★とんかつの浅井

亭主の家からは1時間ほど、尾張旭市にある「浅井」。
この店は、昼飯を食う店を当てもなく探していて偶然に見つけたのであるが、それは感激物の美味しさだったところ。少々わかりにくい裏道にあるので「教えたくない名店」にしておこうと思っていたら、しばらくあとに「中日ドラゴンズ立浪選手のお奨め」ということで、しっかりテレビに出てしまって、「あほらし〜」とガッカリしたことがある。

ここの豚カツは調理法が変わっている。脂身を除いて何らかの下ごしらえ(卵を含むものの中に漬け込まれているのだが内容は企業秘密らしい)を施した肉に、生パン粉をつけて、浅いフライパンに肉の厚さの半分程度の油で、裏表少し色づくまでに上げたあと取り出し、オーブンで加熱するのだ。オーブンから取り出して鉄板で養生をして出すというもの(焼き上げと呼ばれる)。
とにかく肉が柔らかい(秘密の下ごしらえが効いている)のに感激する。厚さ1.5cmほどの肉を薄い衣が覆っていて、しっとりと香ばしい。焼き上げの一番の特質は、油っこくないというところである。ロース肉で脂身を削いでいるのは、この効果をより確かなものにしている。
ロース、ひれ、それぞれソースと味噌が選択できる。定食で1500円ほど。何度食べても美味しい。

場所は、名古屋の出来町線をずっと東に走って、尾張旭市に入って「晴丘」という交差点を右折、最初の道を左折すると大きな「浅井」の看板が出ている、ここを左折するとすぐである。


★Mon Cher Ma Chere

モンシェール・マシェール

名古屋鶴舞にある小さなフランス料理とワインの店「Mon Cher Ma Chere(モンシェール・マシェール)」。
この店は開店当時の店名が災い(商標権問題)し、一時存亡の危機に立っていたが、店名変更で存続を許され、「過度に有名になってほしくない店して数年来通い続けて」といる我らファンにとってほっと一息である。
シェフ兼オーナーは、さる有名店で修行した後独立し、料理の腕は一流であることは言うまでもなく、ワインの造詣が深く、生産地フランスの畑やシャトーを見て確かめてくるといった念の入れようである。
フランスのワインには5大シャトーとも8大シャトーともいわれる有名なワイン製造元があるが、ボトルで飲むと、料理の何倍〜何10倍の値がするので、高嶺の花でしかない。
しかしこの店では開栓後のワインを劣化させない特殊なセラーマシンを導入し、いわば「試飲」させてくれる。ちなみに50cc単位のグラスワインとして、「本日の5大シャトーワイン」と黒板にチョーク書かれたどれも100円/1cc=5000円/50cc。

11月、ボジョレーヌーヴォーの解禁日以降であれば、数種のヌーヴォーと料理のセットメニューがある。メンバーが4人なら回し飲みで、この料理には、この「赤」が合うとか、何もなしに飲むなら「ロゼ」がいいと、プロが聞いたら「何を知ったかぶりを」と怒り出すかも知れないことを言い合える。
もちろん、ヌーヴォーだけで収まるはずはなく、そのほかにもアルザス地方の白、オーガニック(フランスに渡った日本人が作っている)の無濾過白ワインを頼んでみた。日本酒の濁り酒や無濾過ビールと同じく濁りがあるこのワインは、ビン詰め後も発酵が続いている結果発生した二酸化炭素が溶け込み、かすかに発泡感がある非常に個性的な味である。3〜5年寝かしたらどんな味になるか試してみたいが、博打かもしれない。
ところでコースが終わりシェフが教えてくれたことには、なんとあの食にうるさいフランスで、当然統一されていると信じていた「オーガニック」「無農薬」「減農薬」の認証機関が多数あり、基準はばらばら、しかも流行に乗り遅れまいと「オーガニック」の認証を取るため、畑の葡萄の木のあいだに、ただ一種の雑草が真っすぐ一筋生えているだけという不自然な畑もあるとか。
「日本のJASと同じじゃないですか!」
「流行に乗って商売しようと思いますからね、自分たちはそこを見に、現地まで行くんです」とおっしゃってました。
ちなみに今夜の5大シャトーは「ロートシルト」。このクラスのワインは出された直後には堅い蕾、それが徐々に開いてやがて妖しい花が咲くといった感じで変化する。この化け方のおかげで1杯で3回おいしい。


★THE GLOBE

ザ・グローブ(自家焙煎コーヒー豆の店)


手回しのミルで豆を挽いてコーヒーを入れるので、豆はいいものを使いたい。できれば自家焙煎、何と言っても炒りたて挽き立て淹れたてが美味い。
自家焙煎の店はほかにもあり、贔屓にしていたが、とうとう究極の炒りたて店を見つけた。
THE GLOBEは地下鉄鶴舞線、杁中駅1番出口から国道に沿って東へ徒歩2分、非常にわかりやすい。
豆は「生豆」で置いてあり、注文に応じてその場で焙煎冷却してくれるのだ。だから「究極の炒りたて」。
ご近所に住んでいない限り、交通費がかかるので、200グラムなどの少量購入はお勧めできない。当面飲まない分は冷凍しておけば風味が飛ばないので大丈夫である。


★天天

てんてん(中国、米麺の専門店)



名古屋で唯一ホットな商店街「大須」にある。アーケードのある仁王門通をちょっと南に折れたところである。「コメ麺」が売りである。
その一つ「桂林米麺」は薬膳と言ってもいいほどのスパイスの香りと、程よい辛さ、小麦麺とは違う米麺独特のつるつる感がやみつきになる。
「汁あり」と「汁なし」があり、気温や好みによって食べ分けられる。
料理人もマダムも中国人で、お客もほとんど中国人、つまり「本場の味」と言うことだ。


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