キーの打ち方の指導


 次に実際にキーボードを使っての練習に移ります。
キーの位置を覚えるまえに、キーを打つ動作をしっかりと練習します。

1.ホームポジション

 最初にホームポジションに指を置くことから教えます。
ホームポジションの指の位置は絵で書いたほうがわかりやすいのですが。

左小指 左薬指 左中指 左人差指      右人差指 右中指 右薬指 右小指

 A   S   D    F         J   K   L   ;

となります。
 キーボードの説明をするには、前もって、大きなキーボードの絵を用意して、
黒板に張りだしておくといいでしょう。

普通は、FとJのキーに、指で触ると分かる印がついています。
メーカーによっていろいろですが、
小さな点のような突起がついていたり、へこみが少し深かったりします。

言葉で説明するだけでなく、生徒全員にホームポジションに
実際に置かせてみて下さい。
生徒が正しく指を置いているかどうか、きちんと確認してから、次の説明に
入ってください。

2.ホームポジションの打ち方

 次に教えるのは、ホームポジションでのキーの打ち方です。
最初は人さし人差指から教えます。

左指のFのキー、右手のJのキーを人差指で交互に打たせます。

FJFJFJFJFJFJFJFJFJFJ

というように、何度も練習します。

次は中指で同じようにDとKのキーを繰り返し打ちます。

DKDKDKDKDKDKDKDKDKDK

次に薬指でSとLのキーを繰り返して打ちます。

SLSLSLSLSLSLSLSLSLSL

それから、今度は小指でAのキーと;のキーを繰り返して打ちます。

A;A;A;A;A;A;A;A;A;A;

最後にもう一度人差指にもどって今度はGとHのキーを交互に打ちます。

GHGHGHGHGHGHGHGHGHGH

このとき人差指は、Gのキーを打ったら必ずもとのホームポジションのF
に戻し、その次にHのキーを打ちます。
そして、Hのキーを打った指をJに戻してから、今度はまたGのキーを打ちます。
指がうまくもどらないときは

GFHJGFHJGFHJGFHJGFHJ

という練習もします。

以上の指ごとの練習が終わったら、今度は

GHFJDKSLA;GHFJDKSLA;

A;SLDKFJGHA;SLDKFJGH

というように、指を交互に毎回替えて打つ練習をします。

また人差指を毎回かならず間で打つように

FJGHFJDKFJSLFJA;FJ

のような打ち方なども、いろいろ工夫して打ってみてください。

全部の指を使った練習はちょうどピアノの練習曲のハノンのようなものです。
打ち方は練習はほかにバリエーションがいろいろありますが、
実際に打つのを見せないと説明がなかなか難しいものです。
いろいろ工夫して、指が動くように練習してください。

以上の練習でとくに気をつけなければいけないのは、

A.キーを打つ指以外の指を動かさないこと。

B.キーを打つ指以外は、ホームポジションのキーの上にいつも軽く置くこと。

C.人差指についてはGHのキーを打ったあとは、

かならず指をもとのホームポジションに戻すことです。

以上の練習は、簡単なようですが、初めてキーボードに触る生徒にとっては
以外と難しく、なかなか指が動きません。
特に、小指と薬指は、ほかのキーを打ったとき、いっしょに動いてしまいますので、
動かないように注意して練習して下さい。
キーボードを打つのに指が疲れたら、指の体操をやって、少しやすんでから
また繰り返し練習をするといいでしょう。
また、打つ速さは、急いで打つ必要はありません。
ゆっくりと正確に動かすことが大事です。

2.上段の打ち方

ホームポジションの練習が終わったら、今度はホームポジションより一つ
上の段の練習をします。

最初にRとUのキーを人差指で交互に打ちます。

RURURURURURURURURURU

このときは、ホームポジションの人差指の打ち方で注意したのと同じように
Rを打った指をFに戻して、次にUを打ってからその指をJに戻します。

指がうまく戻らないときは打つとき確実に指が戻るように

RFUJRFUJRFUJRFUJRFUJ

というように繰り返して練習します。

次に中指でEとIのキーを交互に打ちます

EIEIEIEIEIEIEIEIEIEI

このときも、それぞれのキーを打つたびに、指がホームポジションに戻るよう
気を付けます。
うまくいかないときはさっきと同じように、

EDIKEDIKEDIKEDIKEDIK

というように練習します。

次は薬指でWとOのキーを交互にうちます。

WOWOWOWOWOWOWOWOWOWO

ホームポジションに指を戻す練習は、

WSOLWSOLWSOLWSOLWSOL

となります。

次は小指でQとPのキーを交互に打ちます。

QPQPQPQPQPQPQPQPQPQP

ホームポジションに指を戻す練習は、

QAP;QAP;QAP;QAP;QAP;

となります。

最後に人差指にもどってTとYのキーを打ちます。

TYTYTYTYTYTYTYTYTYTY

ホームポジションに指を戻すには 、

TFYJTFYJTFYJTFYJTFYJ

となります。

一通り全部の指が終わったら今度は指を全部使って

TYRUEIWOQPTYRUEIWOQP

QPWOEIRUTYQPWOEIRUTY

などの繰り返しや、

TFYJRFUJEDIKWSOLQAP;

QAP;WSOLEDIKRFUJTFYJ

の繰り返しを打ちます。

上段のキーを打つときは、かならず指はホームポジションに置いて、
キーを打つ指だけ一段上のキーを打ち、打った後はすぐにもとのホームポジションに
もどします。

3.下の段

次の練習はホームポジションより一段したの段です。
上の段の練習と同じように

指ごとに

人差指

VMVMVMVMVMVMVMVMVMVM

VFMJVFMJVFMJVFMJVFMJ


中指

C,C,C,C,C,C,C,C,C,C,

CD,KCD,KCD,KCD,KCD,K

薬指

X.X.X.X.X.X.X.X.X.X.

XS.LXS.LXS.LXS.LXS.L


小指

Z/Z/Z/Z/Z/Z/Z/Z/Z/Z/

ZA/;ZA/;ZA/;ZA/;ZA/;

人差指

BNBNBNBNBNBNBNBNBNBN

BFNJBFNJBFNJBFNJBFNJ

の練習をします。
指ごとの練習が終わったら、
全部の指を使った練習をしてください。

BNVMC,X.Z/BNVMC,X.Z/

Z/X.C,VMBNZ/X.C,VMBN

BFNJVFMJCD,KXS.LZA/;

ZA/;XS.LCD,KVFMJBFNJ


下段についての練習は、指を曲げるのがかなりむずかしくて、
なかなか上手には打てません。
根気よく練習してください。

練習のポイントは、上一段のときと同じように、
キーを打つ指以外の指は動かさないで、ホームポジションに置く。
キーを打った指はかならず、打ったあとにホームポジションにもどして、
そのあとで、次のキーを打つことです。

4.最上段

 最上段のキーは、指をホームポジションに置いたままでは打つことができません。
指を伸ばして打つのですか、このとき小指か、人差し指のどちらか一方が、
ホームポジションに残っているようにして打ちます。
このとき、指がホームポジションから動いてしまうと、
打ったあと指をホームポジションに戻すことができなくなってしまいます。

最上段の打ち方はかなり難しいので、初めは練習しないほうがいいでしょう。