就職活動

私「ようやっと、ダーマの神殿までたどり着きました」
マリベル(以下マ)「あんたにしては上出来ね。で、何にしたの、職業?」
私「笑わせ師三人」
マ「また行き詰まるのが目に見えるようだわ」
私「どうしてもヘンプの血が騒ぎまして。ところで気になったんですが、どうして『遊び人』でなく、『笑わせ師』なんでしょうね」
マ「そういえばそうね。ヘンな言葉だし」
私「せっかく普及した遊び人の名称を捨ててまで新しい職業を作ったってことは、きっと何か魂胆があるんでしょう。たぶん……」
マ「何なのよ思わせぶりに。言いなさいよ。言わないと……」
私「く、首を絞めないでください。き、きっと職業体系上の都合ではないかと……」
マ「どういうこと?」
私「この先、『笑わせ師』と『踊り子』を極めると、きっと上級職の『エンターテイナー』が選べるんですよ」
マ「シルクハットと燕尾服、蝶ネクタイが装備で、特技がタップダンスとか、手品とか、そういう感じね」
私「そして『エンタテーナー』を極めると、最高の称号『爆笑王』が与えられるのです」
マ「なんか偉そうな名前ね」
私「いままでエノケンと桂春団治しか得ていない称号ですよ。打撃王や撃墜王とは格が違います」
マ「打撃王や撃墜王の方が、よっぽど役には立ちそうだけど」

私「話は変わりますが、ダーマの神殿で、また懐かしい人に会いましたよ。前回と関連してますが」
マ「あの神官のことね」
私「そう、命名神マリナンの神官です。なぜか海底から地上に復帰してきました」
マ「あんた、最初っからキーファを見るたびに、『キースに改名したい!』と騒いでたもんね」
私「でも、すでにキーファは離脱……とほほ」
マ「だいたい、他人の名前を勝手に使うのは、いけないことだと思うわ」
私「しょうがないので、ふくろの名前だけ変えました。必ず変えることにしてるんです」
マ「何に変えたのよ」
私「『あそこ』。ほら、こうすると、メッセージが楽しくなるでしょ。『マリベルは銅の剣をあそこに入れた』とね。げひゃひゃひゃ」
マ「ああ、あたしって不幸。何だってこんなエロオヤヂに操作されなきゃならないんだろう」
私「ところが規制が厳しくなったのか、神の怒りを買ってしまいましてな。呪われてしまいました」
マ「あたしも呪ってやるわ。えい、ほら」
私「あいたたた、それは呪いじゃなく物理攻撃ですがな。なんでも五千ゴールド納めないと、名前の変更が出来なくなったとかで」
マ「ただのぼったくり神官じゃないの? 普通、怒るほどひどい名前なら、すぐ変えさせるんじゃないの?」
私「そのへんはよく……とりあえずそういうことで、マリベルはこれからも未来永劫、棍棒をあそこに入れたり、聖水をあそこから出したりし続けるのです……あ、いた……何を」
マ(無言でマウントポジションを取り、グーパンチで殴り続ける)


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