台北旅行記 |
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2014/12/13 |
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2014年11月14日から17日まで、台湾旅行に出かけました。台北中心です。 昔はアイルランドやらガラパゴスやら世界の果てを目指していたのに、このごろ近場過ぎるんぢゃないの?と言われてしまいそうですが、正直二人合わせて130歳超えると遠距離は辛いです。(苦笑) それに、猫たちの世話や発酵玄米の世話やらあるので長期間家を空けられないし、まだかみさんの腰が本調子ではないんです。そういうわけで近くてもビジネスクラスで行きます。 探せば安くてもビジネスクラスのツアーがあるんですよ。 |
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飛行機は15:15発のキャセイパシフィック航空。でも集合は13:15。我孫子より成田線で成田、それから空港行きに乗り換え。第一ターミナルに到着するとわりあい人が少なく、いつもよりは空いている。 | ||||
カウンターで航空券を貰い、手荷物検査は混雑のエコノミー客通路を横目に見ながらVIP通路を通る。そして待ち時間はキャセイパシフィック航空VIPラウンジで。広いが天井が低いので圧迫感がある。飲み物はなんでも揃っていて、ツマミには寿司まである。 けっこう混んでいてどのテーブルも客で埋まっている。大半が中国人らしい。そのうちアナウンスで飛行機が50分遅れることが分かり、待ち時間が2時間近くなった。MemoPadでネットしながらビールを飲み、ワインを飲む。出発前にすっかり酔っ払ってしまう。 |
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ようやく搭乗が始まった。キャセイ機にはビジネスクラス席が15列もある。7×15で105シートだ。VIPラウンジが混んでいたはずだ。 さすがに前後の空間は狭く、座席はフルフラットにはならない。それでも各席に個別のスクリーンはあるし、メディアはサービス豊富だ。私はまず「最新映画」を選び、『ホビット・竜に奪われた王国』を見る。(下・左右)しかしひっきりなしのアナウンス、ドリンクや食事サービスのために気が散って集中できなかった。そのうえ、この映画「次号へ続く」になってしまい、尻切れトンボだった。( ゚Д゚)…もう続編が公開中。 |
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機内食が出るはずなので私はVIPラウンジの寿司は食べなかった。
するとやっぱり腹が減ってくる。そこへ待望の機内食。左の前菜から始まって各種のパン、ビスケットなどが出る。
その後、メインディッシュは牛・豚・魚が選べる。私たちの選んだのは鯛の揚げ物だった。(下・左)最後にケーキ、プリン、フルーツのデザートが選べる。 当然フルーツにした。(下・右) 食後はエリック・クラプトンの最新アルバム『Old Sock 』を聞きながらウトウトする。 |
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約四時間の飛行の後、台湾島の光が見え始めた。全体的にオレンジ色だ。街灯などにオレンジが多く使われているらしい。なんとなく昭和の日本の夜景を思わせる。 やがて台北市上空に入り、101タワーを中心に広がる市街が見えてくる。飛行機はそこを通り過ぎて隣りの桃園空港に着陸。台北空港だと思っていたのにホテルまで車で一時間かかった。ただ、ここはかなり大きな国際空港として再開発されているらしい。広くて(下・左)近代的な構造になっている。(下・右)私たちは到着後、さっそく空港内の両替店で1万円分の台湾圓を両替した。 |
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空港の入り口で待っていた日本人ガイドのKさんと車に乗り、すでに夜中になってしまった高速道路を台北へと走る。かなり薄暗い道路だが、市街地に近づくにしたがって街明かりが増えて来た。高速を降りてもやっぱり薄暗い街並みだった。 もっとも外国の市街地はどこもこんなもので、夜でも昼間のように明るい日本が異常なのだね。 |
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到着したホテル「六福客桟(レオフーホテル)は台北の中心街にある古いホテルだ。骨董品レベルの調度品と古めかしい(と言いたい)設備が並んでいる。こういう古いホテルが落ち着く、という人にはちょうどいいかもしれない。従業員はほぼ全員が日本語を話す。 問題は部屋のWIFIが有料で高いということで、それでけで拒絶反応を起こす人もいるだろう。一階ロビーだけは通じるので通信したい時には降りてくればいいのだ・・・と私は思う。宿泊料安いんだし。 |
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このホテルのいい所は一階に24時間オープンのコンビニがあること。遅く着いたので、これから知らない街に買い物に出るわけにもいかない。コンビニでビール一本と高粱酒(40度)の小瓶を一本、それに枝豆つまみ(日本産)を購入。これで簡単に一杯やって台北到着を祝った。 | ||||
