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農業情報処理の授業展開とビデオ活用

楽しみながらマスターできるタッチタイプ 今村 二朗


■タッチタイプ練習ソフトをつくるきっかけ

 いまからちょうど5年前になりますが、地方の短期大学でワープロを教える機会がありました。経営情報学科の先生ということで、画像処理の仕事をしていた私が、コンピュータを教えるには、適任ということになったようでした。新設の短大のためもあり、授業をするにはずいぶん苦労が多かったことを覚えています。
 地方での生活に体がなじまなかったことや、そのほかの事情もあって、結局、年度前半の授業をすませただけで東京に引き上げることになりました。地元を去る日、上りの新幹線に乗ったときの気持ちは、生涯忘れられないものとして残っています。
 東京に帰ってからは、プログラムのアルバイトをして、どうにか暮していました。
そのころ、何気なく始めたパソコン通信に、フリーソフトというものがあり、自作のソフトを掲載すると、誰にでも自由に利用してもらえることを知りました。
短大にいたとき、タイプ練習ソフトにいいものがなく、苦労したことを思い出して、私も学校の教材として使えるタイプ練習のフリーソフトを作ろうと、思いつきました。

■実習に最適「美佳のタイプトレーナ」

 できあがったソフトには、生徒が親しみやすく、呼びやすいように「美佳のタイプトレーナ」と名前を付けました。
ネットに掲載したところ好評で、あちこちの学校から、教材として採用したいとの電子メールをいただきました。
その後、ほかにも英文タイプ練習などいろいろなソフトを作りました。
 たいへんありがたいことに、今回、農文協の教材ビデオ『農業パソコンの基礎と応用シリーズ』第3巻の付録として、「美佳のタイプトレーナ・もぐらたたき編Ver1.00」と「美佳のタイプトレーナVer1.03」が収録される運びとなりました。
 いずれもフリーソフトなので、実習用の教材として、自由にコピーして使用できます。ただし、付属する説明書を必ずいっしょに配布して下さい。
 パソコン通信ネットに加入されているかたは直接ネットからダウンロードもできます。登録場所はNIFTYでは FGALAP LIB 15です。
 また、付録の解説には、PC9801専用のソフトと紹介されていますが、「美佳のタイプ練習シリーズ」はMS-DOS汎用で作動します。ただし、機種によっては表示が一部うまくできないものもあります。
富士通やIBMのパソコン用には、差分ファイル(修正を行うファイル)がネットに掲載されていますので、ご利用下さい。
 タイプ練習ソフトへの要望や、感想、質問などありましたら私あてにパソコン通信経由で電子メール(NIFTY PAF03112あて)を送ってください。

 ■タイプ練習のポイントは…

 キーボードを見ないで打つタッチタイプは、習得が難しいと思われているようですが、教え方さえしっかりしていれば、心配はありません。とくにいまの生徒は、小さい頃からゲーム機などに慣れているので、キーボードの操作については、先生が感じているほどには抵抗感はないようです。
 「美佳のタイプ練習シリーズ」は、生徒が楽しく、やる気をもって練習できるようにいろいろと工夫がこらしてあります。高校生なら一日20分程度の練習を2週間も続ければ、タッチタイプをマスターできるでしょう。
 しかし、30〜40歳代になるとマスターするのはかなり難しくなり、生徒の3倍は練習が必要になります。当然のことですが、先生がタイプを打てないようでは、生徒に適切な指導をするのも難しくなります。教える立場の先生ががんばって、タッチタイプをマスターすることが結局は一番大事なことなのではないかと思います。

■まずは「もぐらたたき編」から

 「美佳のタイプトレーナ・もぐらたたき編(MIKAMOGU)」は、もぐらたたきゲーム風のタイプ練習ソフトです。練習は、初級、中級、上級に分かれています。
 初級では、押す文字のキーの位置が、表示されます(写真1)。
 中級はすこし難しくて、キーボードの表示はありますが、押す文字のキー位置は、すぐには表示されません。2秒たっても文字を打つことができないと、キー位置が表示されます。ちょうど、もぐらたたきゲームのようにキーを打つことになります。
 上級では、画面にはキーボードの文字の表示がありません。2秒後には打つキーが表示されます。
 キーボードをまったく見ないで練習するのがポイントです。もぐらたたき練習を30分から1時間もやれば、たいていの生徒はキーの位置を覚えることができると思います。
 キーの位置をひととおり覚えたら、「MIKATYPE」を使って練習してください。
 「MIKATYPE」での練習は、ポジション練習、ランダム練習、英単語練習、ローマ字練習に分かれています。ポジション練習は、もぐらたたき練習を簡略したものです。ランダム練習は、ランダムに表示される文字を打ち込む練習です(写真2)。
 ポジション練習と、ランダム練習を交互に行って、タイプ速度を速くする練習をします。あるていど指が動くようになったら、英単語練習や、ローマ字の練習も行って下さい。
 合計3時間も練習すれば、簡単な入力には困らい程度に上達するでしょう。
 「MIKATYPE」には、仮名入力の練習用プログラム、MIKAKANA.EXEも同包されています。