W・ヒース・ロビンソン
William Heath Robinson
(1872-1944)

絵本の世界では名高いロビンソン兄弟の三男。
イスリントン美術学校、ロイヤル・アカデミーに学び、最初は風景画家を目指す。それに挫折してから、兄たちのあとをおって絵本画家になった。やがて兄たちを超える売れっ子になり、たくさんの雑誌の挿絵を描き、また広告美術に携わった。絵本画家としては兄のチャールズ、ビアズリー、シドニー・サイムなどに影響を受けている。
彼の活躍は幅広く、挿絵画家の枠を超えて、ユーモラスな役にたたない道具の発明家として知られ、また喜劇の舞台などをデザインした。さらにドーバー定期船の壁面デザインや、ブリテン女王館・デイリーメイル展示館の壁画などをデザインした。
作品は「ドン・キホーテ」(1897)「ポー詩集」(1900)キプリング「イギリスの歌」(1909)など。
余談だが辞書でHeath Robinsonをひくと、『巧妙に込み入っていて組立不能の』という意味になる。たぶんこれは彼の珍奇な発明品から発生した言葉だと想像できるのだが、門外漢の外国人には理解不能である。

ヒース・ロビンソン作「世話人ビル」挿絵 (1912)

W・H・D・ロウズ編「巨大蟹ほかの話」挿絵 (1897)

「世話人ビル」口絵(1912)

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