凄い姉妹

「はーい、マリベルです。ぜんぜん冒険が進んでないので話を進めるわけにいかず、しょうがないので穴埋め企画、『タカビー女をマリベルが斬る!』のコーナーがやってきました」
「タカビーはお前だろ」
「え、だーれ、そんなこと言うのは。……キーファ? 脳髄が日光浴したいのかしら」
「…………」
「さて今日は、叶姉妹に勝てるのはこの姉妹しかいない! ドラクエ4からの古参キャラ、姉は踊り子妹は占い師、カリスマ中のカリスマ、ふんどしがゴージャスなあの姉妹にご登場いただきます。はい、どうぞー!」
「何よこれ。ギャラは出るの?」
「ええ、もう、ゴージャスなお二人ですから、それはもうゴージャスに」
「あ、そ。どうせたいしたことないだろうけど。何が聞きたいの?」
「(……こいつ、あたしより上手かも)ええとですね、まずはいま、どうしてこの地下酒場にいらっしゃるのかという疑惑について」
「芸能界デビューへの足がかりを作ってるのよ。どっかにいいスポンサーいないかしら?」
「以前は裏ダンジョンの偽の村にいらっしゃいましたが……」
「裏ボスがスポンサーになってくれないかなと思ってね。でも駄目。強いだけで、まるで貧乏なんだもん」
「スポンサーといえば、お姉さん、以前はトルネコさんとの交際疑惑もありましたが……」
「ああ、あの男ね。金の切れ目が縁の切れ目。貢ぐだけ貢がせて、破産したら捨てたわよ」
「一説によると、トルネコ武器コンツェルンの財産を、すべてカジノにつぎ込んだとか」
「ノーコメント」
「村にいた奥さんと子供はどうなったんですか?」
「ノーコメント」
「トルネコ財閥といえば世界有数。その財産をカジノに蕩尽とは、さすがゴージャスな方はやることが大きいですね」
「ま、たいしたことなかったわよ」
「世界を救うためといって各地で集めた金も、すべてカジノにつぎ込んだとか」
「ノーコメント」
「それって、いわゆる着服とか横領とかいうやつでは?」
「うっさいわね。世界は救われたんだから、金のことはどうでもいいでしょ」
「そういえばあなたがた姉妹は、血がつながっていないという新たな疑惑が発生したのですが」
「誰なの、そんな根も葉もない噂をながすのは!!」
「ライアンさんだそうです」
「あのヒゲオヤジ、名誉毀損で訴えてやる!」
「なんでも、バルザックに果敢に挑んだお父さんの性格を、妹さんは受け継いでいますがお姉さんは受け継いでいるように思えない、その証拠にわれわれとの冒険の最中も、カジノに寄り道したがってえらい難渋した、あの姉娘とは二度と一緒に行動したくない、と」
「デマよ! でっちあげよ! あの野郎、いちど言い寄ってきたのに肘鉄砲食らわせてやったから、逆上してるんだわ!」
「ところで今回のドラクエ7に対する期待を、ひとことで」
「カジノ」
「先ほどからお姉さんばかり発言されているのですが、妹さんからもなにか」
「ううう……私が占いでお金を貯めても、みんな姉さんがカジノで使い果たしてしまうし、しまいには占いじゃたいした金にならんといって、私を酒場の踊り子に売り飛ばし、その金でまたカジノ……私は、姉さんの性奴隷です……うっうっ」


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