明けて11月15日、天気は下り坂。日常では朝食を取らない私たちだが、サラダとお茶くらいは貰おうとレストランへ。 7時にはもうどのテーブルにも人がいる状態。こちらの人の朝は早そうだ。形式はホテルにありがちなバイキング、種類は中国らしい豊富さだが肉料理が多くベジタリアン向けではない。 |
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端っこの席でフルーツとパセリのサラダを食べながら、窓から道路を見下ろすとかなりの雨。寒いというほどではないが、南国を予想してきたこちらとしては意表を突かれた。歩いている人たちはぴっしり上着を着込んでいる。台湾でも11月は秋の風情なのだ。 とはいいつつ、持ってきた短パン・半袖を着ないのもなんだから着ていく。 |
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龍山寺・中正記念堂 | ||||
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8:40、迎えの車で台北市内観光へ。 ガイドはSさんと言い、姿も話し方も俳優の北村総一朗さんにそっくり。日本での留学体験もあり、確かな日本語を話す。ちょっと片足を引きずっている彼に導かれて午前中は台北南側の観光地を巡回。 最初は中心部の議事堂や総統府を窓外に眺め、台北最大の寺院「龍山寺」へ。この寺は本堂以外にたくさんのお堂を持っており、様々な神仏を祭っている。さながら寺社のデパート。ここだけで市民のすべてのニーズに応えられるらしい。台湾人の信仰も篤く、連日繁盛しているようだ。 |
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本堂で筮竹を引いてお札を投げ、運勢を占う。(上・左右)かみさんがやってみたが三度投げても吉が出なかった。(笑) 次に来たのは中正記念堂。(左)バカ高い建物だ。ありていに言うと「蒋介石のピラミッド」。中は当然ながらスカスカで、無意味に広大な空間がもったいない。それでもけっこう賑わっていた。 |
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昼食の時間になり、Sさんに頼んで連れて行ってもらったのはベジタリアン対応の飲茶(やむちゃ)店。(上・右)野菜だけを使った小籠包(ショウロンポウ)を出してくれた。(左) 食中酒として紹興酒を飲み、Sさんにも勧めたら、 「私もさんざん飲んで、その結果痛風になったんですよ」と引きずっている右足を示した。 |
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忠烈祠・故宮博物院 | ||||
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台北中心部から大佳河で区切られた北部地域には様々な名所があるようです。故宮博物館はこの地域の、そのまた一つ山を越えた場所にあります。トンネルでその山の下を潜り、今回の目玉「中国8000年の歴史」を証明する博物館に向かいました。 | ||||
午後は台北北部の観光になる。大桂河を越えて「台湾の靖国」忠烈祠へ。ここもでっかい建物だ。(上・左)二時間おきに番兵が交替する、その儀式を見るためにたくさんの人が集まっていた。(上・右) それから自強トンネルを抜けて観光の大本命たる故宮博物館へ。紫禁城を模したという話だったがそれほど大規模ではない。外は風が強くなってきた。(左) 内部は暗く、迷路のようで、どこに何があるのかさっぱり分からない。Sさんが大まかに案内してくれたのでなんとか全容をつかむことが出来た。中は撮影禁止。(そんなの関係ないんだけど) |
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一周して一息入れようといったん外へ出る時に、手にスタンプを押される。(右)これが無いと再度入れないらしい。 Sさんは日中戦争で南京、重慶へと疎開した宝物たちが、内戦で再び南京・台北へと運ばれた経過や、二人の日本人が最重要クラスの仏像や陶器を寄付したことなど教えてくれた。 |
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ホテルに戻ったのは16:00頃で、まだ時間は早い。ホテルの受付嬢にベジタリアン・レストランの場所を聞き、暮れなずむ台北市街を散歩がてら歩く。 しかし教えられた店は見つからない。三往復したところで諦め、逆戻りして回転寿司の店に入った。セルフサービスだから面倒はないものの、回っている皿の中に食べたくなるものがない。河童巻きと鮭がまともなくらいで、他は得体のしれないヘンテコな種のものばかりだった。 |
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外へ出ると大通りを宣伝カーが走っていた。台湾は統一地方選の真っ最中。日本ほどうるさくないが、街頭にはあちこちに巨大なポスターが飾ってある。 これはガイドさんの誰にでも聞いたことだが、与党・馬英九政権の支持率が15%程度で、与党の大敗北は必至だという話だった。(事実、そうなった)馬政権は大陸との友好に熱心で、そのために貿易・観光など経済的にはうまく転がっている。野党政権が出来たらそれがどうなるのか、と心配していた。 |
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烏来でトロッコに乗る | ||||
