかと思ったが、副砲でごりごりHPを削り、長期戦を制してなんとか撃破。こいつを倒して、称号が「ヒヨッコ」から「ようやく一人前」に昇格しました。それはいいとして、ハンターオフィスに報告するより前に「よう、賞金首殺ったんだって?賞金でなんかおごれや」とメールしてくる親爺はいったいなんなんですか。そんな暇と情報収集網があったら、さっさと嫁に連絡しろよ。
 賞金首のさらに先で、37ミリ砲をみつける。遅いよ。さらに先に金庫があったのだが、パスワードがわからず開けられない。自宅の電話番号や和田の通算安打数など入力してみるが、やはりだめだ。やむなく断念する。

 ジャンク山は制覇したように思えるので、ワールドマップに出てみる。次の町、ニューフォークに行ってみようと思うのだ。町の外は、砂漠にハイウエイの残骸が点在するという、メタルマックスでは見慣れた光景。機械のバケモノやミサイルを発射するヒマワリなど倒しながらうろうろ進む。それにしても今回はワールドマップが広いぞ。また迷う。うろついているうち、どこかのトレーダーキャンプとやらで人狩り隊とやらに出会う。あっさり負ける。死去。メタルサーガでは死体むきだしはやめたらしい。イゴールに棺桶に運ばれて、ミンチ博士の電撃で復活。それはそうと、東京ではメンチ博士と呼ぶのかしら。

 バギーがどこにあるのかよくわからないのでリセット。今度は人の話をよく聞いて、ちゃんとニューフォークに向かう。ガレージに入ったら、いきなりタミオさんが話しかけてくる。をい、タミオさんって、ハゲのチョビヒゲ親爺かい?! まるで加藤茶ではないですか?! ここはクレイジー映画だぜ、ドリフターズはお呼びでないよ?!<違います。
 このハゲ親爺にもちょっと可愛い眼鏡っ娘のメカニッ娘が存在する。なんか、としぞうと幼少期に約束があったらしい。いきなり選択肢が出てきたので、とりあえず結婚を申し込んでみる。「うん、わかった。じゃいいよ」とか、えらくものわかりのいい娘だ。
 ……やっぱトラップでした。なぜか基地外博士の媒酌で晴れがましい結婚式。「こうして、としぞうとミカは結婚しました。ミカは義母のニーナに弟子入り。としぞうはガレージの若旦那としてしがない一生を終えました」とのナレーションとともに、感動のフィナーレ。ゲームオーバー。ああ、このゲームにはこの先いくつのトラップがあることか。またリセットだ。

 これを読んでいるとしぞう君。ここはぜひ心して耳を傾けてほしい。
「ミカはかわいいかもしれないが、あの一家は親爺がハゲ、お袋はデブ、兄貴は怠け者と、悪い遺伝子が満載であるぞ」
 と、一言いっておきたい。

 きょうの称号。「ヒヨッコのとしぞうさん」→「ようやく一人前のとしぞうさん」


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