2004年9月13日:パジャマと小悪魔

 今日はとりあえず、前回も行ったラムで未鏡さんと待ち合わせ。今回はメイド服でした。
 どちらかというとこの店は、チャイナとかコスプレ調よりは、正調メイド服のほうが似合う店員さんが多いと思います。「御主人様、お帰りなさいませ」「行ってらっしゃいませ御主人様」のセリフもメイド服の方が似合うしね。
 前回もそうだったけれど、未鏡さんは今回も「小悪魔の生ビール」という名前に負けて夕方からビールを飲んでいました。

 そして次なる店は、ウィッシュドール。中央通りをてんやの先で右に曲がり、廃業したんじゃないかというようなビルが並んでいる一角の二階にあります。かなり老朽化したビルにあり、水道管が破裂したため休業したこともあり、ひどい人にかかると「メイド・コスプレ喫茶界のWJ」とまで呼ばれるほどの存在です。
 たしかにビルはひどい。ぼろぼろと崩れそうな外壁、狭くてところどころひびわれのある階段、その中腹に意味もなく大鏡があるのも怪しい。店に入っても、店員らしき人がいない。出直そうかと思ったらパジャマ姿の女の子が寝ぼけながら出てきました。これは私たちが悪いので、勢いよくドアを押すとドアベルが鳴って店員を呼ぶ方式になっているのに、そっと押したために鳴らなかったのですな。
 別に店員も寝ていたわけではなく、今日はパジャマパーティだったのです。ピンクの水玉のパジャマ。足元がスリッパでなく靴なのがちょっと不調和ですが、まあ、よしとしましょう。
 店の中も、「学園祭の模擬店みたい」と形容されるとおり、殺風景な壁にチョークで落書き、そしてちょっとがたつくテーブル、パイプ椅子。冷房がついているのかいないのか、なんとなく暑い。天井が妙に高いのも、高級感とは逆の雰囲気をかもしだしています。そういうチープな雰囲気で勝負しているようです。
 未鏡さんは「えみりのスウィートミニデビル」とかいうカクテルを、名前に負けて注文。パジャマの女の子がシェーカーを振っている姿はいいですね。なんか寝起きのメイドさんという感じで。でもカクテルは、その名の通り甘くて、呑むのに苦労していました。私は「えみりのぷるぷるぴーちゅパフェ」を名前に負けて注文。こちらは甘いのは覚悟してます。
 来週は委員長の日。どんなことをやるんですかと聞いてみたら、
「えっと、セーラー服を着て、腕章をつけて、眼鏡をかけて……」
 やはり委員長たるもの、眼鏡っ娘でないといけないようです。

 そしてメイドカフェJAMへ。中央通りのヤマギワを左折して、2ちゃんグッズのあるCD屋や中華料理店のある通りをしばらく歩いた右手の半地下にあります。内装もまとも、椅子もテーブルもちゃんとして、清潔にしつらえています。
 きょうは新橋のコスプレ居酒屋との交換留学生の日だということで、8人くらいのいろんな衣装の女の子がたむろしていました。ゴスロリ風あり着ぐるみ風ありパステルメイドあり麦わら帽子あり、統一感はまったくないながらも盛況です。
 この店、入ってから気づいたのですが、昔この近くで仕事していたとき、何回かランチを食いに言った店でした。内装の一部が昔のままだったので思い出した。前回に行ったミアカフェも、普通の喫茶店だった時代にランチを食ったことがある。どうやら秋葉原の喫茶店はおそろしい勢いでメイド化しつつあるようです。
 そんな風に店構えも女の子もよくて懐かしさもあるのですが、客層が最悪。「傍若無人なオタク」を擬人化したような不愉快な輩が、酒も飲まずに騒ぎまくる。煙草の煙を隣の客に吹きつける。マナー悪すぎ、というか、マナーという概念がたぶんない。店そのものはいいんだが、もう二度と行かないと思います。

 ちょっと不愉快になったのでしばらく歩き、秋葉原の昭和通り側出口の先にあるぴなふぉあへ。妙な路地で、数人の男女が何をするでもなくたむろして煙草を吸っているのがブキミな雰囲気です。
 ここは元ブティックかアクセサリーショップだったんじゃないかというような内装です。店内はほとんどピンクに統一されています。メイドさんの服もピンクです。未鏡さんによると、「この店のメイドさんがいちばん脚がすらっとしてた」そうです。メイドさんのしつけもちゃんとしているようです。店のまわりの環境が悪いせいか、すいていました。穴場かも。
 この店はクレープを頼むとメイドさんが絵を描いてくれるサービスがあるのですが、カクテルとパフェで甘味は無理な身体になっていたのでやむなく断念。店内のビラによれば「巨大なクレープ」らしいですし。

 そして最後はLittleBSDで締め。きょうは普通の日でした。
 前回の女の子の話通り、ひとりの娘がけっこうつらそうな小悪魔の扮装で歩き回っていました。背中に羽根がちゃんとあるし。尻尾はなかったけど、三つ又の槍で代用。あとの娘はめいめい自由らしく、いろんなのがいました。私にわかったのはユウナのコスプレだけだったよ。残念ながらFF10のユウナではなく、10−2のあぱらぱーなユウナのコスプレでした。そのうち、ファイナルファンタジーナイトとかやらないかなあ。ユウナとかエーコとかセリスとかクルルとか集めて。下のCos-Chaの背の高い店員さんを招聘してルールーの恰好をさせて。
 今回は懸案だった闇串を注文。うわ、これはなんだ。
「えっと、あたしたち小悪魔が、海とか山とかで狩ってきたものを串に刺して……」
 闇串の内容についてはひみちゅだそうですからこれ以上は書けません。ぜひともご自分でご注文して確かめてください。

 別れ際の未鏡さんのひとこと。
「いやあ、今日は小悪魔デーでしたっすね」
 確かにあなたは、小悪魔ビールとデビルカクテルを呑み、小悪魔居酒屋で締めたからなあ。秋葉原は小悪魔の街になりつつあるのか。

 この日から店のコースターを集めはじめました。私がこの世界に生きたよすがとして。とりあえずラムとぴなふぉあのを貰いました。JAMは四つ葉のクローバーの洒落たデザインでしたが、メイド喫茶っぽくなかったので敢えてもらいませんでした。ウィッシュドールとBSDはそもそもコースターが出てきませんでした。


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