餅の食いかた

 正月といえば餅。毎日雑煮が続いてあきあき、というのは「サザエさん」から「ののちゃん」にまで続く正月の新聞四コマ定番ですが、いま、そんなに雑煮を食い続ける家があるのでしょうか。若い人は「この餅、伸びすぎるからよくない」と言っているという話を新聞で読んでびっくりしたのですが、そんな餅の食べかた。

 定番は焼いてなんかする、というやつですね。焼いて砂糖醤油、焼いてお湯につけてからキナコと砂糖、焼いてゆで小豆をまぶす、焼いて醤油つけてノリで巻く、焼いてバターつけて醤油つけてノリで巻く、焼いて醤油つけて白菜や菜の漬け物で巻く、焼いてお茶漬けのもとふりかけてお湯を注ぐ、焼いて醤油つけてお茶を注ぐ、などなど。最後のはこのお茶を飲むのが好きでした。香ばしい醤油味のとろりとしたお茶。
 めんどくさいけれどいちばん好きだったのは、焼いた餅を二つくらいにちぎって、薄く伸ばし、チーズを巻いて、醤油をつけたノリで巻いたもの。チーズとノリと醤油の味がマッチしていいのです。いまだったら、キムチとチーズを巻いてもうまそうだな。キムチとチーズ、相性がいいから。

 揚げるという手もあります。餅をうすく切って唐揚げ。すぐに揚げるとふくらみすぎるので、切って一日くらい置いて乾燥させたほうがいいようです。揚げたてに大根おろしを添えて醤油で食うのが好きです。お菓子にするなら砂糖をふりかけて。揚げたのをすまし汁か味噌汁に放り込むのもいい。中国の揚げパンみたいで。あるいは熱くしただし汁に大根おろしとともに投入し、揚げ出し豆腐風も。

 つくづく電子レンジってありがたいなと思うのは、納豆餅と大根餅ですな。これはもともと、つきたての軟らかい餅に納豆なり大根おろしなりをまぶす料理。それが電子レンジのおかげで、いつでも簡単に食うことができます。
 納豆餅のレシピ。餅を電子レンジで一分ほど加熱。その間に納豆に辛子を入れて練り、さらに醤油を加えて練る。チンされて餅がふにゃふにゃのぐにゃぐにゃになったら、納豆を入れてこねくりまわす。調理時間約二分。ウマー。
 大根餅(中華ではない)のレシピ。納豆餅同様、餅を電子レンジで加熱。その間に大根をおろし、醤油をまぜる。餅に大根おろしを入れてこねくりまわす。調理時間約三分。ウマー

 おそなえ餅を十五日になると割ってゼンザイにして食うという風習も私の子供のころまであったのですが、今ではほとんどなくなってしまったようですな。今のおそなえはパックされていて、カビもひびわれも生じないからでしょうか。そういえばこのパソコンの上にも、五年ほど前に買った「ハローキティおそなえもち」があって、「賞味期限99年3月31日」とあるのですが、これ食えるのでしょうか。


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