オリンピックの顔と顔

「いよいよ行き詰まってまいりまして」
「情けないことになっちゃったわね」
「ネタももうないし」
「哀れなものね。書くことないならやめちゃえば?」
「そこはそれ、毎日更新がモットーのページですから、ぜがひでも続けないと」
「そうね、それ以外にとりえのないページだもんね。いい加減だし雑だしオチないし」
「……ということで世間話で誤魔化そうかと。てなわけで、本日はマリベルとの夫婦漫才です」
「誰が夫婦よ!」ばしん。
「失礼しました。どつき漫才です」どしん。げひっ。
「あんた、本当に反省してるの?」
「反省してますってば。今週は体調が悪くて。胃が痛くて薬を飲んでいたら、今度は熱が出て、解熱剤と一緒にポカリスエット2リットル一気飲みして、ようやく熱が下がったと思ったら、水分取り過ぎで下痢」
「あんたの体調なんか聞いてないわよ」
「そんなわけで、オリンピックもろくに見てません」
「いいの? 将来悔恨の種を残すかもよ」
「なんで?」
「たとえば二十年後。日本サッカーは世界に飛躍し、ワールドカップの常連。ブラジル、ドイツと優勝争い」
「そんなこともあるかもしれんな、今大会を見てると」
「日本での人気も野球をとうに抜いてナンバーワン。ヴァンフォーレ甲府の試合ですらフジテレビで視聴率20%」
「それはないと思うけどな」
「ある日、あんたの息子が尋ねる。おとん」
「なんでおとんやねん。せめてお父さんとかお父様とか、おもうさまとか」
「誰がおもうさまじゃ。あんたの息子だからね。ロクな教育受けてないでしょ」
「ううむ。まあいいか。で」
「おとん、あ、あ、あああ、あんな、……うんち」
「そこまでアホかい! 故・藤山寛美の物真似までしやがって」
「話が進まないので、少し賢くしましょ。お父さん。確かサッカーの初の金メダルは、二十年前のシドニー大会」
「金メダルなんて、取れるかいな」
「ま、取ったことにして。その記念すべきシドニーの初優勝、ブラジルを破ったあの試合、お父さんはどこで見てた?」
「ブラジルに勝てるかいな」
「ま、勝ったことにして。そう息子に聞かれたら、あんた、どう答える?」
「……ドラクエやってたんで、見てなかった」
「って答えたら、さぞかし息子にバカにされるでしょうねえ」  


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