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台湾はもともと高砂族とかタイヤル族とか呼ばれる先住民たちの島だったそうです。台湾海峡の流れが激しいために本土から人間が移住できなかったからだとか。だから最初にこの島へ移住してきたのはオランダ人で、彼らが華南地域から中国人を移住させました。この渡来人たちが先住民を平地から高地へ追い払ったそうです。しかし首都から車で一時間程度の山中に先住民が住んでいるという事実は、北海道や国後・択捉まで行かなければアイヌ民族に会えない日本に比べて開拓の歴史の浅さを思わせます。 | ||||
11月16日、天気は持ち直す。 ここでの呼び物は「首狩り族」だった時代を含むタイヤル族の歴史と文化をドラマにした歌舞劇。最後には観客を舞台に上げて集団ダンスになる。(下・左右…内容は撮影禁止) |
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実はタイヤル族のステージはかなり強引な商売もしていた。私はうまく逃げたけどかみさんは捕まっていた。(具体的には言わないけど、ヒントは写真) その後、滝の見えるレストランでベジタリアン用の昼食。(上・左)それから滝の前で記念撮影。(上・右) さらにこれが呼び物のトロッコ電車に搭乗。ネット上にある動画で見たよりも小さくて可愛い電車。(下・左右) |
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こちらは最初の一分間をスマホで撮影したもの。YouTubeへのリンクです。ガタンゴトンと軽快に走り、あっという間に終着点です。 | |||
トロッコの終着点から河を渡ると鳥来温泉街です。ここは九?(きゅうふん、ジォウフェン)と並んで『千と千尋の神隠し』のモデルとなった場所として有名なのだそうだ。(注・ジブリは否定) 浅草仲見世に似た狭い通りを進むと、豚の丸焼きなんてものがあったり(下・右)、雑然としたなかなか楽しい所だった。 |
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光華市場 | |||
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台北最後の訪問地は八徳路電脳市場。光華市場を中心に一段、二段ともに家電・パソコン販売店が並んでいます。いわゆる「台湾の秋葉原」。ここで怪しいソフトや小物を物色しようというのが目的なのですが、果たしてどうなることやら? 台北で評判のいいMRT(地下鉄)にも乗りたくて捷運松江南京駅から捷運忠孝新生活駅までの一駅乗車しました。 |
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午後の早い時間に戻ってきたので私の希望で光華市場探訪へ。 その前に前日購入した絵葉書を投函する。同時に買った切手が料金不足で、追加切手を購入しようとしてひと騒動あった。コンビニの前に車を停めて降りようとしたかみさんの足をSさんがドアで挟み、おわびに買ってくれたのだ。赤いポストが国際便・大型便で緑のポストが国内便。 |
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ホテルから大通りを数分歩くと捷運松江南京駅。階段を降りていくと近代的な地下街が現れた。はっきり言って台北市街は小汚いが、地下は明るく美しい。そのギャップに驚かされる。 自動販売機で切符の代わりになるICトークンを買う。(左)トークンはコイン状のICチケットで(下・左)、使い回しが出来るのだから合理的。ホームは完全クローズドで安全性も高い。(下・右) |
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捷運忠孝新生活駅を出て大通りから狭い道に入ると電気街になる。しかしちっとも怪しくならない。ASUSやレノボなどメジャーな会社の販売店があるばかり。 国際電子広場や光華市場の地下に潜っても面白そうなものは何もない。ごちゃごちゃドロドロの世界を期待したのに健全そのもの。台湾の秋葉原も近代化してしまったようだ。 |
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電脳店よりも目立っていたのは光華市場の手前にあった野菜・食材市場。(上・左)大勢の人々が集まっていた。 八徳路の交差点には確かに電気店の看板が並んでいるけど秋葉原ほどの賑わいはないし、典型的なオタクファッションの青年たちなど見かけない。 代わりに目立ったのはこの通りが骨董品店通りでもあることだ。故宮博物館で見たような美術品・小道具類を陳列した店が並んでいる。これはこれでマニアにはたまらないだろう。 |
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帰国 | |||
11月17日、帰国します。雨模様の中、午後一の便なのに9:00出発。ガイドは女性のTさんです。この方は気さくで話の分かる人だったので途中の「お土産店」をショートカットしてもらいました。車の中ではプライベートを含めて色んな話をしました。ショートカットはいいのですが、その分余計に待ち時間が増えてしまい、空港のVIPルームでまたもや2時間待ちました。 飛行機はどんよりと曇った空に駆け上がり、雲海の上に出ました。(上・左)数時間後、雲海の向こうに夕日が沈むのを見ながら成田空港着。(上・右)距離的にも心理的にも「海外旅行をした」という負担はなく、気楽な旅行でした。また行こうと思います。 |
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